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焦点:ロヒンギャ難民危機、働く子どもたちを襲う搾取と虐待
November 17, 2017 / 11:48 PM / 25 days ago

焦点:ロヒンギャ難民危機、働く子どもたちを襲う搾取と虐待

Tom Allard and Tommy Wilkes

 11月13日、ミャンマーから逃れてきたロヒンギャ難民の子どもたちが、バングラデシュ領内で、苛酷なまでの長時間、わずかな報酬で働かされており、身体的・性的暴力を受けている子どももいることが、国際移住機関(IOM)の調査で分かった。写真はロヒンギャ難民の少年ズバイア君(14)。コックスバザール近くの難民キャンプで12日撮影(2017年 ロイター/Navesh Chitrakar)

[コックスバザール/クトゥパロン(バングラデシュ) 13日 ロイター] - ミャンマーから逃れてきたロヒンギャ難民の子どもたちが、バングラデシュ領内で、苛酷なまでの長時間、わずかな報酬で働かされており、身体的・性的暴力を受けている子どももいることが、国際移住機関(IOM)の調査で分かった。

ロイターの独自取材でも、調査結果の一部が裏付けられた。

ロイターは、バングラデシュ領内の難民キャンプにおける搾取・人身売買に関してIOMが行った調査結果を独占入手し、検証した。そのなかには、まだ11歳のロヒンギャ族の少女が結婚させられた事例も記録されている。両親はこの結婚によって保護と経済状況の改善が得られると話している、という。

難民人口の55%に当たる約45万人の子どもたちは、住んでいた村落が破壊され、治安部隊や仏教系の暴徒によるものとされる殺害や略奪、レイプから逃れ、ミャンマー国境に近い過密状態の難民キャンプで暮らしている。

難民キャンプが設置された場所に近いコックスバザールの警察本部長補佐によれば、子どもの脱走を防ぐ目的もあり、11カ所の検問所が設けられているという。

「ロヒンギャの子どもが働いているところを発見されたら、事業のオーナーが罰せられる」と彼は言う。

ロヒンギャ武装勢力がミャンマー治安部隊拠点の約30カ所を攻撃し、ミャンマー軍が激しい反撃を加えてからこの2カ月半のあいだに、難民の大半はここバングラデシュに避難してきた。

ザイド国連人権高等弁務官は、ロヒンギャ迫害を「民族浄化の典型的な例」と表現しているが、ミャンマー政府は、軍の行動はロヒンギャの「テロリスト」による攻撃への適切な対応であると反論している。

難民キャンプ長期滞在者と最近流入した難民とのディスカッションに基づくIOMによる調査結果、またこれとは別にロイターが行ったインタビューからは、ロヒンギャの子どもにとって、キャンプでの生活が、ミャンマーでの生活に比べてほとんどまったく改善されていないことが明らかとなった。

IOMによれば、子どもらは労働仲介業者のターゲットになっており、栄養不良と貧困の広がる難民キャンプでは、困窮した親たちが子どもたちに働くことを奨励しているという。3年生以上の子ども向けの教育機会は限られている。

調査結果によれば、わずか7歳のロヒンギャ族の少年少女がキャンプ外で働いていることが確認されている。

IOMと難民キャンプで暮らすロヒンギャ族の報告によれば、男の子は農場、建設現場、漁船、さらには軽食堂や人力車の車夫として働いている。

女の子は通常、近隣のリゾート地であるコックスバザールや、難民キャンプから約150キロ離れたバングラデシュ第2の都市チッタゴンのバングラデシュ人家庭で家政婦や子守りとして働いている。

報復を恐れて匿名を条件に取材に応じた母親の1人は、14歳の娘がチッタゴンで家政婦として働いていたものの、雇い主のもとから逃げてきたという。

難民キャンプに戻ってきたとき、娘は歩くこともできなかった、と母親は話している。さらに、娘はバングラデシュ人の雇い主から身体的・性的な暴力を受けたという。

「雇い主はアルコール中毒で、夜、娘の寝室に来てはレイプした。6回か7回も」と母親は言う。「お金はまったくもらっていない。何も」

ロイターは独自にこの証言を確認することはできなかったが、IOMの記録には、これと類似した証言が他にもある。

 11月13日、ミャンマーから逃れてきたロヒンギャ難民の子どもたちが、バングラデシュ領内で、苛酷なまでの長時間、わずかな報酬で働かされており、身体的・性的暴力を受けている子どももいることが、国際移住機関(IOM)の調査で分かった。写真中央は、コックスバザール近郊の難民キャンプにほど近いモーテルで働くハサン君(10)。12日撮影(2017年 ロイター/Navesh Chitrakar)

取材に応じた人の大半は、女性のロヒンギャ難民は「性的嫌がらせやレイプを経験し、自分をレイプした相手との結婚を強要された」と話している、とIOMは報告している。

<給料はスズメの涙>

バングラデシュ領内の複数の難民キャンプでは、子どもが独りでぬかるんだ道を目的もなしに歩き回り、テントの外で物憂げに座り込んでいるのをロイターは目撃した。路傍で物乞いをしている子どもも多かった。

国連の各機関・慈善活動の統括をしている部門間調整グループ(ISCG)によれば、今月、難民キャンプ内で確認された親の付き添いのない孤独な子どもは2462人だったという。だが、実際の数字は「はるかに多い可能性がある」とISCGは話している。

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)とバングラデシュの難民救援帰還委員会が行った予備調査によれば、全体の5%に当たる3576家族では最年長者が子どもだった。

ロイターでは、子どもを働きに出している7家族にインタビューを行った。どの家族も、悲惨な労働条件、低賃金、虐待を報告している。

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汚れたサッカーのユニフォームを着たムハマド・ズバイア君は自称12歳だが、その年齢のわりには小柄に見える。彼の証言によれば、1日250タカという条件を提示されたのに、結局38日間、道路建設現場で働いて500タカ(約680円)しかもらえなかったという。母親によれば、彼は14歳だという。

クトゥパロン・キャンプ内の土で作られた小屋の入口にしゃがみ込んだズバイア君は、「道路にレンガを並べるのはキツい仕事だった」と語る。報酬を増やしてほしいと要求すると、雇い主は彼に暴言を吐き、出て行けと言われたという。彼は雇い主が誰であるのかを明らかにしなかった。

ズバイア君はその後1カ月間、軽食堂で働いた。午前6時から深夜0時過ぎまで、午後に4時間の休憩を挟み2つのシフトに入ったという。

ズバイア君によれば、店を離れることは認められず、両親に1回電話をかけることを許されただけだという。

「給料がもらえなかったので逃げ出した」と彼は言う。「オーナーである店長が他の人たちとここに来て、私を再び連れて行くのではないかと思って、恐くなった」

<強制結婚>

IOMの調査結果によれば、保護と金銭的な安定を求めて、娘に早く結婚するようプレッシャーをかける親が多いという。IOMによれば、11歳の幼さで結婚する子どももいるという。

だが、多くの女性は「2人目の妻」にしかなれないとIOMは指摘。すぐに離婚され、「その後は何ら経済的な支援を受けられずに捨てられる」ことが珍しくない立場だという。

IOMの人身売買対策専門家であるKateryna Ardanyan氏は、難民キャンプにおいては搾取が「日常化」してしまったという。

「他の人身売買対策メカニズムに比べて、人身売買業者の方が通常、すばやく状況に適応する。人身売買の予防に努めることが重要だ」と同氏は言う。

「ロヒンギャ族の男性・女性、そして子どもたちを搾取と虐待から保護するための資金の確保が緊急に必要だ」

(翻訳:エァクレーレン)

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