August 31, 2018 / 2:16 AM / 19 days ago

アングル:NAFTA新合意、主要分野にみる勝ち組と負け組

[30日 ロイター] - 米国とカナダは30日、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を巡り、31日までの合意を目指して集中的な協議を行った。

 8月30日、米国とカナダは、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を巡り、31日までの合意を目指して集中的な協議を行った。写真はNAFTA参加国の国旗。メキシコシティ で昨年11月撮影(2018年 ロイター/Edgard Garrido)

この問題では米国とメキシコが27日に合意し、カナダの交渉再開に道を開いた。米・メキシコ間の合意と元のNAFTAとの主要な相違点および、勝ち負けについての見通しを以下にまとめた。

●自動車

米国とメキシコは自動車の原産地規則について、現地調達率を現行の62.5%から75%に引き上げることで合意した。

これは北米以外の地域で組み立てた自動車を米国で売りにくくするだけでなく、アジア製部品をこの地域からさらに締め出すのが狙い。

両国はまた、自動車の40─45%を米国やカナダなど時間当たり賃金が最低16ドルの地域で生産することで合意。これはメキシコへの生産移転を食い止める可能性がある。

正式な合意に盛り込まれていない付帯合意では、米国はメキシコからの乗用車およびスポーツタイプ多目的車(SUV)の輸入台数が年間240万ドルを超えると、国家安全保障上の理由による関税を検討することが認められる。

これは昨年の実際の輸入台数よりも大幅に多い数字であるため、メキシコは輸出を増やす余地があるが、潜在的な輸入枠の役割を果たす。付帯合意では、年間900億ドルを超えるメキシコからの自動車部品輸入に対しても同様の関税が認められる。

それでも、トランプ政権が世界中の自動車輸入に対し、米通商拡大法232条に基づく国家安全保障を理由とした関税を発動するなら、メキシコは他国に比べれば有利になるかもしれない。

合意では、従来のNAFTAに比べ北米製の鉄鋼、アルミニウム、ガラス、プラスチックの利用を増やすことも義務付けた。

新NAFTAは付帯合意を通じ、北米を「管理貿易」へと近付ける。これは、合意に対応できる大企業には有利かもしれないが、消費者は値上がりという害を被る可能性がある。

●紛争処理

米国とメキシコは、反ダンピング紛争処理制度を定めたNAFTA19条の撤廃で合意した。

これはトランプ大統領が強く求めたものだが、カナダは難しい立ち場に追い込まれる。トルドー首相は、針葉樹製材や紙に対する米国の関税を不公平として戦う上で、19条の維持を主張してきたからだ。

カナダは19条を維持するため、現在保護されている210億カナダドル(163億米ドル)規模の乳製品市場に関して譲歩を迫られるかもしれない。

●雇用

新たな合意では、国際労働機関(ILO)の労働基準を順守することをメキシコに義務付ける条項も盛り込んだ。これはメキシコの賃金を引き上げ、労働集約型投資の場としての同国の魅力を削ぐことになる。

●農業

合意では、今後も米国はメキシコ産農産物に関税をかけない。メキシコは最大の対米農産物輸出国。

●国境を超えた輸送

メキシコは、免税対象の配送額の上限を2倍に引き上げ、100ドルとする。これは配送企業やアマゾン・ドット・コムのような電子商取引企業にとって追い風となる。

●有効期間

新たな合意では、NAFTAの有効期間を16年間とし、6年ごとに見直して16年間延長できるようにする。

貿易制限が強まる結果、メキシコとカナダは6年ごとに交渉のテーブルに戻る必要性が増す。

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