September 12, 2019 / 5:01 AM / 7 days ago

アングル:日欧の現状にみるマイナス金利の「不確か」な効用

[11日 ロイター] - トランプ米大統領は11日、米国以外の国・地域で超低金利やマイナス金利が導入されているのがうらやましいとつぶやき、米連邦準備理事会(FRB)の「間抜けな連中」が追随しないことを叱責した。

9月11日、トランプ米大統領は、米国以外の国・地域で超低金利やマイナス金利が導入されているのがうらやましいとつぶやき、米連邦準備理事会(FRB)の「間抜けな連中」が追随しないことを叱責した。写真はワシントンのFRB本部。3月撮影(2019年 ロイター/Brendan McDermid)

だがマイナス金利が実現すれば、同時にさまざまな経済的に厄介な荷物を抱え込んでしまう。その意味でトランプ氏は、自身が望むものを手にするのが本当に良いのかどうか慎重に考えた方が良いだろう。

中央銀行は政策金利をゼロ未満にすることで、銀行の中銀預金にある超過準備に手数料を課し、融資を促すインセンティブとして投資や消費を活性化できると期待する。

ところが経済政策手段の常として、マイナス金利もそうした目標達成という面で成績はいまひとつだ。

10年前の金融危機を経てなかなか低迷から脱することができない経済状況を踏まえ、これまでに世界で5つの中銀がマイナス金利を採用した。その中には、FRBに次ぐ存在である欧州中央銀行(ECB)と日銀も含まれる。

そしていずれも持続的な成功を収めてはいない。D・A・ダビッドソンの債券バイスプレジデント、メアリー・アン・ハーリー氏は「欧州ではマイナス金利がどんなメリットをもたらしただろうか。銀行の助けにはなっていない。もしかすると、国債を発行している国にはプラスになったかもしれない」と語った。

FRB当局者も、海外の中銀の経験を横目で確認しながら、マイナス金利の効果には非常に懐疑的な姿勢を維持している。

以下に、マイナス金利を導入した5カ国・地域の推移を示した。

<欧州>

ECBは2014年、慢性的な物価上昇力の弱さと低成長を受け、マイナス金利を採用した。12日の理事会でもマイナス金利の深堀りに動くと見込まれる。

ただし今のところ物価や生産を持続的に押し上げる力は見られない。

<日本>

日銀は2016年にマイナス金利を実施したが、効果が出ているという証拠はECBよりもさらに少ない。

<スウェーデン>

スウェーデン中銀が政策金利をゼロ未満にしたのは2015年で、しばらく機能したように見えた。成長が上向き、物価上昇も加速したからだ。ドイツ銀行のチーフ国際エコノミスト、トルステン・スロック氏は「通貨が下落すれば、マイナス金利のメリットは大きくなり、スウェーデンはそうした状況になった」と指摘。それでも今はそうした効果が減衰しているように思われると付け加えた。

<スイス>

スイス国立銀行は他のどの中銀よりもマイナス金利を深堀りしている。その結果、スイスフランが下落し、輸出主導の同国経済に追い風となったもようだが、やはり効果は続かなかった。

<デンマーク>

デンマーク中銀は他に先駆けて2012年に中銀預金金利をマイナスにした。成長は一定期間加速した半面、物価上昇率は低迷が続いている。

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