[アムステルダム 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーで、オランダ中銀のクノット総裁は8日、ECBが来年1月に利上げのタイミングに関する討議を開始する必要があるとの見方を示したうえで、結論は未知数と述べた。
クノット氏は、現在の過去最低水準の政策金利を来年夏にかけて維持するという現行のガイダンスについて「われわれは言葉の選択に非常に満足している」と述べた。その上で「しかし、それは予想を反映したものだ。統計学者なら知っている通り、予想は結果の集まりの中央値であり、他の結果が中央値の左右に存在する可能性は常にある」とし、利上げがガイダンスの想定よりも早め、または後ずれする可能性もあるとの認識を示した。
年末の資産買い入れプログラム終了目標について、ECBが維持すると予想。「(維持)しない理由は存在せず、そうした理由が表面化するともみていない」と述べた。
ECBは超緩和的な金融政策を「慎重に正常化」しているが、急激な金融情勢の引き締めは、主要な世界の金融安定リスクの1つとの見方を示した。
貿易摩擦の激化や合意なき英国の欧州連合(EU)離脱、予想を上回るペースの米利上げがすべて、金融市場の急激な調整を引き起こす恐れがあると指摘し、金融情勢が急激に変化する可能性を示した事例に、トルコやアルゼンチンで最近みられた混乱を挙げた。