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オランダ下院選、与党自民党が第1党維持 極右は第2党に

[アムステルダム 16日 ロイター] - オランダで15日行われた下院選挙(定数150議席)では、、ルッテ首相率いる与党の中道右派、自由民主党(VVD)が第1党を維持した。ナショナリズム拡大を懸念する欧州の各国政府に安心感をもたらす結果となった。

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ルッテ首相はハーグの集会で勝利宣言。「ブレグジット(英国の欧州連合離脱)や米大統領選後に、オランダが間違ったポピュリズム(大衆迎合主義)を食い止めた夜だ」と支持者らに語った。

専門家は様々な要因が与党勝利につながったと指摘。VVDや第3党のキリスト教民主勢力(CDA)などは、「反イスラム」を掲げるウィルダース氏率いる極右・自由党(PVV)ほどではないにせよ、すでに反移民への主張を強めている。

ジョージア大学のカス・マドル准教授は、ウィルダース氏がこの1年で急進的になったことや選挙討論に最終週まで参加しなかったことやルッテ氏自身が右寄りになったことが、与党の勝利につながったとの見方を支援した。

また選挙戦終盤で外相の入国を拒否するなど、トルコとの対決姿勢を強めたことも寄与したという。

PVVのウィルダース党首は「第1党にはなれなかったが、敗れたわけではない。誇れる結果だ」と述べた。

開票率95%の時点で、VVDは150議席中33議席を獲得。2012年の前回選挙の41議席からは減らした。

オランダ通信(ANP)によると、PVVは第2党で20議席、第3党はCDAと中道系の民主66でそれぞれ19議席を獲得した。

投票率は78%と過去10年で最高となった。

ただ米コーネル大学のマベツ・ベレジン社会学教授は、ウィルダース党首の敗北は欧州でのポピュリズムの弱まりとみなすべきではないと指摘。

「ウィルダース氏はポピュリストのうねりを必ずしも体現しているわけではなく、どちらかというと政治のうねりの一部でしかない。PVVへの評価が欧州のポピュリズムを示しているわけではない」と述べた。その上でポピュリズムの帰趨を決するのはフランス大統領選挙だとの見方を示した。

連立政権を組んでいた労働党は、9議席と前回の38議席から大幅に議席を減らした。

このため、選挙後の連立交渉は長ければ数カ月かかる可能性もある。

オランダの総選挙はルッテ首相率いる与党が第1党を維持した。この結果を受けて、欧州各国の首脳は歓迎の意を表明した。その一方で、この選挙結果を好ましく思わない人たちも。

*写真を更新しました。

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