December 7, 2018 / 6:45 AM / 4 hours ago更新

アングル:謎めいたファーウェイ創業者一族、後継者逮捕で注目

[香港 6日 ロイター] - 米制裁措置の違反容疑で逮捕された中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]の孟晩舟(メン・ワンツォウ)最高財務責任者(CFO)は、他の多くの中国企業幹部と同様、母国でも謎に包まれている。

 12月6日、米制裁措置の違反容疑で逮捕された中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟CFO(写真)は、他の多くの中国企業幹部と同様、母国でも謎に包まれている。モスクワで2014年10月撮影(2018年 ロイター/Alexander Bibik)

現在46歳の孟氏は、いつかは父親が創業した同社を継ぐものと目されていた。

だがそれは、米当局の要請を受けて、孟氏がカナダで5日に逮捕されるまでの話だ。逮捕により、孟氏は、緊張が長引く米中の外交関係の渦中に放り込まれた。今や、同氏の運命は宙に浮いている。

事情に詳しい関係筋はロイターに対し、今回の逮捕は、ファーウェイが米国の対イラン制裁に違反しているとの疑いに起因すると語った。米輸出規制に違反したとの同様の嫌疑により、同じく中国のライバル企業、中興通訊(ZTE)(0763.HK)は今年、米企業との取引禁止という制裁を受け、重い罰金を支払うこととなった。

ファーウェイは孟氏に対する「容疑について」ほとんど情報提供を受けていないと声明で明らかにした。同氏はファーウェイの副会長も務め、創業者である任正非(レン・ツェンフェイ)最高経営責任者(CEO)の最初の結婚で生まれた娘である。「孟」は母親の姓であり、サブリナやキャシーといった呼び名をもつ。同社は孟氏のいかなる不正も承知していないとしている。

電子機器の安全性を巡る懸念が世界的に高まる中、孟氏の逮捕によって再びファーウェイは注目を集めている。

注目を集める理由は、任CEOの経歴にある。創業する以前、任氏は中国人民解放軍(PLA)に所属し、1983年に退役するまで10年近くエンジニアとして通信網の構築に携わった。

一部の政府、特に米国政府の当局者は、ファーウェイが中国の軍と政府に近いことに懸念を示している。これに対し同社は、中国政府による影響を受けてはいないと繰り返し主張している。

<謎に包まれた私生活>

現在74歳の任氏は1988年にファーウェイを創業した。娘の孟氏同様、私生活をほとんど明かしていない。

だが先月、異例の行動に出た。仏週刊誌パリ・マッチに家族写真を掲載したのだ。その写真には、現在の妻と下の娘も写っていた。

写真の中で、孟氏の異母姉妹であるアナベル・ヤオ氏(20)は、母親と一緒にグランドピアノの前でポーズをとっている。パリ・マッチは母親のことを「リン・ヤオ」と紹介している。青いシャツを着た任氏は、笑顔の娘の肩に手を置いている。

ファーウェイの広報担当者はロイターに対し、リン・ヤオ氏が任氏の妻であると確認した。ハーバード大学でコンピューターサイエンスを学び、バレリーナでもある下の娘について、これまで知る人はほとんどいなかったが、彼女は最近パリで社交界デビューを果たした。

ファーウェイは非上場企業で、社員が株式を所有する会社だとしている。任氏が保有する同社の株式は約1.4%にすぎないが、同氏は社内の最高権力者で、内部メモを通して世界中に散らばっている社員と頻繁に連絡を取り合っていると社員は語る。

昨年時点の従業員数は18万人以上、売上高930億ドル(約10兆円)のファーウェイは中国最大のテクノロジー企業に成長したが、1990年代にデジタル電話交換機の販売でスタートした。

ファーウェイは1996年、固定電話ネットワーク製品で海外から初めての大口契約を香港のハチソン・ワンポアから獲得した。昨年の年次報告書によると、同社の国内と海外の売り上げ比率はほぼ同じになっている。

ファーウェイの売上高の約半分は、世界の通信会社への機器供給によるものだ。売上高でみると、同社はスウェーデンのエリクソン(ERICb.ST)、フィンランドのノキア(NOKIA.HE)を上回り、世界最大の通信機器メーカーとなっている。

ファーウェイにとって、近年はスマートフォンが新たな主要事業となっており、競争が激しい同市場で米アップル(AAPL.O)や韓国サムスン電子(005930.KS)としのぎを削っている。

<後継者>

ファーウェイのウェブサイトによると、孟氏は1993年に同社に入社。1998年に華中科技大学で修士号を取得し、主に財務面を担当して出世階段を登っていった。同サイトによると、海外経理部長、ファーウェイ香港法人CFO、会計管理部の責任者などを歴任している。

2013年に初めて中国メディアの前に姿を現した孟氏は、ファーウェイには「電話を取るだけ」の秘書として入社したと語った。

孟氏はまた、結婚していて息子と娘がいると明らかにしている。夫は同じ業界の人ではなく、ファーウェイ幹部と結婚しているとの憶測を一蹴した。

孟氏は2011年、取締役に選出され、社内での地位の高さが明らかとなった。ファーウェイ関係者は同氏について、有能で勤勉だと口をそろえる。

孟氏の兄弟である孟平氏のほか、任氏の弟や現在の妻も皆、ファーウェイあるいは関連企業で働いているが、孟氏のように経営に関与している人はいない。

「他の家族メンバーは事務方だが、サブリナはCFOで取締役に名を連ねている」とファーウェイの関係筋は言う。「したがって、彼女が将来の後継者とみられている」

(翻訳:伊藤典子 編集:山口香子)

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