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アングル:NFTブームが白熱、投機群がりバブル危ぶむ声も

[ロンドン 25日 ロイター] - デジタル資産の一種である「非代替性トークン(NFT)」の取引高が今月急増した。投機筋が価格の上昇を見込んで群がっており、バブルを警戒する声も出ている。

 8月25日、デジタル資産の一種である「非代替性トークン(NFT)」の取引高が今月急増した。ニューヨークのNFT作品専門ギャラリーで4月撮影(2021年 ロイター/Dan Fastenberg)

NFTは、暗号資産(仮想通貨)の基本技術として知られるブロックチェーン(分散型台帳)上にある、画像や動画のデジタル資産。今年初めに人気が爆発したが、物理的に存在しないものに大金をつぎ込む現象に困惑する人も多い。

NFT熱は今、これまでで最大の盛り上がりを見せている。世界最大のNFT取引プラットフォーム、オープンシーでは8月初めからこれまでの取引高が19億ドル(約2000億円)と、3月の1億4800万ドルの10倍以上に達した。1月は800万ドル余りにとどまっていた。

オープンシーによると、急増の主因は流通市場での取引だ。

NFT市場の調査会社ダップレーダーの広報担当者イアン・ケーン氏は「発売時に大成功して売り切れた一握りのNFT資産が、過去数週間で跳ね上がっている。その取引がオープンシーにも波及し、買い手は自分のNFTをもっと高い価格で転がそうと狙っている」と説明した。

ロイターが確認したところでは、猿の漫画のNFTが先週、オープンシーでは39イーサで売れた。イーサは暗号資産(仮想通貨)で、39イーサはその時点で12万4205ドル前後。分析プラットフォームのイーサスキャンによると、売ったアカウントは2週間前に22.5イーサ(6万1329ドル)でこのNFTを買ったばかりだった。

この他、6月に0.58イーサ(1366ドル)で販売された抽象デジタルアートのNFTが23日、1000イーサ(332万2710ドル)で売れた。

NFT市場のデータは集計方法によってばらつきがあるものの、ダップレーダーによると、過去30日間で100万ドルを超えるNFT取引が32件確認されている。

NFT投資家のマイケルIKさん(30)は、昨年9月以来NFTに約25万ドルを投じたと明かす。全資産の90%を暗号資産とNFTで保有しているのだという。

イーサスキャンによると、マイケルIKさんは今月、ペンギンの漫画のNFTを139ドル相当のイーサで購入し、4日後に3956ドル前後で売り抜けた。

この他にも彼はオープンシーで、漫画画像のNFTを0.01イーサ(33ドル)で買い、7時間以内に1.5イーサ(4900ドル)で売るなど、高リターンの短期売買を行っている。

<風船ガム並みのバブル>

マイケルIKさんは規制の少ない暗号資産の市場で投機を始めた理由について、米連邦準備理事会(FRB)による大量の通貨発行が一因だと言う。

「こんな数字を耳にすれば、僕は完全にいかれていると思われるかもしれない。それなら言ってやる。あなたがたは毎日刷られている通貨を保有しているじゃないか。僕から見れば、いかれているのはそっちの方だ」

マイケルIKさんは、コロナ禍で人々が家にこもり、オンラインで過ごさざるを得ない時間が増えたことがNFTブームの一助になったと言う。「僕はこれをバブルだと考えたくはない。これから大きな波になる何かだと考えたい」

仮想通貨の価格上昇もNFT取引の急増に手を貸した可能性がある。NFTはイーサ建てで取引されることが多く、イーサは8月に入って23%ほど上昇した。

ラボバンクのアジア太平洋金融市場調査責任者、マイケル・エブリ氏は、「風船ガムのようにばかげたバブルを膨らませた」NFT市場に衝撃を受けている。普通であれば苦労して金を蓄えるか、住宅購入の「階段」を上らなければならない若者にとってNFTの高いリターンが魅力なのは分かるとしても、それは「宝くじ」を買うようなものだとエブリ氏は語った。

同氏から見れば、NFTは「絶対に」はじけるバブルにほかならない。

(Elizabeth Howcroft記者)

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