[新潟市 17日 ロイター] - 世界最大の原子力発電所、東京電力9501.T柏崎刈羽原発の再稼動問題などが争点となった新潟県知事選挙は16日、投開票され、再稼働反対を鮮明にしている無所属の新人で医師・弁護士の米山隆一氏(49)=共産、自由、社民推薦=が前長岡市長の森民夫氏(67)=自民、公明推薦=を抑えて初当選した。
米山氏は同原発の再稼働について、「約束した通り、皆さんの命と暮らしを守れない現状で認める事はできない」と明言。東電に対して厳しい姿勢を取ってきた泉田裕彦知事の立場を引き継ぐ姿勢を改めて強調した。
同選挙は3期12年務めてきた泉田知事の任期満了に伴って行われた。泉田氏は8月末に出馬見送りを表明、原発推進派には柏崎刈羽再稼働への道が開けるとの期待が広がった。しかし、選挙戦中盤以降、再稼働反対を掲げる米山氏が急速に支持を広げ、森陣営の楽観ムードは一転。石破茂氏ら自民党国会議員の応援も功を奏さず、米山氏の勝利が決まった。
原発再稼働は、地元県知事の同意がなければ実施は極めて難しい。米山氏の当選により、いまも全7基が停止している柏崎刈羽原発の再稼働問題の先行きは一段と不透明感になる可能性がある。
今回の選挙結果について、元経産省官僚で原発再稼働に批判的な古賀茂明氏は、「柏崎刈羽だけでなく、全国の原発再稼働に影響を与える結果だ」と指摘。その一方で「県議会は圧倒的に自民党。県議会と完全に対立すると(政策が)動かなくなる」と述べ、同原発再稼働をめぐる賛成派と反対派のせめぎ合いはさらに続くとの見方をしている。
新潟県選挙管理委員会の開票結果によると、同知事選の投票率は53.05%。米山氏は52万8455票を獲得し、52.2%の得票率だった。