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日経平均、年初来高値を更新:識者はこうみる

[東京 14日 ロイター] - 14日午前の東京株式市場で、日経平均が年初来高値(3万0714円52銭=2月16日)を更新した。取引時間中として1990年8月2日以来、約31年ぶりの高水準での推移となっている。

 日経平均が年初来高値を更新した。市場関係者の見方をまとめた。写真は東京証券取引所のロゴ。2020年10月撮影(2021年 ロイター/Issei Kato)

市場関係者の見方は以下の通り。

<岡地証券 投資情報室長 森裕恭氏>

チャート上の大きな節目を突破した格好となっているが、ここで注目したいのはそれまでの年初来高値を形成した2月と異なり、業績の裏付けが十分となる中で上昇波動を形成している点だ。PER(株価収益率)でみると、トヨタ自動車7203.Tは10倍台、きょう年初来高値を更新した日本製鉄5401.Tは5倍台、日本郵船9101.Tは3倍台にすぎない。割安修正の相場が続いている中での高値更新とあって、日経平均はさらなる上昇が期待できる状態と言えよう。

もっとも、短期的には騰落レシオが140を超えてくるなど、過熱感が強くなっている。中長期的な上昇トレンドが続くにしても、高値波乱とも言える調整局面が警戒されるところだ。

物色の流れについても、これまでは菅首相の退陣表明以降、自公政権の不安定化といった政治リスクが後退し「とりあえず買おう」という感じとなり、循環物色を繰り広げながらの全体のカサ上げだったが、自民党総裁選挙で各候補予定者の政策が吟味されるにつれ、物色対象が絞り込まれていく可能性もある。

<マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木隆氏>

東証株価指数(TOPIX)はすでに高値を超えていた。日経平均株価も、遅かれ早かれ高値を抜けてくるのは時間の問題だった。通過点にすぎないが、売り方の買い戻しに弾みがつく。上昇ムードはさらに勢いづくだろう。

日経平均は、年末にかけ3万3000円への上昇があるとみている。ここから3カ月半の間に自民党総裁選、衆院選、企業業績の上方修正期待など、相場にポジティブと見込まれる材料が複数控えている。足元から1割にも満たない上昇幅は、保守的過ぎるかもしれない。

ただ、米長期金利が上がらなくなっており、その動向には注意が必要だ。供給制約による悪性のインフレが収まらず、米連邦準備理事会(FRB)が利上げを急ぐシナリオが一番怖い。コロナが収まり供給制約がなくなって、景気が改善して自然な物価や金利の上昇となるなら、景気に敏感な日本株にポジティブになる。

<東海東京調査センター シニアストラテジスト 中村貴司氏>

過熱感が生じているため、需給面では利益確定売りのほか新たなショートを誘っている様子だが、その一方で内外機関投資家の実需買いが流入していることから下げに転じることはなく、逆に踏み上げ相場の様相を呈している。理外の理とも言える状況で、目先的に過熱サインを無視する形の想定外の上昇が起きても不思議ではない。バブルなど過去の強力な金融相場を経験していない投資家の売り仕掛けが演出した上昇相場とみることもできる。

金融相場が継続する中で今回の上昇の根底にあるのは、センチメントで上昇している相場ではなく企業業績の裏付けがあるファンダメンタルズにより上昇相場であるという点だ。これに政治の構造改革という期待感が加わったことも大きい。短期的には調整が入る可能性もあるが、日経平均の年初来高値更新によって大きな上昇相場の流れが形成されているとみるべきだろう。

<三井住友トラスト・アセットマネジメント チーフストラテジスト 上野裕之氏>

日本株は想定以上に早く回復している。日経平均がいったん3万円を超えたところで利益確定売りに動いた投資家は多いだろう。ただ、海外勢の資金も流入し、指数自体はまるで下がることを知らない。買い戻しも活発化しているようだ。

日米株価の乖離率は3月以降広がり、日本株の出遅れ感は際立っていた。ただ、ここにきて米国株に高値警戒感が台頭。同じタイミングで日本ではワクチン接種の拡大や政権交代への期待感が引き金となり、日本株が急速に巻き戻した。今までは米国株中心に運用していた国内投資家も日本株を買い始めるなど、一極集中ではなく、より分散された相場になりつつある。

今後も下がりそうで下がらないような相場が続くのではないか。自民党総裁選・総選挙が迫る中、これからは経済対策の出し合い合戦となる。候補者は聞こえのいいことを言うことが想定されるため、「いいとこどり相場」となり投資家はなかなか売り込みづらくなるだろう。

ただ、中国リスクはやや気がかりだ。中国恒大集団をはじめとする不動産・債務問題が台頭している中で、日本では警戒する向きがあまりみられない。「今のところ大丈夫」という漠然とした楽観論が先行しているのではないか。明日は8月の小売売上高、鉱業生産などの中国の経済指標が相次いで発表されるので、まずはデータを確認したい。

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