[東京 3日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日続伸となった。序盤は売りが先行したものの、原油相場の上昇など落ち着きを取り戻しつつある外部環境が支援材料となり、主力株に買い戻しが継続した。銀行株の急伸も市場心理の改善に寄与し、節目の1万7000円に迫る動きとなった。3連騰は今年初となる。
米エネルギー省が発表した週間石油在庫統計では原油在庫が増加し、3週連続で過去最高を更新した。一方、主要産油国による原油安対策への期待感から、米原油先物CLc1は一時1バレル35ドル台まで上昇。アジア時間も34ドル台後半と底堅く推移した。
日本株は朝方は強含む円相場が重しとなり軟調な滑り出しとなったが、その後はすぐに切り返した。三井住友8316.Tが8%超高、三菱UFJ8306.Tが7%超高となるなど、メガバンクが急伸。業種別では海運や鉄鋼の上げも目立った。
日経平均ボラティリティ指数.JNIVは2月2日以来、約1カ月ぶりに30ポイントを下回ったが、「外部環境が落ち着いてきたとはいえ、買い上がる材料もない。海外投資家の相場の先行きに対する見方も分かれている」(大手証券トレーダー)との声も聞かれた。ドル/円JPY=EBSは114円台に戻したものの、パナソニック6752.Tや日東電工6988.Tなど電機・電子部品株の一角はマイナス圏で取引を終えた。
野村証券エクイティ・マーケット・ストラテジストの小高貴久氏は、米景気に対する過度な懸念が後退したことが、直近の日本株の上昇の背景とする一方、きょうのところは「売り込まれ過ぎていた部分の巻き戻しの範囲内でもある」と指摘している。
個別銘柄では東芝6502.Tが大幅高。主力3行に2000億円規模の追加融資を要請したことが判明したとの報道を材料視した。半面、サックスバーHD9990.Tが軟調。財布など雑貨類の販売を手掛ける子会社の2月度既存店売上高が、前月に続き前年同月割れとなったことを嫌気した。
東証1部騰落数は、値上がり1429銘柄に対し、値下がりが436銘柄、変わらずが77銘柄だった。
日経平均.N225
終値 16960.16 +213.61
寄り付き 16695.78
安値/高値 16691.94─16962.95
TOPIX.TOPX
終値 1369.05 +19.44
寄り付き 1348.32
安値/高値 1348.01─1370.00
東証出来高(万株) 274428
東証売買代金(億円) 25382.95
長田善行
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