June 2, 2016 / 5:36 AM / 3 years ago

日経平均一時400円超安、ドルは108円台:識者はこうみる

[東京 2日 ロイター] - 2日の東京市場で日経平均は前日比で一時400円を超す下げとなり、ドル円は108円台をつける場面があった。昨日の安倍首相の記者会見内容や英国のEU離脱問題、米利上げ時期などを巡る思惑が背景にあると見られている。

 6月2日、日経平均は前日比で一時400円を超す下げとなり、ドル円は108円台をつける場面があった。写真は東京証券取引所で2011年3月撮影(2016年 ロイター/Issei Kato)

<マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木隆氏>

日経平均の下げのきっかけは前日午後から急速に円高になったためだが、海外時間でも戻さず、理由なき円高に気味の悪さがくすぶっている。5月末にかけて政策期待の高まりを背景に非常に堅調だったが、消費増税延期が明らかとなり、出尽くしたタイミングでガクッと来た印象だ。OPEC総会やECB理事会、米雇用統計などイベントが目白押しで、買い向かう投資家が不在になっていることを見越した売りが出ているもよう。もっとも、何の理由もなしに大きく売られることは連日続かない。目先の下げは一時的にとどまり、イベントを見極めながら一進一退を繰り返すだろう。

<大和証券 チーフグローバルストラテジスト 壁谷洋和氏>

想定外の下げで困惑している。薄商いが続くなかで、海外勢を中心とする短期的な売買に振り回されているのだろう。前日の安倍晋三首相の記者会見では、消費増税の再延期が表明されたが、予想通りとの評価はあくまで国内での見方であり、海外にはそう映らなかったのではないか。財政政策の規模が出なかったことなどが失望されたのかもしれない。

また午前中に日銀の佐藤健裕審議委員が「無理に2%を達成する必要はない」などと刺激的な発言をしたことも株安要因の一つとみられる。先行きも波乱含みの海外イベントを控え、見通しづらくなっている。

<三井住友アセットマネジメント シニアストラテジスト 市川雅浩氏>

足元の株安の背景としては、短期間での円高進行による心理的な影響が大きい。英国のEU(欧州連合)残留問題をめぐる調査で、離脱派が優勢となったことで警戒感が広がっていた。また昨日の安倍首相の会見では、経済対策の規模までは踏み込まなかった。

市場では消費増税の延期表明は織り込み済みだったが、経済対策の概要が明らかになったうえで、早ければ6月にも日銀が追加緩和に踏み切るとの期待感もあった。秋口に景気対策を講じるとなれば、追加緩和は先延ばしとなるとの見方が強まったようだ。

とはいえ、先々に景気対策と追加緩和が打ち出されるとの期待感は残っていくだろう。極端な地合いの悪化には至らないのではないか。一時的な政策期待の後退にとどまるのであれば、日経平均で1万6000円台は維持されるとみている。

欧州中央銀行(ECB)理事会では今回は特別新しい材料は出ないだろう。一方、石油輸出国機構(OPEC)総会は、特段進展はなさそうだが、原油相場は一服感からの調整売りが出てきてもおかしくはない。

米利上げに関しては、週末の雇用統計や6日のイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を経て見方は固まっていくとみている。雇用統計がしっかりとした内容となり、イエレン議長の発言が先週金曜日と同様のトーンとなれば、6月利上げの可能性が高まっていく。新興国市場が崩れればリスクオフの円高/株安が見込まれるが、それを回避できれば、ドル高/円安となり、日本株には押し上げの方向に作用するだろう。

<アムンディ・ジャパン 市場経済調査部長 濱崎優氏>

超短期筋が相場を動かしているだけとしか受け止められない。伊勢志摩サミットから特段、これといった材料はない。米国株も小動きだ。ただ日本株は、消費増税先送りなど政策への期待が先行する形で上昇してきた。値ごろ感から売りがかさんだとみることもできる。値幅は大きいが、トレンドが変わったかというとそうはとらえていない。政権なりに次の経済対策を打ちだすタイミングも計っているはずだ。

年初からの様々な悪材料は、一つずつ克服されている部分もある。原油安、円高、世界経済の不安などが言われていたが、原油安については過去の話になりつつある。原油相価格も、今の水準で安定すれば「御の字」。為替については米利上げ期待が膨らんでおり、極端な円高は回避されつつある。

日銀の追加緩和をめぐっては、すでに効果はないとする市場の見方もあるが、参院選の前でもある。追加緩和に踏み切り、今後の景気対策への期待を持たせる形にするシナリオも考えられるため、ないとはいえない。日銀の金融政策決定会合前には、緩和期待が高まることも考えられる。さらに米利上げの期待などを織り込む形となれば、もう一度日経平均は1万7000円台半ばをトライする可能性もある。

<バークレイズ銀行 為替ストラテジスト 門田真一郎氏>

前日からのドル安/円高進行の要因は主に3つありそうだ。英国民投票をめぐってリスクセンチメントが悪化していたほか、米指標の強弱がまちまちな中で、ドル指数も弱くなっていた。

安倍首相の会見は、おおむね市場の想定通りだったためメーンドライバーではないものの、経済対策で具体的な話が出ておらず、一部の投資家にとっては肩透かしとなったようだ。急落のタイミングに、特段の材料があったわけではない。このところのドル買い/円売りのポジション調整の側面もあったのだろう。

当面のドル/円相場では、米利上げと英国民投票の行方といった海外要因が焦点になる。

英国のEU残留が決まったり、米国の追加利上げや日銀の追加緩和があれば、短期的にドル/円の上昇圧力は強まりやすい。英世論調査や、米中の経済指標に相場が振らされる展開が続きそうだ。日本の景気対策も注目されていたが、具体策は秋まで出てこない方向になった。

一方、ドル高を受けて人民元安が続いている。中国の経済指標も強さが見られず、年初のような景気減速懸念が出てくるのかどうかに注意が必要になる。

きょうのOPEC(石油輸出国機構)総会での増産凍結合意などへの市場の期待感は薄い。物別れに終わったとしても、相場への影響は限定的だろう。一方、欧州中央銀行(ECB)理事会は、3月に追加緩和したばかりでもあり、政策変更はないとみる。ただ、経済見通しを下方修正するようなら、先行きの追加緩和の思惑も出てきやすい。

*内容を追加しました。

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