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ニコン通期予想を上方修正、高級カメラ好調 円安効果も

 8月4日、ニコンは2023年3月期の連結営業利益見通し(国際会計基準)を従来の500億円から550億円に上方修正した。写真は同社のロゴ。2012年6月、都内で撮影(2022年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 4日 ロイター] - ニコンは4日、2023年3月期の連結営業利益見通し(国際会計基準)を従来の500億円から前期比10%増の550億円に上方修正した。半導体不足によりデジタルカメラ市場が影響を受けるとみられているが、第1・四半期の映像事業での好調な販売を織り込んだ。為替の円安もプラスに寄与した。

IBESがまとめたアナリスト15人のコンセンサス予想の平均値514億円を上回った。

第1・四半期の営業利益は前年同期比23.1%減の153億円だった。米子会社の年金制度変更に伴う一時的な利益を計上した前年から減益となったが、全てのセグメントで黒字となった。映像事業では円安効果のほか、プロ・趣味層をターゲットに利益率の高い中高級機カメラの販売が寄与した。精機事業では半導体露光装置の販売が増加する半面、フラットパネルディスプレイ(FPD)露光装置の減少が響き、減収減益となった。

想定為替レートは1ドル120円、1ユーロ130円。為替感応度は1円の変動につき営業利益でドルが3億円、ユーロが2億円の影響があるとした。徳成旨亮最高財務責任者(CFO)は「円安が継続すれば業績の上振れが期待できるが、部品不足や物流混乱の継続、コストの増加など先行き不透明感もある」と話した。

同社が一眼レフカメラの開発から撤退するとの一部報道について、徳成CFOは「開発を終了する、あるいは撤退するという決定はしていない」と否定し、今後も同ビジネスを継続していくとの考えを示した。ミラーレスカメラの開発に経営資源を集中させていることは事実とした上で、「一眼レフカメラの開発で蓄積された膨大な技術資産、開発資源を保持し続けることによって、社会のニーズに応えられることがある」とした。

精機事業では、FPD露光装置の販売台数減少を見込んでいるが、半導体露光装置は需要が堅調という。人手不足などで一部遅延は生じているものの、「発注自体はキャンセルもない」(徳成CFO)とした。「半導体業界全体のトレンドとしては間違いなく右肩上がり。直接的な影響はない」という。

(佐古田麻優)

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