[東京 15日 ロイター] - 日本証券業協会の稲野和利会長は、15日の定例会見で、少額投資非課税制度(NISA)について、税制改正要望で非課税期間の恒久化を引き続き訴えていくものの、すぐに実現することは難しいと述べた。そのうえで、非課税期間の延長をまず実現することが重要との認識を示した。
政府は2日に閣議決定した骨太の方針で、2023年までとなっているNISAの口座開設期間の恒久化を検討すると明記。しかし、事実上の非課税枠拡大となる非課税期間の恒久化は盛り込まなかった。
稲野会長は会見で、日証協として口座開設期限と非課税期間双方の恒久化を求めていくが、非課税期間の恒久化が「ただちに実現する見通しにはない」と述べた。そのうえで、非課税期間の延長実現を「将来に向けた意義のあるステップとして前進していきたい」と述べた。
NISA口座の非課税期間は5年。期間満了後も引き続き非課税となるには別のNISA口座への移管手続きが必要になる。証券業界では、制度発足以来初めて期間満了となる18年末にかけて事務手続きが混乱するとして非課税期間の恒久化を求める声が出ている。
一方、きょうから開催されている日銀の金融政策決定会合について、稲野会長は「過度の緩和期待が高まっているわけではない」と指摘。会合で追加緩和が見送られても、株式市場が悲観的に反応する可能性は低いとの見通しを示した。
英国のEU離脱問題については、日本市場が離脱懸念からリスクオフになっているとして「EU離脱という結果にならないことが最も望ましい」と述べた。
和田崇彦 編集:吉瀬邦彦
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