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インタビュー:米国境税、WTO規則や企業の影響見極め=自民西村氏
2017年3月1日 / 05:13 / 9ヶ月前

インタビュー:米国境税、WTO規則や企業の影響見極め=自民西村氏

[東京 1日 ロイター] - 自民党の西村康稔・総裁特別補佐は1日、ロイターとのインタビューに答え、日米対話において日本側はマルチな地域協定に理解を求めていく方針を示した。

 3月1日、西村康稔・自民党総裁特別補佐は、ドル/円相場について、トランプ米大統領の経済政策全体をみれば、基本的にはドル高/円安の流れになるとの見通しを示した。写真は2014年5月ロイター日本投資サミットで発言する西村氏(2017年 ロイター/Toru Hanai)

2国間自由貿易協定(FTA)の交渉も排除はしないものの、北米自由貿易協定(NAFTA)の交渉に人員をさかれ時間もかかることから、現実的に交渉はすぐには始まらないとの見通しを示した。

特に国境税に関しては、世界貿易機関(WTO)ルールを遵守することを求めるとした。米共和党が主張する輸入品への20%課税が提案された場合は日本企業には相当な打撃となるとし、具体的な提案次第ではWTOへの抵触やその影響を見極めながら対応していくと述べた。為替については一般論として米経済政策全体を見ればドル高円安の流れになるとの見方を示した。

詳細は以下の通り。

──トランプ大統領の政策での懸念材料はどのような点か。

「まだ政権の体制が決まっていない。担当次官や交渉官など決まらないと、交渉の進め方もまだわからない」

「もっとも、日米首脳会談を通じて日本に対する誤解もある程度解けて、理解が進んだと思う。ただそうはいっても、引き続き日本の対米黒字は6兆円強ある。中国に比べれば圧倒的に少ないとはいえ、これをどう考えていくのかということは米側としても考えもある。米側にとっては雇用確保や米製品の販売が優先となる一方で、日本としては国際協調や国際分業のメリットもぜひ理解してほしいと思う。いずれにしても近視眼的・ミクロ的に極端な政策にならないよう、中長期の視点で様々な協議ができればいいと思う」

──米国側から、かつてのように輸出数量規制やスーパー301条のような要求が出てきたり、FTA交渉を持ち出されたりした場合、日本は飲まざるを得ない雰囲気はあるのか。

「そのようなことはない。共同声明には日米両国の思いが入っているため、(米側の思いである)2国間の枠組みについての議論も入っているが、FTAという枠組みに言及しているわけではないし、WTOの国際的枠組みに関して(ルールを逸脱するような)米側からの発言は聞いていない」

「日本としては、地域におけるマルチな貿易協定の意義をぜひ理解してほしいということだ」

「ただ基本的には2国間協定を排除するわけではない。現に麻生副総理ーペンス副大統領の間で幅広い意味での経済協議を行うことになっており、日米間でのお互いのメリットになる投資、例えば日本からのインフラ投資では日本の技術が米国で使われる意義もあるし、シェール投資などは米国だけでなく日本のエネルギー確保にメリットもある」

「米国側は確かにFTAを求めてくることもあろうが、まず米側はNAFTAの交渉があり、人員を相当さかれるだろう。そうこうするうちに米英交渉もあるだろう。現実的には同時に3つの交渉を行うことは難しい」

「現時点ではまだ米国側は全体の体制が整っておらず、準備ができていない。まずはトップレベルで、麻生副総理とペンス副大統領、世耕経産相とロス商務長官、岸田外相とティラーソン国務長官との間の信頼関係を深めて理解を求めていければよいと思う」

──為替政策や金融政策についてはどのような交渉になるのか。

「基本は、日本の金融政策は為替をターゲットにしたものではなくデフレ脱却が目的であることはお互いに確認しているので、トランプ大統領も一定の理解はしていると思う」

──トランプ大統領から金融政策について何か注文がつくことは考えにくいのか。

「トランプ大統領は国内の雇用や製造業のことを考えているので、頭の中にはあると思うが、大きなマクロの経済政策については一定の理解はしてもらっていると思う」

「為替はマーケットが決めることだが、一般論でいえば法人税減税、投資積極化、あるいは国境税においてWTOに反しないよう求めていくつもりだが、現実に輸入品に課税するとなると輸入が減り輸出が増えドル高方向となる。海外収益を米国に還元する税制もドル高要因。米利上げもあり、基本的な(為替の)方向はドル高/円安方向になっていくのだろう。ただ欧州情勢などで何かあれば、円買いとなることもあるだろう。マーケットが全体の状況を見て判断することだ」

──輸入品に課税するという意味での国境税に関し、共和党は税率20%を主張しているが、日本企業にとっての打撃は大きいのではないか。

「もともと共和党の中で検討されてきた話であり、まだ現実的にどのような案を出してくるのかわからないが、われわれとしてはWTO上の問題や日本への影響などをよく見極めていきたいと思っている。ただ20%という税率だとすると、シンクタンクの試算にもあるように相当大きなマイナスの影響があるため、慎重に見極めて対応したいと思っている」

*内容を追加し、カテゴリーを差し替えます。

中川泉 編集:田中志保

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