[パリ 7日 ロイター] - フランスの自動車大手ルノー(RENA.PA)は7日、ゴーン前会長が、同社がベルサイユ宮殿と結んだ修復支援契約を利用して、5万ユーロ(5万7000ドル)の私的な利益を得たとの内部調査結果を発表、検察当局に通報する方針を明らかにした。
これに先立ち、同国のフィガロ紙は、ゴーン前会長が2016年にベルサイユ宮殿内の大トリアノン宮殿を借りて結婚披露宴を挙げた際の費用が、この契約でカバーされていたと報じていた。
ルノーは、ゴーン前会長が「ベルサイユ宮殿との後援契約に基づき、5万ユーロの私的な利益を与えられた」ことが調査で明らかになったと発表。「司法当局に報告することを決定した」と明らかにした。
ゴーン前会長とキャロル夫人は2016年10月8日に披露宴を開いた。
ルノーは日産自動車の会長を務めていたゴーン被告が昨年11月に日本で逮捕された数日後に前会長の報酬に関する内部調査に着手。不正行為が報告されたのは今回が初めてとなった。
ルノーではゴーン被告が会長職を退任し、1月24日に仏ミシュラン出身のジャンドミニク・スナール氏が新会長に指名された。
ゴーン被告の弁護人を務める大鶴基成弁護士の事務所はコメントの求めにこれまでのところ応じていない。
事情に詳しい関係者によると、ルノーはベルサイユ宮殿の修復費のうち230万ユーロを支援する契約を締結。その見返りとして、支援額の4分の1に相当する57万5000ユーロ相当のサービスを同宮殿から受ける枠が付与された。
関係筋によると、ゴーン前会長とキャロル夫人が披露宴で大トリアノン宮殿を借りた際の費用がこの使用枠から差し引かれたという。マリー・アントワネットをイメージした衣装が用いられた披露宴はその豪華さで話題を呼んだ。
事情に詳しい関係筋はロイターに対し、ルノー取締役会の倫理委員会が、フィガロ紙で報道された調査結果について6日に報告を受けたと述べた。
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