June 14, 2016 / 11:21 AM / 2 years ago

日産、バイオエタノールで走るFCV技術発表 20年に実用化へ

[横浜 14日 ロイター] - 日産自動車(7201.T)は14日、バイオエタノールを燃料とした新しい燃料電池車(FCV)の技術を発表した。電気自動車(EV)の弱点である航続距離(1回のフル充電で走行できる距離)をガソリン車並みに伸ばし、EVでは難しい大型車両への展開に活かす。2020年ごろ商用車などでの実用化を目指す。

バイオエタノールはサトウキビやトウモロコシなど植物由来の資源(バイオマス)を発酵・蒸留して作るアルコール。南米やアジアなどで流通しており、ブラジルではガソリンスタンドで補給できる。植物が育つ段階で吸収する二酸化炭素(CO2)と、車として走行時に排出するCO2を相殺することで、大気中のCO2の増加をゼロに近づける狙いがある。

日産が発表した新しい燃料電池システム「eーバイオ・フューエルセル」は燃料と酸素の反応を利用する固体酸化物形燃料電池(SOFC)を発電装置としたシステムで、SOFCで発電した電力をバッテリーに供給してモーターで駆動する。同社によると、自動車の動力源として車両に搭載するのは世界初。同社のEV「リーフ」の航続距離は最大280キロだが、新技術では約800キロを目指す。

日産の坂本秀行副社長は、新技術は同社が注力している「EV戦略の一部」との位置づけとし、「EVが苦手な重いSUV(スポーツ用多目的車)、ピックアップトラック、商用トラックなどに拡大できる余地がある」と述べた。

トヨタ自動車(7203.T)やホンダ(7267.T)が実用化しているFCVでは水素を燃料にしているが、坂本副社長は「水素は製造する際のエネルギーやコストが非常に高く、インフラ投資も非常に必要」と指摘。一方、バイオエタノールは高額なインフラ投資や触媒に使う高価な希少金属が不要なため、「調達が簡単で、安全性が高くコストが低いのが最も大きなメリット」と語った。気体の水素に比べ、液体のエタノールの方がタンク容量も小さくて済むことから、車両のレイアウトもしやすいという。

    日産も水素を燃料とするFCVの技術開発で独ダイムラー(DAIGn.DE)や米フォード・モーター(F.N)と提携しているが、坂本副社長は、実用化については「まだ十分話ができていない」といい、「どう製品化するかは個社の判断になる」と述べた。水素はコストや調達などの面でまだ不安定なため、日産としては「今すぐ商品化は考えていない」(同副社長)。ただ、水素の製造プロセスの技術革新の進展に備え、ダイムラーなどとの研究開発を続けるという。

    *写真を追加しました。

    白木真紀

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