December 17, 2018 / 1:22 AM / 6 months ago

焦点:日産がきょう取締役会、人事先送り・委員会設置へ ルノーときしみも

[東京 17日 ロイター] - 日産自動車(7201.T)は17日の取締役会で、カルロス・ゴーン前会長の裁量により意思決定が左右されてきた企業統治体制を抜本的に改めるガバナンス委員会の設置を決める方針だ。当初はゴーン氏の後任会長も決める予定だったが、人事は先送りされる見通し。筆頭株主で企業連合(アライアンス)を組む仏自動車大手ルノー(RENA.PA)との調整がうまくいかず、ガバナンス体制の見直しをまず優先する。

 12月17日、日産自動車は取締役会で、カルロス・ゴーン前会長の裁量により意思決定が左右されてきた企業統治体制を抜本的に改めるガバナンス委員会の設置を決める方針だ。写真は日産自動車のロゴ。東京で14日撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

ただ、ルノーは日産に対し、臨時株主総会を早期に開催するよう求めており、ルノーと日産の関係は足元で大きなきしみを見せ始めている。

<「ガバナンス委員会」の設置へ>

複数の関係筋によると、日産はこの日の取締役会で新たに「ガバナンス委員会」の設置を決める見通し。ガバナンス委員会のメンバーには社外取締役3人のほか、外部から複数人が加わる方向だ。同取締役会では後任会長についても議論する予定だが、会長職は当面、空席となる見込み。

後任会長の候補選びを任されている社外取締役3人は、これまで何度も議論を重ねてきたが、ルノーへの配慮もあってか、候補者を絞り込んでいない。新たに設置する委員会がガバナンスのあり方を議論して大まかな枠組みをまとめ、それから新会長を選ぶべきとの意見で3人は一致。17日の取締役会では特定の候補者を提案しない見通しだ。

日産は現在、監査役を置く「監査役設置会社」だが、取締役候補を選ぶ「指名委員会」、役員報酬を決める「報酬委員会」がない。両委員会はそれぞれ3人以上の取締役で構成され、メンバーの過半数を社外取締役が占めるため、外部による監視が強まる。

同社は両委員会を置く方向で検討しており、ゴーン前会長1人に権力が集中し過ぎた現在の企業統治のあり方を抜本的に見直したい考えだ。

<日産とルノー、一段と深まる溝>

後任会長は、社外取締役3人がルノー出身の2人を含む取締役7人の中から候補者を選ぶことになっている。別の関係筋によれば、日産は当初、西川廣人社長兼最高経営責任者(CEO)が暫定会長に就く方向で調整していた。日産から会長を出すことでルノーの影響力を弱め、日産が自ら経営を主導したいとの思惑があったとみられる。

ただ、日産とルノーは、日産の最高執行責任者(COO)以上の役員をルノーが送り込めるなどの協定を締結済みで、ルノーは今回、会長の指名を申し入れたが、日産は拒否。社外取締役による4日の初会合では、ルノー出身のジャンバプティステ・ドゥザン氏が「時間が欲しい」として人選に「待った」をかけた。

ゴーン前会長の解任を巡る両社の対応も、依然として分かれたままだ。日産はルノーにゴーン氏の会長解任を促すため、同氏による報酬に関する虚偽記載など一連の不正行為について、ルノーに直接説明したいと伝えた。

だが、ルノーは弁護士を通じて説明を受けたいと拒否。ルノーは13日の取締役会で、報酬に関する社内調査から現時点では不正が見つからないとして、11月20日に続き、再び会長解任を見送った。

<「一枚岩」でない、ルノーとフランス政府>

ルノーとフランス政府も「一枚岩」ではなくなっている。関係筋によると、同政府はゴーン氏の後任選びを始めており、ルノーでの勤務経験があるトヨタ自動車(7203.T)のディディエ・ルロワ副社長らが、非公式ながら候補に挙がっているという。

フランス政府はもともとルノーの日産に対する影響力を強めたい意向を持っており、ゴーン氏に、会長退任後にも企業連合が崩れないよう「不可逆的な関係」の構築を求めていた。

日産、ルノー、フランス政府の間で人事のすり合わせも難しくなっているが、業務面でも3社連合内での歪みが生まれつつあるようだ。

日産が三菱自動車(7211.T)の筆頭株主となり、三菱自が日産とルノーのアライアンス(企業連合)に参画してから約2年7カ月。三菱自の益子修CEOは11月26日のゴーン前会長解任後の取材で、これまでの3社連合の活動を振り返り、「見直さなければいけないところも(あると)感じている」と述べた。

益子CEOは、規模の大きい日産やルノーと同じことをしても「三菱らしさにはつながらない」と話し、「三菱としてできることは何かを見極め、(アライアンスで貢献できるよう)提案したい」と語った。

また、車種開発では三菱の得意分野で「他社と十分に戦える技術を中心に」選択と集中を進める意向を示した。

関係筋の話では、約3カ月以上前、日産とルノー、両社が資本・業務提携している独ダイムラー(DAIGn.DE)の3社で進めている技術開発などのプロジェクトに対し、三菱自が参加を検討していくことが取締役会で報告された。三菱自は3社の会議に顔を出し始めたが、参加するかどうかはプロジェクトごとに1つ1つ吟味するという。

こうした中、14日付でルノーのティエリー・ボロレCEO代行が日産に書簡を送り、臨時株主総会を早期に開催するよう求めていることが関係筋の話で明らかになった。書簡の中で明確な目的は明記されていないが、ルノーとの対等な関係を模索する日産をけん制する意図も見え隠れし、日産とルノーとの間には大きなかい離が表面化しつつある。

白木真紀 取材協力:Laurence Frost 編集:田巻一彦

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