March 5, 2019 / 10:36 AM / 7 months ago

焦点:野村HDの永井CEOが異例の8年目、改革の重責

[東京 5日 ロイター] - 野村ホールディングス(8604.T)が5日に発表した新年度の経営体制で、永井浩二グループCEOの続投が決まった。トップ交代の憶測もあったが、8年目に突入することになった。近年では異例の長期政権だ。ただ、2019年3月期決算は10年ぶりの最終赤字が確実で、海外部門を含めたビジネスモデル改革という大きな課題を背負うことになる。

 3月5日、野村ホールディングス<8604.T>が5日に発表した新年度の経営体制で、永井浩二グループCEOの続投が決まった。トップ交代の憶測もあったが、8年目に突入することになった。近年では異例の長期政権だ。都内で2016年撮影(2019年 ロイター/Yuya Shino)

<課題の海外ビジネス>

「海外部門のリストラを大胆に進めなければ、もたないのではないか」―─。金融庁のある幹部は、こう指摘する。

野村HDが今年1月に発表した18年4―12月期決算は、1012億円の最終赤字に転落。このままいくと19年3月期通期は、リーマン危機が直撃した09年3月期以来10年ぶりとなる赤字決算が確実な情勢だ。

要因は、市場部門の不調だが、中でも海外部門の不振が際立っている。同部門は、18年4―6月期に日本を除く米州、欧州、アジアの3地域合わせた税前損益が計77億円の赤字に転落。その後も、赤字が続く結果となっている。世界的に低金利環境が続く中で、特に債券関連の取引が低迷したのが要因だ。

野村の北村巧財務統括責任者(CFO)は1月の会見で「バランスシートに依存した伝統的なトレーディングビジネスは、もはや限界」と説明し、市場部門のビジネスモデルの見直しが不可欠との考えを示した。

野村は16年度にも海外での大規模なリストラを実施。「プロジェクト・スプリング」と名付けられた同施策では、かつてロンドン市場で取引シェア1位を取ったこともある欧州での株式トレーディング業務も、「競争力がない」との理由で撤退を決め、16年4―6月期から海外部門は黒字回復した。

野村幹部は「『プロジェクト・スプリング』の時よりも、市場環境が厳しくなっている。さらに踏み込むのは至難の業だが、やらざるを得ない」と打ち明ける。

<迫る格下げのリスク、外貨調達のコスト増も>

19年3月期が赤字に陥った際に野村に迫るのは、格下げのリスクだ。野村の長期格付けは、ムーディーズが「Baa1」、スタンダード&プアーズが「Aー」。引き下げられると、外貨調達のコスト増加が懸念される。「赤字になっても財務的にはピカピカなので、心配には及ばない」(野村幹部)とするものの、市場では「債券ビジネスは規模が大きいだけに、調達コストが上昇するとインパクトが大きいのではないか」(証券アナリスト)との懸念もある。

ある幹部は「かつての野村であれば、海外の多少の損失は国内営業部門で巻き返せたが、今はそういう時代ではない」と説明する。

圧倒的なリテール営業力を誇る同社だが、現在はビジネスモデルの転換を進めている。かつての販売手数料に依存していたモデルから、預かり資産残高を重視する施策に移行している最中で、新しいモデルへの移行が、まだ収益として実ってきていない。

永井CEO自身も、昨年12月の投資家向けの説明会でビジネスモデルの改革について「かつてチャレンジしたことがあるが、大きな河を渡り切れずに後戻りしたことがある。今回は河を渡りきる覚悟だ」と強調した。8年目のCEOとして道筋を付けれるのかどうかが、問われることになる。

布施太郎 編集:田巻一彦

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