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野村HD、米国で多額損害の可能性 社債発行見送り

3月29日、野村ホールディングスは米国の子会社と取引先との間で多額の損害が発生し得る事象が起きたと発表した。写真は野村のロゴ。都内で2016年11月撮影(2021年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 29日 ロイター] - 野村ホールディングスは29日、米国子会社と取引先との間で多額の損害が発生し得る事象が起きたと発表した。損害見込み額は精査中。この取引先に対する請求額は、3月26日時点の市場価格に基づく試算で約20億ドルあるという。

23日に条件を決定した米ドル建ての普通社債32億5000万ドルは、業績に影響を与えかねない事象が起きたため見送ることを決めた。米国子会社を含めた業務遂行や財務健全性への問題はないとしている。

ブルームバーグによると、野村HDの米子会社で多額の損失が生じる可能性があるとの発表は、ビル・フアン氏のファミリーオフィス、アーキゴス・キャピタル・マネジメントによる取引巻き戻しに関連しているという。アーキゴスは野村HDのプライムブローカレッジ業務の顧客だったとも報じている。

野村HDの広報担当者は「コメントは差し控える」とした。

S&Pグローバル・レーティングの松尾俊宏主席アナリストは、野村HDの業績への影響について「20億ドルの請求額が全て損失額となれば、野村HDの上期純利益が全て吹き飛ぶ計算だ。資本に対して直接影響が出る水準ではないが、特定の顧客との取引でこれだけの損失が発生するとなれば、リスク管理の観点から十分だったかどうかは問われるだろう」と指摘している。

SMBC日興証券の村木正雄シニアアナリスト・グローバル金融ストラテジストはリポートで「仮に米国で2200億円の損失が発生すれば、税金関連利益の計上も困難になり、21年3月期純利益は1700億円程度まで減るリスクがある」と予想している。

野村HDの株価は、前場の取引中に一時16%超安まで下落した。ある証券会社の関係者は、今のところ、この問題は野村HDに限定されているため、マーケット全体を下落させるほどではないとみている。

加藤勝信官房長官は同日午前の会見で「今後とも所管の金融庁において日本銀行、当該当局とも情報を共有しつつ状況を注視していく」と語った。

*アナリストコメントなどを追加しました。

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