[ナイロビ 18日 ロイター] - 絶滅にひんしているキタシロサイ1頭の死体がケニアで発見された。これで、世界に6頭が生息するのみとなった。ミナミシロサイはサハラ以南のアフリカに数千頭が生息している一方、キタシロサイは数十年に及ぶ密猟の横行で数が激減している。
死体が発見されたのは、捕獲されたキタシロサイから生まれた最初の個体だった34歳オスの「スニ」。17日、ナイロビの北約250キロの地点で死んでいるのをオル・ペジェタ保護区のレンジャーが見つけた。
保護担当者によると、スニは繁殖可能なオス2頭のうちの1頭だった。密猟者に殺されたわけではないが、死因は不明だという。ケニアの野生動物保護当局が後日、死体解剖を行うことになっている。
スニはチェコの動物園で誕生。2009年、絶滅回避のための繁殖プログラムに伴い、同保護区に移された4頭のうちの1頭だった。
担当者は「キタシロサイは貪欲な人類のせいで、地球上からの消滅の瀬戸際に立たされた」との声明を発表。「当保護区に残された3頭から、いつかキタシロサイの子供が生まれるよう、できる限り努める」と述べた。
サイの角はアジア地域の都市で金やプラチナよりも高い値段で取り引きされており、1キログラム当たり6万5000ドルにも上るという。
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