for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up

アングル:北朝鮮、ビール工場の新設に外資誘致を検討

[ソウル 10日 ロイター] - 国際社会から孤立する北朝鮮だが、金正恩第1書記が大規模開発計画を持つ港湾都市の元山市では、ビール醸造所の新設に向け、海外から3900万ドル(約48億6600万円)の投資誘致を検討している。

 8月10日、国際社会から孤立する北朝鮮だが、元山市ではビール醸造所の新設に向け、海外から3900万ドルの投資誘致を検討している。写真は同国「大同江ビール」の工場。平壌で2004年5月撮影(2015年 ロイター/Lee Jae-Won)

北朝鮮は最近、同国東部の元山・金剛開発区で、海外からの投資を求める100件以上のプロジェクトを発表した。ビール醸造所の新設を含むこれらのプロジェクトでは、総額1億5000万ドル以上の外国資本調達を目指しているという。

現地投資委員会を手伝う独立コンサルタントのマイケル・スペーバー氏は、「(北朝鮮は)これを新たな東アジアのビジネスおよび観光のハブにしようとしている」と説明。「(開発区は)沿岸部の良好な地域であり、深センや香港を魅力的な投資先にしたのと同等の品質とインフラがある」と述べた。同氏は来月、投資家の一団を連れて平壌を訪れ、ビール醸造所などのプロジェクトについて協議を行うという。

北朝鮮国内には現在20カ所を超える経済開発区があり、そこではグレーマーケットでの非公式な為替レートが使われている。特別な経済開発区法も運用されており、契約違反時には外資企業が国を訴えることも可能だという。

ただ、かつての旧ソ連型計画経済から市場主導型経済に変わりつつあるとはいえ、北朝鮮にはまだ、外資誘致の確かな実績は少ない。

同国唯一の携帯電話キャリアである高麗リンクに出資するエジプトのオラスコム・テレコム OTMT.CAは、第1・四半期に規制当局に提出した文書の中で、北朝鮮事業の利益を国外に持ち出すことができなかったとしている。

韓国ソウルにある国民大学の北朝鮮専門家、アンドレイ・ランコフ教授は「北朝鮮では外資の多くが失敗に終わっているが、彼らのほとんどは現地について非常に表面的な理解しか持ち合わせておらず、内部にコネもなかった」と指摘。「コネを持っていた場合は高収入を得ているが、彼らはどこからも注目を集めたくないので、自分たちの成功には口をつぐみがちだ」と語った。

<味の良いビール>

ロイターが入手した文書によれば、元山市での他のプロジェクトにはビール醸造所のほか、バスターミナルやレストランやガソリンスタンド、9000万ドルをかけて改装する水辺の官営ホテルもある。また新設ビール醸造所では、年間5000万リットルの生産が計画されているという。

北朝鮮には、金正日総書記時代に英国の中古設備を使って醸造所が造られた「大同江ビール」があり、その味は韓国製ビールより上だという声もある。

前出のスペーバー氏は「北朝鮮ビールは味が良く、東部沿岸ではかなり大きな需要があるにもかかわらず、供給するための大規模醸造所がない」と語っている。

(James Pearson記者、翻訳:宮井伸明、編集:伊藤典子)

for-phone-onlyfor-tablet-portrait-upfor-tablet-landscape-upfor-desktop-upfor-wide-desktop-up