[ソウル 8日 ロイター] - 北朝鮮外務省は8日、北朝鮮は核兵器と高性能ミサイルを保有する世界でも数少ない国の1つであり、ミサイル実験で「世界を震撼(しんかん)させる」ことで米国に対抗している唯一の国であると自負した。
声明で「多くの国が服従と盲従で米国を相手に時間を浪費している今日の世界において、米本土を射程に入れたミサイルを発射して世界を震撼させることができるのは、この地球上でわが国だけだ」と主張。年初からの一連のミサイル実験は、北朝鮮の「戦争抑止力」を強化する「目覚ましい功績」を意味するとしたほか、「世界には200以上の国があるが、水爆、大陸間弾道ミサイル、極超音速(ハイパーソニック)ミサイルを持つ国はわずかだ」とした。
米国務省は北朝鮮の声明を受け、米国は北朝鮮にいかなる敵対的意図も持っていないとの従来の立場を改めて示し、対話再開を呼び掛けた。
国務省報道官は、北朝鮮は国際的な平和や安全保障、世界的な核不拡散の取り組みに対する脅威と強調。「米国は(北朝鮮を)抑止し、北朝鮮の挑発や武力使用に対して防御し、その最も危険な武器プログラムの到達を制限し、米国民と軍、同盟国の安全を維持する」方針とした。
米国の北朝鮮研究サイト「38ノース」のディレクター、ジェニー・タウン氏は、北朝鮮の声明文が外務省から発表されたことを指摘する。「声明文の形式は受動的で、何かをするというよりは、何かが可能という内容になっており」あまり威嚇的ではないとの見方を示した。
北朝鮮は、8日が軍創建記念日だった。これまでは軍事パレードが行われることもあったが、今年はパレードの報道はない。国営メディアによると、軍高官が過去の指導者の霊廟(れいびょう)を訪れたという。
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