[ソウル 22日 ロイター] - 韓国の国会議員らは22日、北朝鮮が核・ミサイル能力の完成を目指して7回目の核実験を年内に実施し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を通常の角度で発射する可能性があると述べた。情報機関の国家情報院から説明を受けた後に明らかにした。
北朝鮮はこれまで、ICBM発射実験を高角度の「ロフテッド軌道」で行ってきたが、飛距離を大幅に伸ばせる通常角度での打ち上げ能力を既に獲得しており、米国に圧力をかけるため実行する可能性があるという。
北朝鮮は18日にICBMを発射し、20日には飛距離のより短い弾道ミサイル2発を発射した。金正恩朝鮮労働党総書記の妹で党副部長の金与正氏は太平洋を「射撃場」にすると警告、緊張が一段と高まった。
韓国国会情報委員会の劉相凡議員は「ICBMはこれまで通常の角度で打ち上げられたことがないが、北朝鮮にはその能力があり、米国への圧力を強めるために日程を準備しているようだ」と指摘。
また、2017年以来となる核実験を実施し、これまでの警告通り年内にスパイ衛星を打ち上げる可能性も高いと述べた。核実験は「核爆弾の小型化と軽量化を完了するために必要になる」と説明した。
別の議員は、北朝鮮が今年、固体燃料式のICBMを開発する可能性があるとの見方を示した。
北朝鮮国営の朝鮮中央通信社(KCNA)によると、同国の金先敬外務次官は22日、国連のグテレス事務総長が北朝鮮によるICBM発射を非難したことについて「極めて不公正でバランスが取れていない」と反論。
「朝鮮半島問題に対する非理性的で偏った姿勢が、米国やその追随国による敵対的な行為をあおる原因になっていることをはっきり認識する必要がある」との声明を発表した。「朝鮮半島に望ましくない状況が生じれば、国連事務総長自身が重い責任を免れない」としている。
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