[国連 29日 ロイター] - 北朝鮮の李容浩外相は29日、国連総会での演説で、制裁は北朝鮮の米国に対する不信を増幅させているとの見方を示し、このような状況下で北朝鮮が一方的に核武装を解除することはあり得ないと言明した。李氏は、北朝鮮が過去1年間で核・ミサイル実験の停止や核実験場の廃棄などの「重大な善意の措置」を講じてきたと強調。「しかし、米側から相応の反応がみられない」と述べた。
「米国への信頼がなければ、北朝鮮の国家安全保障に自信を持てないことになり、そのような状況下でわれわれが一方的に真っ先に核武装を解くことは決してない」と語った。
李氏は段階的な非核化を拒否する米国の立場について、従来からの批判を繰り返したが、これまでのように一方的な非核化を完全に否定することはしなかった。
李氏はまた、6月の米朝首脳会談後に出された共同声明に言及した上で「米国は『非核化が先決』だと主張し、威圧的な方法で目標を達成するため、制裁を通じた圧力を強めている」とし、「制裁で北朝鮮を服従させることが可能と考えるのはわれわれのことを知らない人々の幻想だ。むしろ、制裁の継続がわれわれの不信を増幅させているというのが問題だ」と語った。
李氏は米朝首脳再会談への見通しは示さなかった一方、過去5カ月間で3回開かれた南北首脳会談に言及し「非核化の当事国が米国ではなく韓国だったならば、朝鮮半島の非核化がこのように行き詰まることはなかっただろう」と述べた。
それでもなお、李氏の演説は全体的なトーンが昨年とは大きく異なった。昨年の演説では、、北朝鮮が米本土を射程に入れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発するのは時間の問題との認識を示していた。
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