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金与正氏、米韓演習を批判 「騒ぎ起こすな」と米政権けん制

[ソウル 16日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は、韓国で米韓合同軍事演習が行われていることを批判するとともに、バイデン米政権に対し平和を望むなら騒ぎを起こさないほうがいいと警告した。

3月16日、 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正党第1副部長(写真)は、韓国で米韓合同軍事演習が行われていることを批判するとともに、バイデン米政権に対し、平和を望むなら騒ぎを起こさないほうがいいと警告した。ハノイで2019年3月代表撮影(2021年 ロイター)

国営の朝鮮中央通信(KCNA)が16日、与正氏の声明を伝えた。

KCNAによると、声明でバイデン政権に対し「次の4年間、平和な眠りを望むなら、最初の段階で騒ぎを起こさない方が良い」と語った。

米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官は15日から日本と韓国を訪れ、両国で外務・防衛閣僚協議「2プラス2」を予定している。

与正氏の声明に対し、ホワイトハウス、米国務省、韓国政府はまだ反応を示していない。

ホワイトハウスは15日、バイデン政権が「状況が深刻化するリスク低減を目指し」、北朝鮮に接触しようと試みたものの、これまでのところ応答はないと明らかにしていた。

今年の米韓合同軍事演習は新型コロナウイルス感染リスクと北朝鮮との協議を考慮し、コンピューターシミュレーションによる演習のみに限定されている。

与正氏は「軍事演習と敵意は、対話や協力とは釣り合わない」と指摘。韓国政府について「政治・経済・感染症流行の危機で身動きが取れなくなり、(最後の手段として)規模を縮小した軍事演習を行っている」とあざ笑った。

韓国国防省の報道官は軍事演習について、記者団に定例のイベントで防御的なものと説明した。

「朝鮮半島に永続的で強固な平和を築くために、北朝鮮は対話に応じるなど柔軟な姿勢を示す必要があるというのが国防省の立場だ」と述べた。

与正氏は韓国が再開を模索している南北対話については「今度は容易ではない」とし、北朝鮮はさらなる挑発行為がないか注視すると表明。軍事境界線での緊張緩和に向けた南北軍事合意の破棄や、南北協力事業の組織の解散を検討する可能性があるとした。

英ロンドン大学キングス・カレッジのラモン・パチェーコ・パルドー准教授(国際関係学)は、ブリンケン・オースティン両長官のアジア歴訪中に与正氏がコメントを出したことで、韓国との協議では北朝鮮問題が最優先の議題になると指摘。「これまでは、対中国・対北朝鮮の政策を見直す日米豪印4カ国の枠組み『クアッド』が議論の中心だったが、与正氏の声明が中心議題になるだろう」と語った。

米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」のジェニー・タウン氏は、与正氏のコメントについて、南北合意の前向きな言葉と実際の敵対的行動の乖離に不満を示す北朝鮮政府の従来の主張とおおむね一致するとの見方を示した。

*内容を追加しました。

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