[ニューヨーク 2日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが2週間ぶりの安値に下落。さえない米経済指標の発表などが重しとなった。
この日のドルは取引序盤から弱含みで推移した。トランプ米大統領がブラジルとアルゼンチンから輸入する鉄鋼とアルミニウムに直ちに関税を課すと表明したことを受けた。
テンパスのバイスプレジデント、ジョン・ドイル氏は、ドルの動きについて「通商懸念と弱い米経済指標の組み合わせが影響した」と指摘。「米経済指標が発表される前からドルは下落していたが、米製造業指標の発表後に下げ幅を広げた。予想を上回った欧州の製造業指標が支援材料になることはなく、米指標はひどい内容だった」と述べた。
欧州の製造業指標は良好な内容となり、欧州の見通しに対する楽観的な見方を後押しした。
対照的に、米供給管理協会(ISM)が2日公表した11月の製造業景気指数は48.1と、10月の48.3から低下し、景気拡大・縮小の節目となる50を4カ月連続で下回った。
また、米商務省が2日発表した10月の建設支出(季節調整済み)は、年率換算で前月比0.8%減と、市場予想の0.4%増に反して落ち込んだ。
ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツ(トロント)の主任市場ストラテジスト、カール・シャモタ氏は「これがドルにとって意味することは、米連邦準備理事会(FRB)が来年、追加利下げする可能性があるということだ」と述べた。
午後の取引でドル指数.DXYは0.4%安の97.839。一時2週ぶりの安値となる97.811を付けた。
ドルの下落を背景にユーロ/ドルEUR=は2週ぶりの高値に浮上。終盤は0.6%高の1.1081ドル。
ドル/円JPY=は0.4%安の108.98円。
序盤にはドル/円が上昇する場面もあった。財新/マークイットが発表した11月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が51.8と前月の51.7から上昇し、2016年12月以来の高水準となったことを受けた。
ドル/円 NY終値 108.98/109.01
始値 109.53
高値 109.60
安値 108.94
ユーロ/ドル NY終値 1.1077/1.1081
始値 1.1006
高値 1.1089
安値 1.1004
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