[ニューヨーク 20日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルがユーロや円などの主要通貨に対して上昇した。市場では新型コロナウイルス感染拡大への警戒感と、ワクチン開発への期待がせめぎ合っている。
米製薬大手ファイザーPFE.Nはこの日、開発中の新型コロナウイルスワクチンの緊急使用許可を米食品医薬品局(FDA)に申請した。コロナワクチンの緊急使用許可申請は米国内で初めて。同社は18日、臨床試験(治験)で95%の予防効果が確認され、重篤な副作用も見られなかったとする最終結果を発表していた。
キャピタル・エコノミクスの市場エコノミスト、ジョナサン・ピーターソン氏は「現在はコロナ禍からの回復の初期段階にある」とし、こうした状況はドルの重しとなると同時に、ユーロの支援要因になるとの見方を示した。
ムニューシン米財務長官は前日、新型ウイルス危機を受けて導入した連邦準備理事会(FRB)の緊急融資プログラムの一部について、期限を延長せず12月31日に終了すると表明。オーバーナイトの取引でドルが一時上昇するなどの動きが出た。
ムニューシン長官はこの日、コロナ禍で中小企業が必要としているのは融資ではなく返済義務のない補助金だと述べ、理解を求めた。
マネックス・ヨーロッパはリサーチノートで「大部分の緊急融資プログラムは、財務省がバックストップに提供する額以上の利用がない。このことは市場が十分に機能していることを示しており、終了は正当化される」との見方を示した。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は92.369と、ほぼ横ばい。
ユーロは対ドルEUR=EBSで0.1%安の1.1859ドル。週足ではやや上昇した。ドルは対円JPY=EBSで0.1%高の103.81円。
豪ドルは対米ドルAUD=D3で0.4%高の0.7308米ドル。リスク選好度の上昇を受け、ニュージーランドドルNZD=D3は0.6951米ドルと、2年ぶり高値を更新した。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインBTC=BTSPは1万8824ドルと3年ぶり高値を更新し、過去最高値に迫った。
ドル/円 NY終値 103.85/103.86
始値 103.79
高値 103.86
安値 103.71
ユーロ/ドル NY終値 1.1853/1.1857
始値 1.1872
高値 1.1878
安値 1.1851
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