[ニューヨーク 15日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨バスケットに対して上昇し、11カ月ぶりの高水準となった。対円では109円台前半に上昇し、一時5カ月半ぶりの高値を付けた。10月の米小売売上高が堅調だったことで米国債利回りが上昇し、ドル買いを後押しした。
ドル/円JPY=は終盤、0.8%高の109.26円となった。一時は109.33円まで上昇する場面もあった。
主要6通貨に対するドル指数.DXYは、一時100.26まで上昇し、終盤は0.1%高の100.22で取引された。ドル指数は7営業日続伸となり、この間の上昇率は3.23%に上った。
前日に11カ月ぶりの安値を付けたユーロ/ドルEUR=は、一時1.0816ドルまで持ち直したが、終盤は0.2%安の1.0719ドルで取引された。
この日発表の10月の小売売上高は前月比0.8%増となり、市場予想の0.6%増を上回る大きな伸びを示した。
小売りの強さは、連邦準備理事会(FRB)が12月に追加利上げに踏み切るとの見方を補強する材料となり、米2年債US2YT=PRの利回りは今年1月以来の水準となる1.029%まで上昇した。
ただ、共和党のドナルド・トランプ氏の大統領選勝利を受けた国債利回りの上昇の動きが弱まり、一時はドル売りが優勢になる場面もあった。
コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジのチーフ市場ストラテジスト、オマー・エジナー氏は「債券、ドルとも値固めの時期にあるようで、一服の様相だった」と話した。
トランプ氏が景気後押しのために減税や財政出動に乗り出すことへの期待から国債の利回りが上昇し、ドルは上げている。しかし、トランプ氏が選挙で主張してきた貿易や移民の制限は企業活動の妨げとなり、経済の重しになるとの声もアナリストから上がっている。
ゲイン・キャピタルの調査責任者、ジェームズ・チェン氏は「選挙戦で訴えてきたことにトランプ氏がどう取り組むのかは分からない」と見通しの不透明さを強調した。
ドル/円 NY終値 109.15/109.20
始値 108.31
高値 109.33
安値 108.16
ユーロ/ドル NY終値 1.0720/1.0723
始値 1.0766
高値 1.0772
安値 1.0714
*内容を追加しました。
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