[ニューヨーク 11日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが対円で急伸した。参院選で自公与党が勝利し、安倍晋三首相が大型経済対策を打ち出す考えを表明したためで、一時は約2年ぶりの大幅な上昇率を記録した。
関係筋の話で経済対策の規模が最大10兆円に達する可能性があると伝えられ、日経平均が高騰するとともにドル買い/円売りが活発化。経済対策を軌道に乗せることを狙って、日銀が追加緩和に踏み切り、円安を促すとの見方も広がった。
終盤のドル/円JPY=は2.25%高の102.78円。一時は2.3%高の102.87円と、1日の上昇率としては2014年10月31日以来の大きさになった。
BMOキャピタル・マーケッツの外為戦略グローバル責任者、グレッグ・アンダーソン氏は「(日本では)財政と金融の政策協調の様相を呈している。財政を拡張しようとすれば、当然ながら紙幣増刷でファイナンスすることになる」と述べた。
その上で「今年これまで何度か日銀が政策対応を見送った背景には、財政と協調できないなら(量的緩和の)強化は意味をなさないと判断した面があったのではないか」とみている。
ポンド/ドルGBP=D4は売りが先行したが、終盤は0.35%高の1.3001ドルと切り返した。
英与党・保守党の党首選からレッドソム・エネルギー担当閣外相が撤退を表明し、テリーザ・メイ内相が次期首相に就任することが決まったことが好感された。
主要6通貨に対するドル指数.DXYは4カ月ぶり高値の96.793に上昇する場面があった。終盤は0.25%高の96.542。
ドル/円 NY終値 102.79/102.82
始値 102.37
高値 102.89
安値 102.28
ユーロ/ドル NY終値 1.1056/1.1060
始値 1.1046
高値 1.1074
安値 1.1035
*内容を追加しました。
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