[ニューヨーク 15日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが総じて下落した。前週末の7月小売売上高などの最近発表された米経済指標が低調な内容で、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ観測が後退していることが影響した。
終盤の主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.1%安の95.61、ユーロ/ドルEUR=は0.2%高の1.1181ドル。
フォレックス・ドット・コムの調査責任者、ジェームズ・チェン氏は「世界の主要中央銀行の金融政策は圧倒的に緩和方向という流れがある上に、このところのいくつかの米指標が予想外に弱いことが、米利上げ観測を後退させる要因になっている」と指摘した。
フェデラルファンド(FF)金利先物が織り込む12月の利上げ確率は15日が約43%で、12日の45%から低下した。
16日には7月米消費者物価指数(CPI)が発表される。ロイターがまとめた市場予想は前月比横ばいで、6月の0.2%上昇から鈍化する見通し。前年比上昇率も下振れが予想されている。
先週には米労働生産性統計が物価圧力の弱さを示し、FRBは利上げを急がないとの見方が裏付けられた。
市場参加者の間では、17日の7月米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で利上げ時期に関する新たな手掛かりが得られるとの期待も出ている。
終盤のドル/円JPY=は横ばいの101.26円。ただ、フォレックス・ドット・コムのチェン氏は「市場がFRBの早期利上げはないと予想し、円相場が日本の当局による押し下げの取り組みに無反応を続ける限り、ドル/円はさらに大きく下落する可能性がある」と話した。
ドル/円 NY終値 101.24/101.27
始値 101.07
高値 101.27
安値 100.92
ユーロ/ドル NY終値 1.1183/1.1185
始値 1.1167
高値 1.1202
安値 1.1168
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