[ニューヨーク 6日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではユーロが上昇し、対ドルで約2週間ぶり高値を更新。欧州中央銀行(ECB)が年内に債券買い入れ策を終了する可能性があることを示唆する当局者の発言が材料視された。
市場参加者の間では、イタリア政局混迷による不透明性を踏まえ、ECBが14日開催のECB理事会で慎重な構えを維持するとの見方が大勢。
そうした中、プラート専務理事はこの日、ECBはインフレが目標に向けて上昇していくことへの自信を深めており、来週の理事会で債券買い入れ策を年内に終了させるかどうか討議すると述べた。
プラート専務理事の発言を受け、ユーロ/ドルEUR=は1.1796ドルと、5月22日以来の高値を更新。終盤の取引では0.5%高の1.1775ドル。週間では2月中旬以来の大幅な上昇を記録する勢いとなっている。
XEの法人向けトレーダー、ビアシュ・スレイームントゥー氏は「1.18ドルの節目を上抜けると、ユーロ買いは加速するだろう」と述べた。
ウエストパックの為替戦略主任、リチャード・フラヌロビッチ氏は「9月以降に資産買い入れプログラムをいかに終了させるかを巡り、ECBはこれまでやや用心深くなっていた」とし、「9月まで決定を遅らせることは現実的ではなく、市場に無秩序な調整を招く恐れがある」と指摘した。
主要6通貨に対するドル指数.DXYは0.3%低下の93.623。
イタリアではこの日、コンテ新内閣が正式に発足。コンテ首相は前日の所信表明演説で、国民に急進的な変革をもたらすと約束。さらに、その後の討論ではユーロ離脱について「一度も考えたことがない」と言明した。
ドル/円 NY終値 110.16/110.19
始値 110.17
高値 110.26
安値 109.90
ユーロ/ドル NY終値 1.1773/1.1774
始値 1.1766
高値 1.1796
安値 1.1761
表はロイターデータに基づいています