(文章の後に表を入れています) [ニューヨーク 30日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為 市場では、ドルが2カ月半ぶりの高値を付けた。月間では約3%高と2 016年11月以来の大幅な上昇を記録。米連邦準備理事会(FRB) の予想外のタカ派シフトと新型コロナウイルス変異株「デルタ」の感染 拡大を巡る懸念が支援した。 30日は雇用指標が予想を上回ったこともドル上昇を支援した。企 業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング( ADP)とムーディーズ・アナリティクスが30日に発表した6月の全 米雇用報告は、民間部門雇用者数が69万2000人増と、市場予想の 60万人増を上回った。 アクション・エコノミクスは、7月2日の米雇用統計発表を前にA DP全米雇用報告が予想を上回ったことがドルのショートカバーを誘発 し、ドル高につながったと指摘。「FRBが先に引き締めを開始すると の見方に加え、米国の経済成長率が欧州を大きく上回る可能性があるこ とが引き続きドル高を支援する」とした。 ロイターのエコノミスト調査によると、6月の米雇用統計では非農 業部門雇用者数が70万人増と、5月の55万9000人増から伸びが 加速するほか、失業率も前月の5.8%から5.7%に改善するとみら れている。 ウェルズ・ファーゴのマクロストラテジスト、エリック・ネルソ ン氏は「米雇用統計が市場予想を上回れば、FRBが緩和策を従来想定 より早く縮小するとの見方が強まる。これはドルにとってポジティブだ 」と述べた。 投資家はオーストラリアや英国、欧州の一部でデルタ株の感染が広 がっていることを懸念しており、これがドル買いにつながっているとい う。 午後の取引で、ドル指数は0.4%高の92.441。序盤 には92.451と4月上旬以来の高値を付けた。 ユーロ/ドルは0.4%安の1.1849ドル。一時1 .1845ドルと4カ月半ぶりの安値を付けた。ドル/円は 0.5%高の111.09円。一時111.12円と昨年3月下旬以来 の高値を付けた。 豪ドルは0.2%安の0.7496米ドル、ニュージーラ ンドドルは0.1%安の0.6983米ドルだった。 ドル/円 NY午後4時 111.08/111.09 始値 110.48 高値 111.11 安値 110.48 ユーロ/ドル NY午後4 1.1857/1.1861 時 始値 1.1888 高値 1.1894 安値 1.1846 (表はリフィニティブデータに基づいています)
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