[ニューヨーク 21日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが10日ぶり高値から下げに転じた。市場は感染力が強いとされる英国の新型コロナウイルス変異種への懸念を受け流し、米議会の追加刺激策承認に注目した。
アナリストは、年末休暇前のこの時期は商いが細り、ボラティリティーが高まると指摘する。
変異種の発生を巡っては、世界保健機関(WHO)が21日、パンデミック(世界的な大流行)の過程で通常見られるもので、過度に警戒する必要はないと指摘。これも市場心理の改善につながった。
クラリティーFXのエグゼクティブディレクター、アモ・サホタ氏は「現在展開中のコロナワクチンも変異種に有効だという認識が広がった」と指摘。「ワクチンが変異種に効かないとなれば、全く違う状況になるだろう」と述べた。
市場では、この日に議会で承認されるとみられる9000億ドル規模の新型コロナ追加経済対策に注目が移った。
午後の取引でドル指数は0.2%安の90.097。前週はワクチンが世界的な回復を支援するとの楽観的な見方から安全資産のドルが2年半ぶり水準に沈んだが、この日序盤は10日ぶり高値の91.022まで上昇していた。
ユーロは1.22331ドルに0.2%下落した。
英2年債が最低水準を更新し、英ポンドは対ドルと対ユーロで10日ぶり安値に一時下落。ジョンソン英首相は新型コロナ危機で緊急対応を求めた。対ドルでは0.4%安の1.3448ドル、対ユーロでは0.1%高の90.85ペンスとなった。
ビットコインは20日に最高値の2万4298.04ドルを付けたが、この日は2.7%下落。終盤の取引では2万2844.18ドルだった。
週明け、投資家が避難資産を求めて駆けつけたことから、リスクの高い豪ドルとニュージーランドドルが安値を更新した。オーストラリアドルは0.6%安の0.7580米ドル、ニュージーランドドルは0.6%安の0.71米ドルとなった。
ドルは対円で103.34円と小動きだった。
ドル/円 NY終値 103.30/103.32
始値 103.68
高値 103.72
安値 103.29
ユーロ/ドル NY終値 1.2242/1.2246
始値 1.2162
高値 1.2252
安値 1.2157
表はリフィニティブデータに基づいています
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