[ニューヨーク 31日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為 市場では、ドル指数が下落した。ただ、トレーダーが米連邦準備理事会 (FRB)による追加利上げに備える中、29日に付けた約20年ぶり の高値に近い水準を維持した。 ドル指数は0.1%安の108.66。29日には109. 48と20年ぶりの高値を付けた。 月間では約2.6%高と3カ月連続の上昇となる見込み。 FRB当局者は高インフレ抑制に向け追加利上げを支持する発言を 繰り返している。31日には米クリーブランド地区連銀のメスター総裁 が、インフレ率を目標まで下げるためにFRBは来年初頭までに政策金 利を4%をやや上回る水準まで引き上げ、その水準を維持する必要があ るとの見方を示した。 FXストリート・ドットコムのシニアアナリスト、ジョセフ・トレ ビサーニ氏は、第3・四半期がマイナス成長になったとしてもFRBの タカ派路線は変わらないとの見方を示した。 シルバー・ゴールド・ブルの外為・貴金属リスクマネジメント担当 ディレクター、エリック・ブレガー氏は、FRBが方向転換するとの7 月下旬時点の見方は改めなければならず、再びドルに強気になるべきと 指摘。「現在の唯一の変化は、欧州中央銀行(ECB)が追いつこうと 必死になっているように見えることだ。そのため金利スプレッドがユー ロ/ドルを支えている」とした。 ユーロ/ドルは再び等価(パリティ)を突破したが、エネルギー危 機とリセッション(景気後退)懸念の中で、ユーロに対する見通しは依 然として不透明となっている。 ロシア国営ガスプロムは31日、欧州に天然ガスを送る 主要パイプライン「ノルドストリーム1」を介したガス供給を停止した と発表した。 INGバンクのFXストラテジスト、フランチェスコ・ペソーレ氏 は、週明けにはガス供給を巡る見方の改善がユーロを支援していたが、 「今や薄れつつあり、ユーロ/ドルの上値を抑えるだろう」と述べた。 ユーロ/ドルは0.31%高の1.0047ドル。 欧州連合(EU)統計局が31日発表した8月のユーロ圏消費者物 価指数(HICP)速報値は前年比上昇率が9.1%と、前月の8.9 %から加速し、前月に続いて過去最高を更新した。市場予想(9.0% )も上回った。 ノルウェークローネは対ドルで約1.5%安。ノルウェー中 央銀行は31日、石油・ガス売却収入の急増を受けて政府系ファンド向 けの外貨購入を9月に大幅に増やすと発表した。 ポンド/ドルは0.3%安の1.16185ドル。月間では4.6 %安と2016年10月以来の大幅な下げとなる勢い。 暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.73%高の 1万9963ドル。リスク資産への警戒感がくすぶり、上値は限定的だ った。 ドル/円 NY午後4時 138.91/138.92 始値 138.72 高値 138.97 安値 138.46 ユーロ/ドル NY午後4 1.0047/1.0051 時 始値 0.9978 高値 1.0078 安値 0.9978 (表はリフィニティブデータに基づいています)
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