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NY市場サマリー(22日)米成長鈍化懸念で利回り低下、ドルと株下落

[22日 ロイター] - <為替> ドルが軟化した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の発言を受け、米経済がリセッション(景気後退)入りする可能性を懸念して米国債の利回りが低下した。

パウエル議長は22日、上院銀行委員会の公聴会で、インフレ抑制に「強くコミット」しており、景気後退リスクがあっても物価抑制に全力を傾けているとした。

BKアセットマネジメント(ニューヨーク)のマネジング・ディレクター、キャシー・リエン氏は「FRBの方針は他の中銀がより大きく動く可能性を高めており、ユーロ高やカナダドル高を招いている」と指摘。「ドル安は米国債の利回りと歩調を合わせて動いているためだと考えている」と述べた。また「パウエル議長は、日本円に対して一段のドル高を容認している」とも述べた。

ドル指数は0.31%下落。ユーロは0.47%上昇の1.0574ドル。円は0.36%高の1ドル=136.14円、ポンドは0.04%安の1.2267ドルとなった。

英国立統計局(ONS)が22日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比9.1%上昇。1982年3月以来40年ぶりの高い伸びとなり、主要7カ国(G7)で最高となった。

英ポンドは一時、約1%下落して1週間ぶりの安値となる1.2162ドルを付けたが、その後下げの大部分を取り返した。

カナダドルも対米ドルで一段と上昇した。

<債券> 国債利回りが約2週間ぶりの水準に低下した。FRBによるインフレ抑制に向けた積極的な金融引き締めが成長を鈍化させるという懸念が強まった。

バイデン米大統領が高ガソリン価格を踏まえ、9月末までガソリン税を停止するよう議会に要請すると表明したことを受け、原油価格が下落したことも債券価格を支援した。

FRBのパウエル議長は22日、FRBが40年ぶりの高水準で推移するインフレを引き下げることに「強くコミット」していると表明。インフレ阻止のために景気後退を誘発しようとしているのではなく、景気後退リスクがあっても物価抑制に全力を傾けているとした。

フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁は、需要が自身の想定以上に速いペースで鈍化している兆候が今後数週間で入手されるデータで示されれば、7月のFOMCで50ベーシスポイント(bp)の利上げを、さもなければより大幅な利上げを支持すると述べた。

シカゴ地区連銀のエバンズ総裁も、40年ぶりの高水準に達しているインフレに対応するため、「今後数カ月で政策金利をさらに大幅に引き上げる必要があると想定する」という認識を示した。

ロイターのエコノミスト調査によると、FRBは7月に再び75bpの利上げを実施し、9月には50bp引き上げる見通し。25bpへの利上げ幅縮小は早くても11月と予想されている。

終盤の取引で、2年債利回りは3.056%に低下。14日には、2007年11月以来の高水準となる3.456%を付けていた。

10年債利回りも3.156%に低下。14日には3.498%と、11年4月以来の水準に上昇していた。

2年債と10年債の利回り格差は9bp。14日は一時マイナス5bpと逆転していた。

米財務省が22日実施した140億ドルの20年債入札は平均的な需要を集めた。最高落札利回りは3.488%、応札倍率は2.6倍。

23日には180億ドルの5年物物価連動国債(TIPS)の入札が行われる。

<株式> 値動きの激しい展開となった後、小反落して取引を終えた。エネルギー株が重しとなったほか、インフレ抑制に「強くコミット」しているというパウエルFRB議長の発言が材料視された。

主要株価指数は下落して始まった後、パウエル議長の議会証言後に上昇する場面もあったが、引けにかけて下げに転じた。

FRBがインフレ抑制に向けて利上げを進める中、投資家は景気へのリスクを踏まえつつ、株価の底値を探ろうとしている。S&P500は今月、今年1月に付けた最高値から20%余り下落して弱気相場入りした。また、先週は週間で2020年3月以来の大幅な下落率を記録した。

業種別では、原油価格の下落を受けてエネルギーが4.2%安。エクソンモービル、シェブロン、コノコフィリップスがS&P総合500種を圧迫した。

情報技術の0.4%下落も重しとなった。

ディフェンシブセクターは好調で、不動産が1.6%、ヘルスケアが1.4%、公益事業は1%、それぞれ上昇した。

個別銘柄ではモデルナが4.7%高。開発中の新たな新型コロナウイルスワクチンについて、急速に広がるオミクロン変異株の派生型「BA.4」と「BA.5」に対しても強い免疫反応が確認できたと明らかにした。

化学大手のダウは4.7%安。クレディ・スイスが投資判断を「アンダーパフォーム」に引き下げた。

<金先物> FRBによる大幅利上げへの警戒感が根強い中、3営業日続落した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比0.40ドル(0.02%)安の1オンス=1838.40ドルだった。

<米原油先物> 米国の景気後退に警戒感が広がる中で売られ、下落した。この日から新たに中心限月となった米国産標準油種WTI8月物の清算値(終値に相当)は前日比3.33ドル(3.04%)安の1バレル=106.19ドルだった。9月物は3.35ドル安の103.99ドルとなった。

バイデン大統領は22日、米国のガソリン価格が過去最高を記録したことを受け、夏の行楽シーズンに当たる9月末までガソリン税を停止するよう連邦議会に要請すると表明した。ガソリン価格の高騰が続けば景気後退を招く一方、税金を免除すれば需要が膨らみ価格の上昇につながるため、議会が立法措置に応じるかに関しては不透明感がくすぶっている。

ドル/円 NY終値 136.26/136.29

始値 136.10

高値 136.30

安値 135.70

ユーロ/ドル NY終値 1.0565/1.0568

始値 1.0519

高値 1.0605

安値 1.0511

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 92*28.50 3.2484%

前営業日終値 90*12.00 3.3900%

10年債(指標銘柄) 17時05分 97*19.00 3.1599%

前営業日終値 96*12.50 3.3050%

5年債(指標銘柄) 17時05分 97*07.75 3.2336%

前営業日終値 96*19.00 3.3790%

2年債(指標銘柄) 17時05分 98*30.38 3.0623%

前営業日終値 98*22.25 3.1980%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 30483.13 -47.12 -0.15

前営業日終値 30530.25

ナスダック総合 11053.08 -16.22 -0.15

前営業日終値 11069.30

S&P総合500種 3759.89 -4.90 -0.13

前営業日終値 3764.79

COMEX金 8月限 1838.4 ‐0.4

前営業日終値 1838.8

COMEX銀 7月限 2142.1 ‐34.7

前営業日終値 2176.8

北海ブレント 8月限 111.74 ‐2.91

前営業日終値 114.65

米WTI先物 8月限 106.19 ‐3.33

前営業日終値 109.52

CRB商品指数 304.6531 ‐4.3493

前営業日終値 309.0024

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