June 10, 2019 / 10:17 PM / 9 days ago

NY市場サマリー(10日)

[10日 ロイター] - <為替> トランプ米大統領が前週末に対メキシコ関税措置の発動見送りを決定したことを受けドルが上昇した。一方ユーロは、景気が減速すれば欧州中央銀行(ECB)は利下げを排除しない考えと関係筋の話で伝わったことで下落した。

ウエストパック・バンキング(ニューヨーク)の外為部門責任者、リチャード・フラヌロビッチ氏は「対メキシコ関税回避の報道がオーバーナイトの取引でドルが大きく反発する要因となった」と述べた。

ドルは前週、貿易戦争で世界経済が阻害されるとの懸念から軟化。7日に発表された5月の雇用統計が軟調で、米利下げ観測が高まったこともドルの押し下げ要因となっていた。[nL4N23E1W8]一方、この日発表の4月の求人労働移動調査(JOLTS)は、求人件数(季節調整済み)が740万件と3月の750万件からやや減少したものの、採用件数が過去最高水準に増加した。[nL4N23H303]

米中貿易戦争のほか、トランプ米政権が日本や欧州などに対しても関税を発動させる可能性があるとの懸念からリスク選好度が低下した状態が続くと予想されている。

フラヌロビッチ氏は「中国との問題は解決されておらず、中国のほかにトランプ氏のターゲットになる可能性のある国は多い」と指摘。「市場は神経質になっており、こうしたことは市場心理に対する向かい風になる」と語った。

ユーロは下落。関係筋2人が、年内に経済成長が鈍化し、ユーロ高が世界貿易戦争の影響を既に受けている欧州に打撃を与えれば、ECB政策当局者は政策金利を一段と引き下げる可能性を排除しないと明らかにしたことが売り要因となった。[nL4N23G04R]

ECBは6日の理事会で、予想通り主要政策金利を据え置くとともに、少なくとも来年半ばまで金利を据え置く方針を決定。[nL4N23D2WO]これを受けユーロは前週上昇していた。

<債券> 前週末にトランプ大統領が対メキシコ関税の発動見送りを決定しリスク選好が回復したことで、国債が売られ利回りは上昇した。年内の米利下げ観測が後退したこともリスク選好度の上昇に寄与した。

ただトランプ氏はこの日、今月末の20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせ、中国の習近平国家主席と通商合意に達しなかった場合、中国輸入品への追加の報復関税を発動する用意があると発言。[nL4N23H3EP]市場はこの発言に大きく反応しなかったものの、BMOキャピタル・マーケッツの米金利戦略部門責任者、イアン・リンゲン氏は、対メキシコ関税の発動回避で米中通商合意が得られる確率が基本的に変わったわけではないとの見方を示した。

10年債US10YT=RR利回りは2.145%、7年債US7YT=RR利回りは2.031%と、ともに6.3ベーシスポイント(bp)上昇。30年債US30YT=RR利回りは2.624%と、5.3bp上昇した。

7日発表の5月の米雇用統計は非農業部門雇用者数の伸びが大幅に鈍化したほか、賃金上昇率も予想を下回るなど軟調。[nL4N23E1W8]これに加え、連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長によるハト派的な発言を受け、市場では年内利下げの観測が高まった。こうした中、10年債利回りは7日の取引で2017年9月以来の低水準を付けていた。

この日は対メキシコ関税発動回避を受け、金利見通しを敏感に反映するとされる2年債US2YT=RR利回りは1.900%と、5.1bp上昇。長期債利回りの方が大きく上昇したことで利回り曲線はスティープ化し、2年債と10年債US2US10=TWEBの利回り格差は24.3bpに拡大した。

<株式> 続伸して取引を終えた。ダウは2018年5月以来13カ月ぶりの6日続伸を記録した。米国がメキシコへの関税発動を見送ったことで安心感が広がった。

キングスビュー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ポール・ノルテ氏は「メキシコへの関税がなくなったことで急反騰した」と指摘。ただ米中貿易摩擦はなおくすぶっているほか、米利下げに対する過度な楽観もあり、投資家が期待先行で取引していることが気掛かりとした。

ジョーンズトレーディングの首席市場ストラテジスト、マイケル・オルーク氏は「米連邦準備理事会(FRB)が何らかの利下げシグナルを発しなければ、市場が失望する可能性がある」と述べた。

米航空機・機械大手ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX.N)は3.1%安。米防衛機器メーカー、レイセオン(RTN.N)との航空宇宙事業の統合での合意を巡り、トランプ大統領が「若干懸念している」と述べたことが重しとなった。レイセオン株価は0.7%高。[nL4N23G0NG]

米顧客管理ソフト大手セールスフォース・ドットコム(CRM.N)は5.3%安。ビッグデータ分析ツールを手掛けるタブロー・ソフトウエア(DATA.N)を153億ドルで買収することで合意した。タブローは33.7%高となった。[nL4N23H3BM]

メキシコで生産を行っている米自動車株が上昇。米ゼネラル・モーターズ(GM)(GM.N)は1.5%高。メキシコの比重が大きい米アルコール飲料大手コンステレーション・ブランズ(STZ.N)は1.9%高となった。

<金先物> リスク回避の流れが一服する中、9営業日ぶりに反落した。中心限月8月物の清算値は前週末比16.80ドル(1.25%)安の1オンス=1329.30ドル。トランプ米大統領は7日、不法移民対策に関するメキシコとの協議に進展があったとして、同国産品に課すと警告していた制裁関税の発動を「無期限に見送る」と表明。これをきっかけに投資家のリスク回避姿勢が緩み、この日は世界的に株価が上昇、安全資産とされる金塊には売り圧力がかかった。

また、外国為替市場では、米長期金利の持ち直しなどを背景にドルが主要通貨に対して上伸。これもドル建てで取引される金塊の割高感につながり、金相場は未明から朝方にかけて1330ドル台前半を中心とした狭いレンジで軟調に推移した。前週末に約3カ月半ぶりの高値で清算値を確定していた反動から利益確定の売りも出やすかったもようだ。

<米原油先物> 石油輸出国機構(OPEC)主導の協調減産延長をめぐる思惑が交錯して不安定な商いとなる中、米中貿易摩擦に伴う景気悪化懸念などを背景に反落した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値は前週末比0.73ドル(1.35%)安の1バレル=53.26ドルだった。8月物は0.68ドル安の53.48ドルとなった。

ロイター通信によると、サウジアラビアのファリハ・エネルギー産業鉱物資源相はこの日、6月末に期限終了を迎えるOPEC主導の協調減産に関し、ロシアが協調減産延長の必要性について決断できていない唯一の国だと明言。一方、ロシアのノバク・エネルギー相は協調減産が延長されなければ原油価格が1バレル=30ドルに下落する可能性も排除できないとしながらも、OPEC加盟・非加盟の産油国は6月に予定されるイベントがどのような展開をたどるかより深く分析かつ考察する必要があると述べ、今月下旬に予定されている会合での協調減産決定に慎重な見方を示した。その上でノバク氏は、多くの石油輸出国はOPEC加盟国との会合について今月下旬ではなく来月2─4日に開く用意があることを確認していると表明した。これらの発言を受けて、OPEC加盟・非加盟国が7月以降も協調減産を継続するかどうかをめぐって不透明感が広がったことから、昼ごろまではもみ合いが続いていた。

ただ、その後は米中貿易戦争の長期化が世界景気に悪影響を与えるのではないかとの懸念が引き続きくすぶる中、上値の重さを嫌気した売りや利食い売りなどが出たため、相場は午後に入り完全にマイナス圏に沈み込んだ。昼ごろから米株価が上値を削ったことも、同じくリスク資産である原油を圧迫したもようだ。

ドル/円 NY終値 108.43/108.46 JPY21H=

始値 108.60 JPY=

高値 108.67

安値 108.34

ユーロ/ドル NY終値 1.1312/1.1317 EUR21H=

始値 1.1306 EUR=

高値 1.1324

安値 1.1291

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 105*03.50 2.6273% US30YT=RR

前営業日終値 106*10.00 2.5710%

10年債(指標銘柄) 17時05分 102*00.00 2.1501% US10YT=RR

前営業日終値 102*19.00 2.0840%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*12.50 1.9172% US5YT=RR

前営業日終値 100*22.50 1.8510%

2年債(指標銘柄) 17時02分 100*13.38 1.9076% US2YT=RR

前営業日終値 100*17.00 1.8490%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 26062.68 +78.74 +0.30 .DJI

前営業日終値 25983.94

ナスダック総合 7823.17 +81.07 +1.05 .IXIC

前営業日終値 7742.10

S&P総合500種 2886.73 +13.39 +0.47 .SPX

前営業日終値 2873.34

COMEX金 8月限 1329.3 ‐16.8 GCv1<0#GC:>

前営業日終値 1346.1

COMEX銀 7月限 1463.9 ‐39.2 SIv1<0#SI:>

前営業日終値 1503.1

北海ブレント 8月限 62.29 ‐1.00 LCOc1<0#LCO:>

前営業日終値 63.29

米WTI先物 7月限 53.26 ‐0.73 CLc1<0#CL:>

前営業日終値 53.99

CRB商品指数 174.0709 ‐0.3453 .TRCCRB

前営業日終値 174.4162

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