May 31, 2019 / 9:48 PM / 16 days ago

NY市場サマリー(31日)

[31日 ロイター] - <為替> トランプ米大統領がメキシコの移民対策が不十分として同国の輸出品に関税をかける方針を示したことを受け、安全通貨としての円に買いが殺到し、円は対ドルで約1%上昇した。

トランプ大統領は前日、6月10日以降メキシコからの輸入品すべてに5%の関税を課し、移民の流入が止まるまで関税率を段階的に引き上げると表明。[nL4N236563]これを受け、メキシコペソが対ドルで一時3.4%下落し、1日としての下げは昨年10月以来の大きさとなった。

バノックバーン・グローバルフォレックスの首席市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は、トランプ大統領の関税方針を受け「メキシコペソが急落し、市場が全般的に『リスクオフ』となる中で円に買いが入った」と述べた。

世界的な通商を巡る緊張の高まりを受けて他の通貨も安全資産として買われてきたが、円には継続的に買いが入った。この日も安全通貨の中で円が特に選好された。円はドルに対し1.11%高の108.41円。ユーロに対しては0.75%上昇した。5月の円の上昇率は対ドルで2.72%、対ユーロで3.15%となる見通し。

スイスフランにも買いが入り、対ドルで0.69%高の1.0008ドルと、4月10日以来の高値に迫った。

ドルも安全通貨の1つとみなされているものの、この日の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.34%下落。前週は2年ぶりの高水準を付けていた。ドル指数は月初からは0.4%上昇となり、月間ベースでの上昇は4カ月連続となる見通し。

米中貿易戦争の影響は中国の経済指標にも表れ始めており、中国国家統計局が発表した5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は景況拡大と悪化の分かれ目となる50を割り込み、市場予想も下回った。[nL4N2370K7]

一方、この日発表の米経済指標では4月の個人消費支出(PCE)価格指数が前月比0.3%上昇と、2018年1月以来15カ月ぶりの大幅な伸びとなった。[nL4N2373MB]

ただ前日は、連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長が、米経済は良好な位置に付けているとしながらも、景気が悪化すればFRBは政策を調整する用意があるとの見解を表明。[nL4N236452] 米金利先物はFRBが年末までに少なくとも1回の利下げを実施する可能性があることを織り込む水準にある。

ブランデーワイン・グローバルのポートフォリオマネジャー、ジャック・マッキンタイア氏は「ドルは主要な転換点に差し掛かっている可能性がある」との見方を示した。

<債券> 米10年債利回りが1年8カ月ぶりの水準に低下した。トランプ大統領が対メキシコ関税方針を表明したことを受け、リスク回避の動きが見られた。

10年債利回りは一時、2.145%と2017年9月以来の低水準を記録した。

長期債利回りが短期債利回りを下回る「逆イールド」も見られ、3カ月物財務省短期証券(Tビル)と10年債の利回り差の逆転は一時24ベーシスポイント(bp)まで進んだ。利回り逆転は景気後退(リセッション)の前触れとされる。

トランプ氏は30日、メキシコ国境からの不法移民流入に同国が十分に対応していないとし、6月10日以降メキシコからの輸入品すべてに5%の関税を課し、移民の流入が止まるまで関税率を段階的に引き上げると表明した。[nL4N236563]

ソシエテ・ジェネラルの米金利戦略部門責任者、スバドラ・ラジャッパ氏は、対メキシコ関税が「質への逃避」の背景と分析。米中貿易戦争の激化で世界経済成長が阻害されるとの懸念が広がり、債券利回りは今週低下していた。同氏は「世界成長に顕著な悪影響が出る恐れもある」と指摘する。

5月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)が予想以上に悪化したことも、こうした不安につながった。[nL4N2370K7]

4月の米個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.3%上昇して15カ月ぶりの大幅な伸びだったが、個人消費が鈍化し今後の物価の伸びが限定的になることを示唆した[nL4N2373MB]。

CMEグループのフェドウォッチによると、金利先物の取引関係者が織り込む7月の利下げ予想確率は40%と、1週間前の18%から上昇した。12月までの利下げ確率は90%となっている。

<株式> 大幅安で取引を終えた。トランプ米大統領による対メキシコ関税導入表明を受け、貿易戦争がリセッション(景気後退)につながるとの懸念が高まった。

トランプ米大統領は30日、メキシコ国境からの不法移民流入に同国が十分に対応していないとし、6月10日以降メキシコからの輸入品すべてに5%の関税を課し、移民の流入が止まるまで関税率を段階的に引き上げると表明[nL4N236563]。メキシコのロペスオブラドール大統領はトランプ氏に撤回を求めた。[nL4N2374P7]

ベアリングス・インベストメント・インスティテュートのクリストファー・スマート氏は「国家安全保障上の問題に関税を適用している。これは別の話であり、問題だ」と述べた。

S&P500とナスダックは共に3月8日以来となる200日移動平均線割れ。テクニカル上の強固な支持線を下回り、一段安の可能性が示された。

週間ではダウが3.01%安、S&P500が2.62%安、ナスダックが2.41%安。ダウは6週連続安となり、2011年以降で最長となった。

月間ではダウが6.69%安、S&P500が6.58%安、ナスダックが7.93%安。いずれも月間では年初来で初の下げ。S&Pの5月の下落率は2010年以降で最大となった。

米中貿易摩擦を巡る懸念を背景に投資資金は国債に逃避。米指標10年債利回りは一時2.128%に低下し、17年9月以降で最低となった。

S&P主要11セクターのうち、ディフェンシブ業種である公益株と不動産株のみ上昇。一方、8業種は1%を超える下落となった。

米自動車株などが下げをけん引。ゼネラル・モーターズは4.25%安、フォードは2.26%安となった。一般消費財は1.44%安。

中国商務省が31日、中国企業の利益を損ねる「信頼できない」外国企業や団体、個人のリストを作成する方針を示した[nL4N23732F]ことも重しとなり、関税の影響を受けやすい工業株は1.46%となった。

米商務省が31日発表した4月の個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.3%上昇と、2018年1月以来15カ月ぶりの大幅な伸びとなったが、4月は物価が加速する中でも個人消費が鈍化し、今後の物価の伸びが限定的になることを示唆された。[nL4N2373MB]

個別銘柄では米アパレル小売大手ギャップが9.32%安。第1・四半期(5月4日まで)決算は、既存店売上高が予想以上に減少した。[nL4N2364LZ]

メキシコで醸造所事業を展開している米アルコール飲料大手コンステレーション・ブランズは5.79%安。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を2.52対1の比率で上回った。ナスダックでも3.20対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は約77億5000万株。直近20営業日の平均は70億1000万株。

<金先物> 米国発の貿易摩擦が拡大して世界景気が減速するのではないかとの懸念が強まる中、安全資産とされる金が買われ、続伸した。8月物の清算値は前日比18.70ドル (1.45%)高の1オンス=1311.10ドルと、中心限月清算値ベースでは4月10日以来約1カ月半ぶりの高値水準を付けた。

トランプ米大統領は30日、米国への不法移民流入でメキシコが有効な対策を講じていないとして、同国からの輸入品に制裁関税を課す方針を表明した。一方、米中間では既に制裁と報復を繰り返す「貿易戦争」が激化しており、こうした米国発の貿易摩擦拡大が世界経済に悪影響を与えるとの懸念が広がった。投資家のリスク回避姿勢が強まる中、金には「質への逃避」買いが入った。

また、外国為替市場では対ユーロでドル安が先行。ドル建てで取引される金塊などの商品に割安感が生じたことも金買いを後押しした。

金塊現物相場は午後1時40分現在、17.980ドル高の1306.110ドル。

<米原油先物> トランプ米大統領がメキシコに関税を課すと表明したことを受け、両国間で行われている原油などエネルギー製品の輸出入に影響が及ぶのではないかとの懸念が広がる中、急落した。下落は3日連続。

米国産標準油種WTI7月物の清算値は前日比3.09ドル(5.46%)安の1バレル=53.50ドルと、中心限月ベースで2月12日以来約3 カ月半ぶりの安値を付けた。8月物は3.10ドル安の53.46ドルとなった。

トランプ米大統領は30日、メキシコが不法移民対策を講じなければ、同国からの全輸入品に最大25%の制裁関税を課すと表明した。ロイター通信によると、産油国であるメキシコは米国向けに日量60─70万バレルの原油を輸出しており、これらの原油は米国内でガソリンやディーゼル、その他の石油製品に加工されている。一方、メキシコは米国産の原油やエネルギー関連製品を日量100万バレル超も輸入しており、米国にとっては他のどの国よりも重要なエネルギー製品の輸出先となっている。このため、メキシコが米国産のエネルギー製品に関税を課す報復措置を取れば、米国内の在庫がだぶつくのではないかとの懸念が広がった。

一方、中国政府は1日、米国の対中制裁関税拡大に対する報復として、600億ドル相当の米国製品に課している追加関税を最大25%に引き上げた。米中が制裁と報復を繰り返す「貿易戦争」は一向に終息しないどころか、むしろエスカレートしつつあり、二大経済大国による貿易戦争が長期化すれば、エネルギー需要の減退につながるとの懸念も原油相場を下押しした。さらに、この日は米株相場が大幅反落する中、株と並んで同じくリスク資産である原油も売られやすくなり、昼過ぎにかけては一段と下げ足を速めた。

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