[7日 ロイター] - <為替> ニューヨーク外為市場では、税制改革法案が成立するとの楽観的な見方が広がり、ドル指数が2週間ぶりの水準に上昇したほか、対円では3週間ぶり高値を付けた。
前日はトランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認めると正式に発表したことを受け、ドルは下落。ただこの日は株価が世界的に上向いたことなどを背景にドルに対する買戻しが入り、ドル/円JPY=は113.09円と0.7%上昇した。
主要6通貨に対するドル指数.DXYは一時2週間ぶりの高水準となる93.745に上昇。その後は0.2%高の93.773となっている。
ユーロ/ドルEUR=は1.1773ドルと、2週間ぶりの安値を更新。終盤の取引では0.2%安の1.1776ドルとなっている。
市場では8日発表の11月の米雇用統計に注目。フォレックス・ドット・コムの調査部門責任者、ジェームズ・チェン氏は、「予想から大きく外れることがない限り、今回の雇用統計で連邦準備理事会(FRB)が今月利上げを決定するとの方針に大きな影響が及ぶことはない」と予想。ただ、「雇用統計が非常に失望的な結果となれば、FRBの来週の決定、および来年の方針にマイナスの影響が及ぶほか、ドル相場も大きな打撃を受ける」と述べた。
<債券> 米金融・債券市場では、期間が長めの米国債利回りが上昇。リスク選好の高まりに伴い、安全資産とみられる国債への投資妙味が低下した。雇用統計の発表を翌日に控え、短期債利回りはほぼ横ばいで推移。長短期国債の利回り格差は拡大した。
ジェフリーズ&カンパニーのエコノミストは「イールドカーブは過去数カ月間、フラット化が続いており、この日は多少一服しただけに過ぎない。期間が短い銘柄の利回りはすでに上昇しているが、期間が長い銘柄の利回りはかなり低いといえる」と述べた。
2年債US2YT=RRと10年債US10YT=RRの利回り格差は前日、2007年以来の低水準をつけたが、この日は拡大した。
10年債US10YT=RRは10/32安。利回りは2.37%。30年債US30YT=RRは27/32安。利回りは2.76%。2年債US2YT=RRはほぼ変わらず。利回りは1.81%。
週間の新規失業保険申請件数は前週比2000件減の23万6000件と、3週連続で減少。市場予想は24万件だった。
<株式> 米国株式市場は上昇して取引を終えた。フェイスブックFB.OやアルファベットGOOGL.Oなどの大手ハイテク株が主導。カナダのスポーツ衣料大手ルルレモン・アスレティカLULU.Oも前日発表した決算を受けて大幅高となった。
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、投資家のリスク選好意欲が衰えない中、安全資産である金にはテクニカル要因の売りなどが出て反落した。
米税制改革の審議の行方は依然不透明であるものの、年内成立への期待は根強く、この日は米株相場が堅調に推移。新たな手掛かり材料が少ない中、「質への逃避先」である金には売り圧力がかかった。
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、前日の大幅下落を受けて買い戻しが入ったほか、ナイジェリアでの石油業界ストをめぐる懸念などを背景に反発した。
ロイターは、アフリカ最大の石油輸出国ナイジェリアの石油・天然ガス産業中間管理職労組(PE NGASSAN)が従業員の大量解雇を理由に18日から全国ストを決行する恐れがあると報道。ストが実施されれば、同国の原油供給に支障が生じるのではないかとの懸念が広がった。
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」