(株のリポートを追加しました)
[24日 ロイター] -
<為替> ドルが安定的に推移した。市場ではインフレが高止まりした場合に米連邦
準備理事会(FRB)は一段と積極的に対応するのか、探る動きが出ている。
主要6通貨に対するドル指数は91.790と、ほぼ横ばい。
FRBが先週の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ時期の見通しを2024年
から23年に前倒してから、FRB当局者はインフレを巡る様々な見解を表明。この日は
フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁が、米経済が昨年の落ち込みから急速に回復す
る一方、労働市場については一段の改善が必要という認識を示した。
このほか、セントルイス地区連銀のブラード総裁は、米景気回復が今秋にも加速し、
世界経済もこれに続くと予想される中、米国のインフレ率はFRB当局者の現時点での予
想を超えて上昇する可能性があるとの見方を示したほか、ダラス地区連銀のカプラン総裁
は、需給の不均衡が予想以上に長期化する可能性があるため、今年3.4%、来年2.4
%のインフレ率予想には「上振れリスク」があると指摘。ニューヨーク連銀のウィリアム
ズ総裁は、米経済は完全雇用にはなお程遠く、現在は政策金利を変更する時ではないと強
調した。
イングランド銀行(英中央銀行)はこの日まで開いた金融政策委員会で、経済活動の
再開に伴いインフレ率が3%を超えるとの見通しを示したものの、中銀の目標水準を超え
る物価上昇は「一時的」とし、政策金利と資産買い入れ枠を現行水準に維持することを決
定。
これを受け英ポンドは下落し、対ドルで0.26%安の1.3929ドル。
ユーロは対ドルで0.03%高の1.1932ドル。
ドルは対円で一時111.11円と、20年3月以来の高値を付けた。その
後は0.09%安の110.86円。
NY外為市場:
<債券> 米債利回りが狭いレンジで推移した。新規失業保険申請件数が市場予想ほ
ど改善せず、耐久財受注も予想に反して減少したものの、FRBが2023年の利上げ見
通しを変更する要因にはならないとの見方が広がった。
バイデン米大統領は24日、超党派の上院議員らと会合を開き、インフラ投資計画
で合意が得られたと明らかにしたが、債券市場への影響は限られた。
指標10年債利回りはオーバーナイトで1.504%を付けたが、バイ
デン大統領の発表後は1.4868%近辺で推移。2年債利回りは0.268
1%と小幅上昇した一方、30年債利回りは2.0981%に低下した。
イールドカーブ(利回り曲線)はほぼ変わらず。2年債と10年債の利回り差
は前日の122.30ベーシスポイント(bp)から122.60bpにやや拡大
した。
市場は8月下旬にワイオミング州ジャクソンホールで開催されるFRBの経済シンポ
ジウムに注目している。シーポート・グローバル・ホールディングスのマネジングディレ
クター、トム・ディ・ガロマ氏は「10年債利回りはそれまで1.40─1.60%の
間で推移するだろう」と予想した。
財務省が24日実施した620億ドルの7年債入札は最高落札利回りが1.264%
となり、6回の平均である1.084%を上回った。
FRBは、国債を対象とした翌日物リバースレポで8130億ドルの資金を吸収した
。前日の吸収額は過去最高の8136億ドルだった。
米金融・債券市場:
<株式> ナスダック総合指数とS&P総合500種指数が最高値を
更新。ダウ工業株30種も322ドル値上がりした。バイデン大統領が超党派のイ
ンフラ投資計画に同意したことが追い風になった。
大規模な財政刺激策を背景に米経済が回復する中、投資家はさらなる景気回復を後押
しし、株価上昇の支援となるインフラ投資計画での合意に期待してきた。
重機メーカーのキャタピラーと航空機大手ボーイングがともに2%超
値上がりし、ダウを押し上げた。
電気自動車(EV)大手テスラは3.5%上昇し、S&P500の上げを主
導した。イーロン・マスク最高経営責任者は23日、自身が率いる宇宙開発会社スペース
Xの衛星通信事業「スターリンク」について、キャッシュフローが合理的に予測可能にな
った段階で上場する考えを表明。「テスラの長期投資家を優先できるよう最善を尽くす」
と述べた。
ペイパルとフェイスブックも1%超値上がりし、S&Pとナスダック
を押し上げた。
マイクロソフトは0.5%高で終了。終値ベースで時価総額が初めて2兆ド
ルを突破した。
S&P500グロース指数は月初来で約4%上昇。バリュー指数のパフ
ォーマンス(2%安)を上回っている。
S&Pの主要セクターでは情報技術、ヘルスケア、通信サービス<
.SPLRCL>が最高値を更新した。
医薬品大手イーライリリーは7.3%上昇。アルツハイマー病治療薬につい
て、今年中に米食品医薬品局(FDA)の迅速承認を得るための申請を行うと発表した。
これを受け、今月初めにアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」の承認を得たバ
イオジェンは6.1%下落した。
カジノ運営のMGMリゾーツは2.2%高。ドイツ銀行が投資判断を「ホー
ルド」から「バイ」に引き上げた。
通期売上高見通しを引き上げたコンサルティング大手アクセンチュアは2.
1%値上がりした。
米国株式市場:
<金先物> ドルの対ユーロ相場が持ち直す動きとなる中で次第に売りに押され、小
幅反落した。中心限月8月物の清算値(終値に相当)は前日比6.70ドル(0.38%
)安の1オンス=1776.70ドル。
NY貴金属:
<米原油先物> 持ち高調整の売りが先行したものの、米欧のエネルギー需要回復期
待を背景に買い戻しが入り、小幅続伸となった。米国産標準油種WTIの中心限月8月物
の清算値(終値に相当)は、前日比0.22ドル(0.30%)高の1バレル=73.3
0ドル。9月物は0.27ドル高の72.63ドルだった。
朝方は、最近の買いの流れを受けて売りが先行し、一時は72.32ドルまで下落。
ただ売り一巡後は、旺盛な買い支えが入り、朝方の下げ幅を一掃した。
NYMEXエネルギー:
ドル/円 NY終値 110.86/110.89
始値 110.80
高値 110.91
安値 110.70
ユーロ/ドル NY 1.1930/1.1934
終値
始値 1.1944
高値 1.1956
安値 1.1921 米東部時間
30年債(指標銘柄 17時05分 105*30.00 2.1062%
)
前営業日終値 105*25.50 2.1120%
10年債(指標銘柄) 17時05分 101*05.00 1.4987%
前営業日終値 101*08.50 1.4870%
5年債(指標銘柄) 17時00分 99*25.75 0.9150%
前営業日終値 99*27.88 0.9020%
2年債(指標銘柄) 17時01分 99*22.75 0.2700%
前営業日終値 99*23.25 0.2620% 終値 前日比 %
ダウ工業株30種 34196.82 +322.58 +0.95
前営業日終値 33874.24
ナスダック総合 14369.71 +97.98 +0.69
前営業日終値 14271.73
S&P総合500種 4266.49 +24.65 +0.58
前営業日終値 4241.84 COMEX金 8月限 1776.7 ‐6.7
前営業日終値 1783.4
COMEX銀 7月限 2605.0 ‐6.1
前営業日終値 2611.1
北海ブレント 8月限 75.56 +0.37
前営業日終値 75.19
米WTI先物 8月限 73.30 +0.22
前営業日終値 73.08
CRB商品指数 209.5123 +0.2677
前営業日終値 209.2446
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