[10日 ロイター] - <為替> 欧州中央銀行(ECB)が量的緩和策の縮小を加速させる中、ユーロが対 ドルで下落した。また、ドルは堅調な米消費者物価指数(CPI)統計を手掛かりに値上 がりした。 ECBは10日、資産買い入れ策を第3・四半期に終了する方針を表明。インフレ懸 念がロシアのウクライナ侵攻による影響を巡る懸念を上回る中、量的緩和策の縮小を加速 し、利上げに向けた地合いを整えた。 2月の米CPIは前年同月比7.9%上昇。伸びは前月の7.5%から勢いを増し、 1982年1月以来約40年ぶりの高さとなった。 ユーロ/ドルは0.83%安の1.0985ドル。前日は1.6%と約6 年ぶりの高い伸びを記録していた。今週に入ってからは22カ月ぶりの安値となる1.0 804ドルを付けている。 こうした中、米連邦準備理事会(FRB)は来週の連邦公開市場委員会(FOMC) で少なくとも0.25%ポイントの利上げに踏み切るとみられている。 主要通貨に対するドル指数は0.547%高の98.506。 ウクライナのクレバ外相とロシアのラブロフ外相は10日、トルコで侵攻後初めて会 談した。クレバ外相は会談後に記者会見で、停戦の達成で進展はなかったと述べた。[nL3 N2VD2R7] ルーブルは対ドルで1.3%高の118.5ルーブル。ただ、2月中 旬以降では依然36.5%値下がりしている。対ユーロでは1.6%高の 125ルーブル。年初来では32.4%下落している。 暗号資産(仮想通貨)のビットコインは6.02%安の3万9434ドル 。前日は中央銀行が発行するデジタル通貨「デジタルドル」に関する大統領令を好感し、 値上がりしていた。 NY外為市場: <債券> 10年債利回りが約2週間ぶりに2%台に乗せた。2月の米CPI上昇率 が約40年ぶりの高さとなったことを受け、FRBが来週の会合で確実に利上げを決定す るとの見方が出ていることが背景。 CMEのフェドウオッチによると、FRBが15─16日のFOMCで少なくとも2 5ベーシスポイント(bp)の利上げを決定する確率は94%であることが市場で織り込 まれている。 米利上げ観測が高まる中、ECBはこの日の理事会で資産買い入れ策を第3・四半期 に終了する方針を表明。インフレ懸念がロシアのウクライナ侵攻による影響を巡る懸念を 上回る中、量的緩和策の縮小を加速し、利上げに向けた地合いを整えた。 米10年債利回りは6.3bp上昇の2.011%。一時は2.021 %と、2月17日以来の高水準を付けた。 30年債利回りは9.3bp上昇の2.395%。一時は2.42%と 、昨年5月13日以来の水準に上昇した。 2年債利回りは4.1bp上昇の1.719%。一時は1.735%と、 2019年9月20日以来の高水準を付けた。 2年債と10年債の利回り格差は29.0bp。 財務省が実施した200億ドルの30年債入札は、応札倍率が2.46倍。ジェフリ ーズによると平均を大きく上回り、21年9月以来の高水準だった。 米金融・債券市場: <株式> 反落して取引を終えた。2月のCPIが約40年ぶりの高い伸びとなり、 FRBが来週の政策会合で利上げを決定するとの見方が一段と強まった。 ロシアのウクライナ侵攻を巡る不透明感も、売り再開につながった。 ただ主要株価3指数はいずれも、日中安値からは大きく切り返す展開だった。 キングスビュー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ポール・ノ ルテ氏は、株式市場の日々の変動は「経済ニュースよりも地政学的なニュースに左右され ている」と指摘。「(CPIは)予想から大きく外れてはいない」とし、「今後1─2カ 月にはコモディティー(商品)価格の値上がり分が一部織り込まれるため、さらに上昇す るだろう」と述べた。 米国株式市場: <金先物> ウクライナ情勢における先行き不透明が強い中、反発した。4月物の清 算値(終値に相当)は前日比12.20ドル(0.61%)高の1オンス=2000.4 0ドル。ウクライナ情勢の一段の悪化が懸念される中、安全資産とされる金塊の買いが優 勢となった。 NY貴金属: <米原油先物> ウクライナ情勢が世界のエネルギー供給に及ぼす影響を巡り思惑が 交錯する中、続落で終わった。米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に 相当)は前日比2.68ドル(2.47%)安の1バレル=106.02ドルだった。5 月物は2.06ドル安の102.99ドルとなった。 ロシアのプーチン大統領は、米国によるロシア産原油の禁輸措置に対し、ロシアはエ ネルギー供給契約の義務を着実に履行していると述べた。これを受けて、ロシアは今のと ころは欧米の制裁の報復措置としてのエネルギー供給停止は考えていないと受け止められ 、需給逼迫(ひっぱく)への過度の警戒感が和らぎ、売りにつながった。 市場参加者には、130ドルの水準を再び抜けず、テクニカルな売りがかさんだとの 見方もあった。また、外国為替市場では対ユーロでドル高が先行。ドル建てで取引される 商品の割高感につながり、原油の売り圧力となった。 NYMEXエネルギー: ドル/円 NY午後4時 116.11/116.12 始値 115.93 高値 116.19 安値 115.86 ユーロ/ドル NY午後 1.0977/1.0978 4時 始値 1.1040 高値 1.1120 安値 1.0977 米東部時間 30年債(指標銘柄) 16時35分 97*12.00 2.3730% 前営業日終値 98*28.00 2.3020% 10年債(指標銘柄) 16時34分 98*29.50 1.9951% 前営業日終値 99*11.00 1.9480% 5年債(指標銘柄) 16時35分 99*24.00 1.9279% 前営業日終値 99*31.25 1.8800% 2年債(指標銘柄) 16時32分 99*19.25 1.7064% 前営業日終値 99*21.00 1.6780% 終値 前日比 % ダウ工業株30種 33174.07 -112.18 -0.34 前営業日終値 33286.25 ナスダック総合 13129.96 -125.58 -0.95 前営業日終値 13255.55 S&P総合500種 4259.52 -18.36 -0.43 前営業日終値 4277.88 COMEX金 4月限 2000.4 +12.2 前営業日終値 1988.2 COMEX銀 5月限 2625.6 +44.0 前営業日終値 2581.6 北海ブレント 5月限 109.33 ‐1.81 前営業日終値 111.14 米WTI先物 4月限 106.02 ‐2.68 前営業日終値 108.70 CRB商品指数 291.3205 ‐0.7662 前営業日終値 292.0867 (
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