[19日 ロイター] - <為替> ドルが全面安となり2週間ぶりの安値を付けた。ドル高で年初から売られ ていた主要通貨の大半に買いが入った。 世界中の金融市場でボラティリティーが上昇する中、ドルは日本円とスイスフランに 対して急落。スコシア銀行のチーフ為替ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「投 資家はおそらくドルだけで満足せず、リスク分散を図ろうとしている。特に米債利回りの 上昇に伴うドルへの幅広い買いに限界が来ているようだ」と述べた。 ドル指数は1.0%安の102.79と5月5日以来の安値。1日の下落率が 1%を超えたのは今回を含め過去5年間で6回のみ。 ドルは対円で3週間ぶり、対スイスフランで2週間ぶりの安値を付けた。 ユーロは対ドルで1週間超ぶりの高値。欧州中央銀行(ECB)による短期かつ積極 的な引き締め路線の可能性を織り込んだ。 ポンドは対ドルで1.2%高。ただ、インフレ高進と不透明な成長見通しが上値を抑 え、先週付けた2年ぶりの安値に近い水準にとどまった。 暗号資産(仮想通貨)のビットコインは4.7%高の3万0039.31 ドル。 NY外為市場: <債券> 指標10年債利回りが低下し、3週間ぶりの水準に沈んだ。一連の米指標 が低調な内容となったことで、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続 ける中、成長鈍化懸念が強まった。 10年債利回りは一時、4月終盤以来の低水準となる2.772%を付 けた後、終盤の取引では3.3ベーシスポイント(bp)低下の2.851%。 30年債利回りも一時1週間ぶりの低水準となる2.975%を付けた 後、1bp弱低下の3.065%で推移した。 2年債利回りは5.5bp低下し2.603%。 19日発表された一連の米指標は軒並み軟調な内容となった。週間の新規失業保険申 請件数は21万8000件と、予想外に増加し、4カ月ぶりの高水準に達した。一方、継 続受給件数は1969年12月以来の低水準となった。 5月のフィラデルフィア連銀業況指数は2.6と、2020年5月以来2年ぶりの 低水準となった。 4月の中古住宅販売戸数は3カ月連続で減少し、20年6月以来の低水準となった。 住宅在庫不足が続く中、販売価格は過去最高に達した。 米カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁はFRBの利上げ幅について、現時点で は50bpが適切との考えを示し、それを上回る利上げ幅については「非常に異なる状況 を確認する必要がある」とした。 米フェデラル・ファンド(FF)金利先物市場が織り込む、年末の金利水準は2.7 7%。年内の利上げ幅は計約193bpとみられている。 財務省が実施した140億ドルの10年物インフレ連動債(TIPS)入札はさえな い結果に終わった。最高落札利回りは0.232%と、入札前取引(WI)の水準を下回 った。需要の目安となる応札倍率は2.24倍と、18年7月以来の低水準となった。 既発10年物TIPS利回りは6bp上昇の0.208%で推移した 。 米金融・債券市場: <株式> 不安定な取引の中、続落して終了した。市場ではインフレと利上げに対す る懸念が払拭されていない。 ネットワーク機器大手のシスコシステムズのほか、半導体大手ブロードコム やアップルなどが売られ、S&P総合500種の重しになった。 シスコは13.7%急落。前日発表した第3・四半期(2─4月)決算は中国のロッ クダウン(都市封鎖)やウクライナ情勢の影響を受けて売上高が予想を下回り、2022 年度の利益見通しを引き下げた。 アップルは2.5%、ブロードコムは4.3%、それぞれ下落した。 ツイッターは1.2%高。同社幹部が従業員に対し、イーロン・マスク氏に よる買収は予想取り進んでおり、買収価格の再交渉は行わないと伝えたとの報道を好感し た。 小売企業が物価上昇による消費者の購買力低下に直面する中、S&P主要消費財指数 は2%下落し、12月以来の低水準となった。 この日は百貨店のコールズが高インフレを背景に通期の業績予想を下方修正 した。ただ、前日にターゲットの軟調な決算を受けて11%急落していたことか ら、この日は4%超反発した。 米国株式市場: <金先物> 対ユーロでのドル下落に伴う割安感を背景に買いが先行し、反発した。 中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比25.30ドル(1.39%)高の1オ ンス=1841.20ドルだった。 この日の外国為替市場では、ドルが対ユーロで下落。ドル建て商品である金塊の割安 感が強まり、買いが優勢となった。相場は朝方からじりじりと上昇し、1848.20ド ルの高値を付けた。終盤にかけても堅調な流れが続いた。 NY貴金属: <米原油先物> 低調な米経済指標を受けて売りが先行したものの、ドル安を追い風 に買い戻しが入り、3日ぶりに反発した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算 値(終値に相当)は、前日比2.62ドル(2.39%)高の1バレル=112.21ド ル。7月物は2.85 ドル高の109.89ドルだった。 景気悪化懸念が強まる中、原油売りが膨らみ、相場は一時105.13ドルまで下落 したが、安値圏では旺盛な買い戻しが入り、下げ幅を一掃した。 NYMEXエネルギー: ドル/円 NY終値 127.80/127.83 始値 127.72 高値 127.97 安値 127.04 ユーロ/ドル NY 1.0586/1.0590 終値 始値 1.0526 高値 1.0607 安値 1.0514 米東部時間 30年債(指標銘柄 17時05分 96*19.00 3.0491% ) 前営業日終値 96*05.50 3.0710% 10年債(指標銘柄) 17時05分 100*10.50 2.8370% 前営業日終値 99*29.50 2.8840% 5年債(指標銘柄) 17時05分 99*19.25 2.8367% 前営業日終値 99*11.25 2.8910% 2年債(指標銘柄) 17時05分 99*25.25 2.6115% 前営業日終値 99*21.88 2.6670% 終値 前日比 % ダウ工業株30種 31253.13 -236.94 -0.75 前営業日終値 31490.07 ナスダック総合 11388.50 -29.66 -0.26 前営業日終値 11418.15 S&P総合500種 3900.79 -22.89 -0.58 前営業日終値 3923.68 COMEX金 6月限 1841.2 +25.3 前営業日終値 1815.9 COMEX銀 7月限 2190.8 +36.4 前営業日終値 2154.4 北海ブレント 7月限 112.04 +2.93 前営業日終値 109.11 米WTI先物 6月限 112.21 +2.62 前営業日終値 109.59 CRB商品指数 313.7472 +4.3786 前営業日終値 309.3686 (
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