[22日 ロイター] -
<為替> ニューヨーク外為市場で、ドル指数が小幅高で推移。米国の新型コロナウ
イルス追加経済対策を巡る期待が後退したほか、世界的なコロナ感染者の増加を受け、安
全資産を求める動きがやや広がった。
週間の新規失業保険申請件数は78万7000件と、前週の84万2000件から減
少したものの、依然として高止まり、コロナ禍からの回復の遅れがあらためて浮き彫りと
なった。
民主党のペロシ下院議長は、追加のコロナ経済対策を巡る政権との協議は進展してお
り、同法案が「非常に近く」まとまる可能性があると語った。
FXストリート・ドットコムのシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサーニ氏は「コ
ロナ対策を巡る一進一退の動きに市場はやや閉口している。選挙を前に与野党が大幅に譲
歩するとは考えにくい」と述べた。
ドルは通貨バスケットに対し0.22%高の92.932。
欧州ではコロナ感染者数が再び最多を記録しており、スペインは欧州で初めて累計感
染者数が100万人を突破した。
ユーロ/ドルは0.35%安の1.1820ドル。BKアセットマネジメント
のマネジングディレクター、キャシー・リアン氏は「コロナ感染者の増加や、欧州中央銀
行(ECB)に利下げしか選択肢がないことを踏まえると、ユーロの動きは不相応に底堅
い」とした。
ポンド/ドルは0.47%安の1.3082ドル。
豪ドルは0.01%安の0.7116ドル。ニュージーランドドル
は0.44%高の0.6680ドル。
オフショア人民元は0.43%安の6.6712元で推移。中国当
局が急激な元高への懸念を強めていることが背景。
NY外為市場:
<債券> 米金融・債券市場では、10年債利回りが4カ月ぶり水準に上昇し、利回
り格差も拡大した。新たな景気刺激策でホワイトハウスと議会の合意が近づいているとの
期待が高まった。
民主党のペロシ下院議長は22日、追加の新型コロナウイルス経済対策を巡る政権と
の協議は進展しており、法案が「非常に近く」まとまる可能性があると語った。[nL4N2HD
3TY]
今週の相場は刺激策を巡る協議に左右されており、近く合意がまとまるとの見方で利
回りが上昇した。
カンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャスティン・レデラー氏は
、「現時点ではニュースが相場をけん引している」と述べた。
すぐに合意しなくても、11月3日の大統領選後にまとまるという見方が市場では大
勢。また、民主党が上院で過半数を獲った場合、さらに大規模な対策を打ち出すとみられ
ている。
10年債利回りは一時0.853%と、6月9日以来の水準に上昇。2
年債との利回り格差も6月8日以来の70ベーシスポイント(bp)に拡
大した。
アナリストは、経済の低迷が続いており、世界的に利回りに対する需要が高まってい
ることから、国債利回りの大幅な上昇は制限される可能性があると指摘する。
また米連邦準備理事会(FRB)は、経済成長を上回る利回り上昇が見込まれる場合
には、より長期の国債購入にシフトすると予想されている。
米労働省がこの日発表した17日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)
は予想を超えて減少し、利回りを小幅に押し上げる要因になった。
また、170億ドルの5年物インフレ指数連動債(TIPS)入札は堅調な需要を集
めた。
米金融・債券市場:
<株式> 米国株式市場は反発して取引を終えた。指標で労働市場の回復鈍化が示さ
れたほか、追加の新型コロナウイルス経済対策への期待が高まる中、不安定な展開となっ
た。
今週の米株市場は、追加刺激策の協議を巡るニュースに左右されている。
民主党のペロシ下院議長は22日、追加の新型コロナウイルス経済対策を巡る政権と
の協議は進展しており、同法案が「非常に近く」まとまる可能性があると語った。[nL4N2
HD3TY]
一方、国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は、「重要な政策の相違」が残って
いるとし、11月3日の大統領選前に解消されそうにないと警告した。
ハーベスト・ボラティリティー・マネジメントのトレーディング責任者、マイク・ジ
グモント氏は、こうした景気刺激策のうわさに市場が慣れてきたと述べ、「新しいうわさ
は以前よりも影響が小さくなっているようだ」と指摘。また、追加刺激策が新たな強気ト
レンドにつながるか確信できないとも語った。
米労働省が22日発表した17日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)
は78万7000件と、前週の84万2000件から減少したものの、依然として高止ま
りし、新型コロナウイルス禍からの回復の遅れがあらためて浮き彫りとなった。[nL4N2HD
3RV]
セクター別では、エネルギー株が4.16%高、金融株が1.88%
高と上昇率が大きかった。
市場では、この日夜に行われる最後の大統領候補討論会に注目が集まっている。
企業決算については、これまでにS&P総合500種採用企業の約5分の1が発表。
リフィニティブによると、84.1%が予想を上回った。
電気自動車大手テスラは0.7%高で終了。前日発表した第3・四半期決算
は、売上高が過去最大の約88億ドルに伸び、5四半期連続の黒字になった。[nL4N2HC4U
Q]
飲料大手コカ・コーラは1.4%高。この日発表した第3・四半期決算は、新
型コロナの影響で売上高が引き続き減少したものの、市場予想ほど落ち込まなかったほか
、利益も予想を上回った。
素材科学のダウは四半期利益が予想を上回ったものの、0.6%下落した。
製薬のギリアド・サイエンシズは引け後の時間外取引で3%超上昇。米食品
医薬品局(FDA)が、同社の抗ウイルス薬「レムデシビル」を新型コロナ感染症で入院
を必要とする患者の治療薬として承認した。
米国株式市場:
<金先物> 対ユーロでのドル高を背景に売られ、反落した。中心限月12月物の清
算値(終値に相当)は前日比24.90ドル(1.29%)安の1オンス=1904.6
0ドル。
外国為替市場では、対ユーロでドル高が進行し、ドル建てで取引される金塊などの商
品の割高感が生じ、金の売り圧力となった。また、朝方発表された米新規失業保険申請件
数は前週比5万5000件減の78万7000件と、市場予想(ロイター通信調べ)の8
6万件より良好な内容となった。これを受けて、投資家のリスク回避姿勢が後退し、安全
資産としての金が売られた面もあった。
市場は11月3日の大統領選挙に注目。市場関係者の間には、大統領選が終わるまで
は横ばいでの取引が続くとの見方もある。
NY貴金属:
<米原油先物> エネルギー需要の回復期待を手掛かりに買い戻しが入り、反発した
。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.61
ドル(1.52%)高の1バレル=40.64ドル。1月物は0.63ドル高の40.9
4ドルだった。
米労働省が朝方発表した17日までの1週間の新規失業保険申請件数は78万700
0件となり、前週から5万5000件減少。市場予想(ロイター通信調べ)の86万件に
比べて少なく、米国内で新型コロナウイルス感染が拡大した3月中旬以来の低水準にとど
まった。これが景気回復への期待につながり、エネルギー需要が改善する可能性があると
の見方を受けて相場はじりじりと上昇。12月物は午前中に一時41.02ドルの高値を
付けた。
しかし、その後は上値が重くなり、40ドル台半ばから同後半の水準でもみ合う展開
。前日に大幅下落した反動で買い戻しが入りやすかったものの、米追加経済対策の早期実
現見通しが後退しているほか、新型コロナの感染者数が米欧などで急増していることから
、投資家の慎重姿勢も根強かった。
NYMEXエネルギー:
ドル/円 NY終値 104.82/104.85
始値 104.71
高値 104.92
安値 104.57
ユーロ/ドル NY終値 1.1816/1.1820
始値 1.1829
高値 1.1836
安値 1.1813 米東部時間
30年債(指標銘柄) 16時58分 92*27.50 1.6805%
前営業日終値 94*00.50 1.6290%
10年債(指標銘柄) 16時58分 97*25.00 0.8613%
前営業日終値 98*06.50 0.8160%
5年債(指標銘柄) 16時59分 99*11.75 0.3795%
前営業日終値 99*16.25 0.3510%
2年債(指標銘柄) 16時59分 99*30.13 0.1553%
前営業日終値 99*30.50 0.1490% 終値 前日比 %
ダウ工業株30種 28363.66 +152.84 +0.54
前営業日終値 28210.82
ナスダック総合 11506.01 +21.31 +0.19
前営業日終値 11484.69
S&P総合500種 3453.49 +17.93 +0.52
前営業日終値 3435.56 COMEX金 12月限 1904.6 ‐24.9
前営業日終値 1929.5
COMEX銀 12月限 2470.9 ‐53.2
前営業日終値 2524.1
北海ブレント 12月限 42.46 +0.73
前営業日終値 41.73
米WTI先物 12月限 40.64 +0.61
前営業日終値 40.03
CRB商品指数 151.7671 +0.7265
前営業日終値 151.0406
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