[25日 ロイター] - <為替> ドルが主要通貨に対し上昇。株式市場のボラティリティーが世界的に高ま ったことで、高リスク通貨に対する需要が後退し、安全通貨と見なされるドルに買いが入 った。 この日の米株式市場では、バイデン新政権下で策定される追加的な景気支援策の規模 や策定時期を巡る懸念から、主要指数が一時1%を超えて下落。ただその後は下げ幅を縮 小し、ほぼ横ばいとなるなど、株価は大きく揺れ動いた。 主要6通貨に対するドル指数は0.19%高の90.396。一時は90.5 23と、今月20日以来の高水準を付けた。 ユーロは対ドルで約0.28%安。ドイツのIFO経済研究所が発表した1月の業況 指数は90.1と、予想以上に落ち込み、新型コロナウイルスの感染拡大で景気回復が頓 挫した可能性が示唆された。 高リスク通貨の一つと見なされる豪ドルは対米ドルで0.16%下落 した。 米連邦準備理事会(FRB)は26─27日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開 催。パウエル議長は大規模な景気刺激策を当面維持すると表明するとみられており、ドル 安につながる可能性がある。 NY外為市場: <債券> 米債価格が上昇し、長期債利回りが3週間ぶりの低水準となった。新型コ ロナ感染拡大やロックダウン(都市封鎖)措置の長期化による経済的影響が引き続き懸念 される中、リスク選好度が低下した。 10年、20年、30年債利回りはいずれも3週間ぶりの低水準を付けた。 長期債利回りの低下に伴いイールドカーブはフラット化。2年債と10年債の利回り 差は91.50ベーシスポイント(bp)に縮小し、3週間ぶりの水準と なった。 午後の取引で、指標10年債利回りは前週末終盤の1.091%から1 .044%に低下。一時1.038%と7日以来の低水準を付けた。 30年債利回りは1.856%から1.8%に低下。一時1.791% と3週ぶりの低水準を付けた。 20年債利回りも3週間ぶりの低水準を付けた。終盤は1.608%。 2年債利回りは0.12%と前週末の0.125%からやや低下した。 10年物インフレ指数連動債(TIPS)利回りは昨年12月末以来 の低水準。終盤は2.015%。前週末は2.017%だった。 財務省が25日に実施した600億ドルの2年債入札は最高落札利回りが0.125 %と発行日前(WI)取引の水準を下回り、堅調な内容となった。応札倍率も2.67倍 と平均の2.52倍を上回ったほか、外国中銀など間接入札者の割合が56.6%と平均 の50.6%を上回った。 投資家は今週のFOMCに注目。BMOはノートで「政策当局者が実質ゼロ金利維持 や現行ペースでの量的緩和政策継続に引き続き言及していることを考慮すると、タカ派的 なサプライズは乏しい」とした。 米金融・債券市場: <株式> 主要株価指数が日中高値から押し戻されて取引を終えた。財政刺激策の規 模やタイミングを巡る懸念が高まり、主要企業の決算発表を控えた楽観ムードを圧迫。 バイデン米政権は新型コロナウイルス経済対策について、1兆9000億ドルという 全体の規模が大き過ぎるとの共和党議員からの懸念の払拭に努めている。[n L4N2K03S8] テミス・トレーディングの共同マネジャー、ジョー・サルッジ氏は「市場を支えてい るのは刺激策だ。それが急になくなれば問題だが、そのようなことはしないだろう」と述 べた。 ナスダック総合は一時、1.4%急伸し最高値を付けた。先週発表されたネ ットフリックスの好決算を受けて、マイクロソフト、フェイスブック<F B.O>、アップルが上昇した。 米国株式市場: <金先物> ドル高・ユーロ安に伴う割高感から売られ3営業日続落し。中心限月2 月物の清算値(終値に相当)は前週末比1.00ドル(0.05%)安の1オンス=18 55.20ドル。 外国為替市場ではドルが対ユーロで買われ、ドル建てで取引される金塊は割高感に圧 迫された。ただ、26─27日のFOMCを控えて様子見ムードが広がっているほか、バ イデン米政権と議会による1兆9000億ドル規模の新型コロナウイルス経済対策案を巡 る協議の行方を見極めたいとの思惑も強く、下値は限定的だった。 NY貴金属: <米原油先物> 売り買い交錯でやや荒い値動きとなったものの、午後に買い戻しが 優勢となり、3営業日ぶりに反発。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値(終 値に相当)は、前週末比0.50ドル(0.96%)高の1バレル=52.77ドル。4 月物は0.48ドル高の52.67ドルだった。 新型コロナワクチンの生産と効果的な供給を最重要事項と位置付けるバイデン新政権 は24日、追加経済対策を急ぐ方針で米議会と一致。また、イラクによる1月と2月の産 油量削減計画やリビア産原油の一部停止の報を受けて需給引き締まり観測が台頭し、相場 は早朝に一時52.88ドルまで上昇した。 しかし、世界的な新型コロナ感染拡大に伴う景気回復の遅れへの懸念は根強く、25 日朝の米株式市場で売りが先行。同じくリスク資産である原油先物も連れ安となり、午前 に一時52ドルを割り込む場面があった。ただ、その後はじりじりと買い戻しが進み、プ ラス圏に切り返す展開。石油輸出国機構(OPEC)などで構成されるOPECプラスの 協調減産合意について、1月のこれまでの平均順守率が85%に達しているとの報告など が好感されたもよう。 NYMEXエネルギー: ドル/円 NY午後4時 103.76/103.77 始値 103.80 高値 103.93 安値 103.71 ユーロ/ドル NY午後 1.2140/1.2143 4時 始値 1.2156 高値 1.2159 安値 1.2117 米東部時間 30年債(指標銘柄) 16時42分 96*02.00 1.7962% 前営業日終値 94*23.00 1.8560% 10年債(指標銘柄) 16時32分 98*17.00 1.0329% 前営業日終値 98*00.00 1.0910% 5年債(指標銘柄) 16時42分 99*27.00 0.4070% 前営業日終値 99*22.75 0.4340% 2年債(指標銘柄) 14時52分 100*00.25 0.1209% 前営業日終値 100*00.00 0.1250% 終値 前日比 % ダウ工業株30種 30960.00 -36.98 -0.12 前営業日終値 30996.98 ナスダック総合 13635.99 +92.93 +0.69 前営業日終値 13543.06 S&P総合500種 3855.36 +13.89 +0.36 前営業日終値 3841.47 COMEX金 2月限 1855.2 ‐1.0 前営業日終値 1856.2 COMEX銀 3月限 2548.4 ‐7.2 前営業日終値 2555.6 北海ブレント 3月限 55.88 +0.47 前営業日終値 55.41 米WTI先物 3月限 52.77 +0.50 前営業日終値 52.27 CRB商品指数 174.4353 +1.5870 前営業日終値 172.8483 (
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