[26日 ロイター] - <為替> ドルが全面安となった。前日から一転し、この日はよりリスクの高い通貨 への選好度が高まった。 新型コロナウイルスの感染拡大や27日までの連邦公開市場委員会(FOMC)を控 え、このところリスク選好度は後退していた。 ドル指数は0.22%安の90.143。一時は90.614まで上昇し、2 0日以来の高値を付けた。 コンファレンス・ボード(CB)が26日発表した1月の米消費者信頼感指数は89 .3と、前月の87.1から上昇。上昇したものの、新型コロナ懸念は払拭されておらず 、感染拡大前の昨年2月の132.6と比べるとはるかに低い水準にある。 今回のFOMCでは政策変更は予想されておらず、新たな経済見通しの発表も予定さ れていない。 市場はバイデン大統領が提案した1兆9000億ドルの新型コロナ救済法案にも注目 。米民主党上院トップのシューマー院内総務は26日、上院で共和党から支持を得られな ければ、民主党のみで法案成立に向け行動するという考えを示した。 ユーロは上昇したが、今年の欧州連合(EU)経済が予想ほど回復しない兆候 も出ていることから、上げは小幅だった。 リスク選好に敏感なオーストラリアドルは対ドルで0.52%高、ニュージ ーランドドルは0.61%高。 英ポンドは対ドルで0.46%上昇した。 NY外為市場: <債券> 米追加景気対策の行方や新型コロナウイルスワクチン展開への不安が根強 い中、国債利回りがまちまちの動きとなった。 2年債と10年債の利回り格差は91.30ベーシスポイント(bp) にやや拡大した。 シティの金利ストラテジスト、マイク・チャン氏は、実際の経済対策規模が6000 億─1兆ドルと、予定の1兆9000億ドルを大幅に割り込む恐れがあるとした上で、「 規模だけでなくタイミングも問題で、可決されるのにどれだけ時間がかかるか不透明だ」 と指摘した。 10年債利回りは1.036%と、前日の1.04%から低下。一時1 .026%と今月6日以来の低水準を付けた。 BofA証券は26日付の調査リポートで「われわれが景気サイクルにおける拡張局 面の初期にあることは明白だ」と指摘。「米連邦準備理事会(FRB)がしっかりと政策 を据え置く中、イールドカーブは弱気な傾斜化(ベアスティープニング)が進むと予想さ れ、ファンダメンタルズ(基礎的条件)の改善が期間長めの債券への弱気姿勢を後押しし 、期間短めの債券は米連邦準備理事会(FRB)の政策によって固定されるだろう」とし た。また、サイクルの初期局面では、10年債利回りが1.75─2%のレンジで推移し 、2年債と10年債の利回り格差は150bpに拡大すると予想した。 30年債利回りは1.801%と、前日の1.799%から上昇。一時 3週間ぶりの水準となる1.786%に低下する場面も見られた。 2年債利回りは0.127%から0.123%に低下した。 この日行わわれた5年債入札は、まちまちの結果となった。最高利回りが0.424 %と、入札前取引の水準よりも良好となる一方、応札倍率は2.34倍と、前月の2.3 9倍や平均の2.47倍に届かなった。流通市場では5年債利回りが0.40 8%に小幅低下した。 米金融・債券市場: <株式> S&P総合500種とナスダック総合が最高値から下落し て取引を終えた。投資家が決算内容を消化する中、FOMCの結果を控え、値動きは抑制 された。 ダウ工業株30種は、複合企業スリーエム(3M)などの上昇に支え られた。同社は新型コロナウイルスの感染が拡大する中、コスト削減のほか、使い捨て保 護マスクや消毒剤などの需要が寄与し、四半期利益が予想を上回った。 医薬品・日用品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も株価が上 昇。同社は新型コロナワクチンの臨床試験(治験)データを来週初めに報告すると明らか にした。 リフィニティブのデータによると、26日午前までに2020年第4・四半期決算を 発表したS&P総合500種採用企業84社のうち、利益がアナリスト予想を上回った企 業の割合は86.9%となっている。 米国株式市場: <金先物> 27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策発表を控え、売 りに押されて4営業日続落。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比4.30ド ル(0.23%)安の1オンス=1850.90ドル。 外国為替市場ではドル売り・ユーロ買いが優勢となり、ドル建てで取引される金塊は 割安感から買いが先行。ただ、27日午後にFOMCの声明発表やパウエルFRB議長に よる記者会見を控えて様子見ムードが強く、金は次第に売り戻されマイナス圏に沈んだ。 NY貴金属: <米原油先物> 中国などでの新型コロナウイルス感染再拡大を背景とした需要減退 懸念が重しとなり、反落。米国産標準油種WTIの中心限月3月物の清算値(終値に相当 )は、前日比0.16ドル(0.30%)安の1バレル=52.61ドル。4月物は0. 15ドル安の52.52ドルだった。 石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の1 月の協調減産順守率が現時点までで平均85%と、前月の75%から改善したとの報がな お支援要因となり、売りを抑えた。 市場の次の注目材料は、26日夕と27日午前に発表される官民の米在庫週報。市場 予想(ロイター調査)によると、22日までの原油在庫は前週比40万バレル増、ガソリ ン在庫は180万バレル増と、ともに積み増しが見込まれている。半面、ディスティレー ト(留出油)は40万バレルの小幅な取り崩しとなったもよう。 NYMEXエネルギー: ドル/円 NY午後4 103.58/103.61 時 始値 103.77 高値 103.78 安値 103.56 ユーロ/ドル NY 1.2167/1.2169 午後4時 始値 1.2136 高値 1.2175 安値 1.2137 米東部時間 30年債(指標銘柄 16時34分 96*05.50 1.7913% ) 前営業日終値 96*00.00 1.7990% 10年債(指標銘柄) 16時28分 98*16.50 1.0347% 前営業日終値 98*15.00 1.0400% 5年債(指標銘柄) 16時28分 99*26.75 0.4087% 前営業日終値 99*26.50 0.4100% 2年債(指標銘柄) 16時19分 100*00.25 0.1211% 前営業日終値 99*31.88 0.1270% 終値 前日比 % ダウ工業株30種 30937.04 -22.96 -0.07 前営業日終値 30960.00 ナスダック総合 13626.07 -9.93 -0.07 前営業日終値 13635.99 S&P総合500種 3849.62 -5.74 -0.15 前営業日終値 3855.36 COMEX金 2月限 1850.9 ‐4.3 前営業日終値 1855.2 COMEX銀 3月限 2553.8 +5.4 前営業日終値 2548.4 北海ブレント 3月限 55.91 +0.03 前営業日終値 55.88 米WTI先物 3月限 52.61 ‐0.16 前営業日終値 52.77 CRB商品指数 175.4223 +0.9870 前営業日終値 174.4353 (
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