(表を更新し、株のリポートを追加しました。) [27日 ロイター] - <為替> ドルが上昇。新型コロナウイルスの先行きが不透明な中、米連邦準備理事 会(FRB)が景気回復ペースを巡って懸念を示したことから投資家の間で警戒感が広が り、安全とみられるドルが買われた。 株式市場では売りが膨らみ、ダウ工業株30種は600ドル以上値下がりした 。 FRBはこの日発表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、経済活動と雇用の 回復ペースがここ数カ月で鈍化したとの認識を示し、感染拡大で最も大きな痛手を受けた 部門に脆弱性が集中していると指摘。公衆衛生を巡る危機が引き続き経済活動、雇用、イ ンフレの重しになり、経済見通しに対する大きなリスクになると表明した。 ドルは通貨バスケットに対し0.53%高の90.636。一時90.896 と今月18日以来の高値を付けた。 ユーロ/ドルは0.48%安の1.2101ドル。ドイツ政府は、今年の経済 成長率見通しを3.0%と昨秋時点の4.4%から大幅に引き下げた。 豪ドルは1.08%安の0.7664ドル。一時0.7642ドル と今月4日以来の安値を付けた。 ポンドは対ユーロで8カ月ぶり高値を更新。英国でのワクチ ン展開が欧州連合(EU)よりも進んでいることが材料視された。 暗号資産(仮想通貨)のビットコインは値下がりし、一時3万ド ルを割り込んだ。その後は5.6%安の3万0686ドル。今月8日に付けた4万200 0ドルからは27%下げているが、昨年10月中旬の水準からはなお約174%値上がり している。 NY外為市場: <債券> 国債利回りがおおむね低水準で推移した。FRBはこの日までの2日間の 日程で開いたFOMCで政策維持を決定すると同時に、景気回復ペースの鈍化を指摘し、 超緩和策の維持を改めて確約した。 FOMC声明の発表直後に国債利回りはやや上昇したが、その後は元の水準に戻した 。 キャピタル・エコノミクスのチーフ米国エコノミスト、ポール・アッシュワース氏は 「FRBは来年初旬まで資産買い入れ規模の縮小に着手しないと考えている。また、最初 の利上げは2024年まで遅れる可能性があるとみている」と述べた。 午後の取引で10年債利回りは1.009%と、前日の1.04%から 低下。一時は1.001%と、1月6日以来の低水準を付けた。 30年債利回りは1.776%と、前日の1.802%から低下。一時 は1.761%と、3週間ぶり低水準を付けた。 2年債利回りは0.119%。一時は0.115%と、3週間ぶり低水準 を付けた。 利回り曲線は平坦化し、2年債と10年債の利回り格差は88.40 ベーシスポイント(bp)と、約3週間ぶりの水準に縮小した。 米金融・債券市場: <株式> 下落して取引を終了。過去3カ月で最大の下落率となった。ボーイングの 下げやヘッジファンドの売り持ち解消に圧迫される中、終盤にFOMC声明を受けて下げ 幅を拡大した。 ビデオゲーム販売のゲームストップと映画館チェーン大手AMCエンターテ インメント・ホールディングスは2倍超に上昇。個人投資家が引き続き買いを入 れる中、シトロンやメルビンキャピタルなど空売り勢が損切りの買い戻しに走る状況とな った。 プリンシパル・グローバル・インベスターズのチーフストラテジスト、シーマ・シャ ー氏は「新型コロナを巡る状況やワクチン接種が進んでいないことを踏まえると、米経済 は第1・四半期に失速する見通しだ」と指摘した。 主要株価3指数はいずれも昨年10月28日以来最大の下落率を記録し、S&P総合 500種は年初来でマイナス圏に転落した。 航空機大手ボーイングは3.97%安となり、ダウ工業株30種の下げ を主導。同社が27日発表した2020年第4・四半期決算は、純損益が84億4000 万ドルの赤字となり、20年通年の赤字も過去最大の119億4000万ドルに拡大した 。 マイクロソフトは前日発表した決算が好調だったことを受けて上昇したが、 市場全般の下落に圧迫され上げ幅を縮小し、0.25%高で引けた。 米国株式市場: <金先物> ドル高に伴う割高感に圧迫され、5営業日続落。中心限月2月物の清算 値(終値に相当)は前日比6.00ドル(0.32%)安の1オンス=1844.90ド ル。 外国為替市場ではドルが対ユーロで買われ、ドル建てで取引される金は割高感から売 られた。また、バイデン米大統領が提案した1兆9000億ドル規模の新型コロナウイル ス経済対策案を巡って、野党共和党が財政悪化への懸念から反対しており、早期合意に対 する期待が薄れていることも金相場を下押しした。一方、この日午後に発表されたFOM C声明に対する市場の反応は限定的だった。 NY貴金属: <米原油先物> 米エネルギー情報局(EIA)の週間統計で、原油在庫の大幅な取 り崩しが示されたことを受けて買われ、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月3月 物の清算値(終値に相当)は、前日比0.24ドル高の1バレル=52.85ドルだった 。4月物の清算値は0.21ドル高の52.73ドルだった。 EIAが発表した統計では、原油在庫が前週比990万バレル減と、市場予想(ロイ ター調査)の40万バレル増に反して大幅な取り崩しとなった。これを受けて、需給緩和 懸念が後退し、原油が買われた。ガソリン在庫は250万バレル増(市場予想180万バ レル増)、ディスティレート(留出油)は80万バレル減(同40万バレル減)だった。 ただ、世界的な新型コロナウイルスの感染再拡大による景気回復の遅れに警戒感が広 がる中、エネルギー需要見通しに対する不安は根強く、相場の上値は限定的だった。 NYMEXエネルギー: ドル/円 NY終値 104.09/104.12 始値 103.83 高値 104.19 安値 103.81 ユーロ/ドル NY終 1.2108/1.2112 値 始値 1.2115 高値 1.2128 安値 1.2058 米東部時間 30年債(指標銘柄) 17時05分 96*20.00 1.7712% 前営業日終値 95*30.00 1.8020% 10年債(指標銘柄) 17時05分 98*23.00 1.0127% 前営業日終値 98*15.00 1.0400% 5年債(指標銘柄) 17時05分 99*26.50 0.4098% 前営業日終値 99*23.88 0.4270% 2年債(指標銘柄) 17時05分 100*00.38 0.1191% 前営業日終値 100*00.00 0.1250% 終値 前日比 % ダウ工業株30種 30303.17 -633.87 -2.05 前営業日終値 30937.04 ナスダック総合 13270.60 -355.47 -2.61 前営業日終値 13626.07 S&P総合500種 3750.77 -98.85 -2.57 前営業日終値 3849.62 COMEX金 2月限 1844.9 ‐6.0 前営業日終値 1850.9 COMEX銀 3月限 2538.9 ‐14.9 前営業日終値 2553.8 北海ブレント 3月限 55.81 ‐0.10 前営業日終値 55.91 米WTI先物 3月限 52.85 +0.24 前営業日終値 52.61 CRB商品指数 175.3320 ‐0.0903 前営業日終値 175.4223 (
私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」