[25日 ロイター] - <為替> ドル指数が小幅高。一時7週間ぶり安値に沈んだものの、米指標10年債 利回りが一時1.6%を上抜けたことに反応した。 終盤の取引で、ドル指数は0.13%高。一時0.26%下落し、1月8日以 来の安値となる89.677を付ける場面もあった。 UBSの為替ストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「債券利回り上昇は世界 的な動き」とし、「パンデミック(世界的大流行)終息後の堅調な景気回復見通しを反映 している」と指摘した。 米労働省が発表した20日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は 73万件と、前週の84万1000件から減少し、予想の83万8000件も下回った [ nL4N2KV4NG] 豪ドル、ニュージーランドドル、カナダドルなどの資源国通貨は 自国債利回りの上昇に追随し、一時3年ぶり高値を付けたものの、いずれも下げに転じた 。 豪ドル/米ドルは一時0.8007米ドルに上昇。その後は1%安の0.7882米 ドル。NZドルも0.7463米ドルを付けた後、0.8%安で推移。カナダドルも一時 、1米ドル=1.2468カナダドルまで上昇した。 ユーロ/ドルは一時、0.5%上昇し、3週間ぶり高値を更新。その後は 上げ幅を縮小し、0.04%高の1.2175ドル近辺で推移した。 安全資産の円も弱含み、ドル/円は106.29円となった。 NY外為市場: <債券> インフレ懸念が根強い中、10年債利回りが一時1.6%を超え、1年ぶ りの高水準を付けた。1.48%程度とみられるS&P総合500種の配当利回り を上回った。 10年債利回りは11.9ベーシスポイント(bp)上昇し1.507 8%。一時1.614%まで上げた。 この日行われた620億ドルの7年債入札は、応札倍率が過去最低の2.04倍にと どまるなど低調だった。 2年債と10年債の利回り格差は一時141bpと、2015年以降で 最大。その後は134bp近辺で推移した。 S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズのハワード・シルバーブラット氏はリスク リワードに変化が見られると指摘。「米国債がより安全な投資と考えられる。配当を考慮 しても全株式はリスクがある」と述べた。 アナリストは、住宅ローン担保証券(MBS)を保有する向きがポートフォリオのデ ュレーション変動を抑えるため米国債を売る、いわゆるコンベクシティー・ヘッジが見ら れると指摘した。 担保付き翌日物資金調達金利(SOFR)は0.02%。前日は0.01 %と昨年5月以降で最低を記録した。 2年債利回りは3.9bp上昇し0.1661%。30年物の物価連動国 債利回りは0.221%。一時0.307%と1年ぶりの高水準を付けた 。10年物の物価連動国債利回りはマイナス0.630%で、通常国債と の利回り差であるブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は2.141%。 米金融・債券市場: <株式> 主要株価3指数がいずれも下落して取引を終えた。米国債利回りの上昇を 受けてテクノロジー関連株が圧迫され、ナスダック総合の下落率は過去4カ月で 最大となった。 米10年債利回りは一時、1年ぶり高水準となる1.614%まで上昇 。投資家の間で一部のグロース(成長)株のバリュエーションを巡る懸念が高まり、利食 い売りが出た。 米国債利回りはS&P総合500種の配当利回りを上回り、株式市場の利回り での優位性がなくなった。 チェース・インベストメント・カウンセルのピーター・タズ社長は「金利は重要だ。 1.5%の利回りで、S&P500の配当利回りに匹敵する。10年債に資本リスクはな く、元本を取り戻すことが可能だ。急に株式との競争関係が生じた」と語った。 アップル、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、ア ルファベット、フェイスブック、ネットフリックスは軒並み下 落した。 一方、ゲーム販売のゲームストップは前日に続き急伸、数回にわたり売買が 一時停止された。 S&Pの主要セクターでは2020年の市場の上昇を主導した情報技術や 通信サービスが下落した。 S&Pグロース株指数の2月のパフォーマンスはほぼ横ばいで、バリュー株指 数を大きくアンダーパフォームしている。バリュー株指数は新型コロナウイルス危 機後の経済再開を巡る楽観的な見方から7%超上昇している。 チェースのタズ氏は「株式市場は今年に入り何度も最高値を更新してきた。歴史的に 見ると割高だ。売りが出ることは分かっていた」と述べた。 米国株式市場: <金先物> 米長期金利の上昇や米経済指標の改善を受けて、3日続落した。中心限 月4月物の清算値(終値に相当)は前日比22.50ドル(1.25%)安の1オンス= 1775.40ドル。 長期金利の指標である10年物米国債利回りは一時1.6%台に上昇。長期金利が騰 勢を維持しているため、金利を生まない資産である金の売りが促され、相場は一時176 3.90ドルまで下落した。米長期金利の上昇に伴うドル高への警戒感も相場の重しとな ったもよう。 この日朝方発表された米経済指標がおおむね市場予想を上回り、景気回復期待を後押 しする内容だったことも、安全資産としての金の需要減退につながった。 NY貴金属: <米原油先物> 米寒波による供給減少を手掛かりとした買いに支えられ、続伸した 。米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前日比0.31ドル (0.49%)高の1バレル=63.53ドルと、中心限月ベースで2019年5月1日 (63.60ドル)以来約1年10カ月ぶりの高値となった。5月物は0.22ドル高の 63.22ドルだった。 米エネルギー情報局(EIA)は24日、今月半ばに米南部テキサス州を襲った寒波 により、先週の米産油量が1割程度減少したと報告。ただ、周辺の石油関連施設が徐々に 操業を再開しつつあることや、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国で構成する OPECプラスが3月4日に開く会合で、現行の協調減産措置を4月から小幅に緩和する との観測が相場の上値を抑え、朝方はいったん売りが先行した。 しかし、その後は根強い需給引き締まり観測を背景に買いが優勢となり、相場は反転 。昼ごろに一時63.81ドルの高値を付けたが、午後に10年物米国債利回りが1.6 %台に上昇すると、外国為替市場でドルを買い戻す動きが活発となった。これを受けて原 油先物の割高感が強まり、急速にマイナス圏に押し下げられる場面もあり、終日荒い値動 きが続いた。 NYMEXエネルギー: ドル/円 NY午後4時 106.26/106.27 始値 106.13 高値 106.40 安値 106.02 ユーロ/ドル NY午後4時 1.2163/1.2166 始値 1.2229 高値 1.2242 安値 1.2161 米東部時間 30年債(指標銘柄) 16時39分 91*03.50 2.2864% 前営業日終値 92*00.50 2.2420% 10年債(指標銘柄) 16時38分 96*10.50 1.5234% 前営業日終値 97*17.50 1.3890% 5年債(指標銘柄) 16時39分 98*15.00 0.8133% 前営業日終値 99*12.25 0.6260% 2年債(指標銘柄) 16時38分 99*28.88 0.1740% 前営業日終値 99*31.88 0.1270% 終値 前日比 % ダウ工業株30種 31402.01 -559.85 -1.75 前営業日終値 31961.86 ナスダック総合 13119.43 -478.54 -3.52 前営業日終値 13597.97 S&P総合500種 3829.34 -96.09 -2.45 前営業日終値 3925.43 COMEX金 4月限 1775.4 ‐22.5 前営業日終値 1797.9 COMEX銀 3月限 2763.7 ‐22.2 前営業日終値 2785.9 北海ブレント 4月限 66.88 ‐0.16 前営業日終値 67.04 米WTI先物 4月限 63.53 +0.31 前営業日終値 63.22 CRB商品指数 194.5878 ‐0.5395 前営業日終値 195.1273 (
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