[10日 ロイター] - <為替> ニューヨーク外為市場ではドル指数が小幅安。コア消費者物価指数(CP I)の落ち着いた伸びや10年債入札の低調な結果がドル買いを抑えた。一方、豪ドルや ニュージーランドドルなどリスク通貨は値上がりした。 コア指数の伸びは前月比で0.1%にとどまり、予想の0.2%を下回ったほか、前 年比でも1.3%と、1月の1.4%から鈍化した。総合指数の伸びは前月比0.4%で 、予想と一致。前年比では1.7%と、昨年2月以来の大幅な伸びとなった。ガソリン高 が全体の物価を押し上げた。 統計を受けて米国債利回りは低下。市場では一段と強い内容が期待されていたという 。 FXストリート・ドットコムのシニアアナリスト、ジョセフ・トレビサーニ氏は「米 国の金利が年初からのドルの動きをけん引しており、このシナリオが変わるとは考えにく い」と述べた。 380億ドルの10年債入札は、最高落札利回りが1.523%。応札倍率は2.3 8倍と、平均の2.41倍をやや下回った。11日には30年債入札が行われる。 NY外為市場: <債券> 米金融・債券市場では国債利回りが低下。この日行われた10年債入札は プライマリーディーラーの落札が増えたことが全体的な需要の低調さを補い、懸念されて いたほど悪い結果にならなかった。 380億ドルの10年債入札は、最高落札利回りが1.523%と、入札前取引の1 .520%よりも高くなったほか、応札倍率は2.38倍で、平均の2.41倍をやや下 回った。 海外勢の落札比率は56.8%と、1月の62.2%、2月の60.6%から低下。 一方、プライマリーディーラーの比率は25.4%と過去2カ月に比べて上昇した。 ジェフリーズの短期金融市場エコノミスト、トム・シモンズ氏は、最近は特に長期債 の供給量がかなり注目されているが、全体的に良い結果だったと指摘。「最も重要なのは 入札に伴う市場の展開で、入札に向けて相場は最も上昇した。それでも、結果はかなり良 かった」と述べた。 シモンズ氏は、この日の結果が11日の30年債入札に良い兆しになるとも述べた。 米金融・債券市場: <株式> 米国株式市場は、ダウ工業株30種が最高値を更新して取引を終え た。S&P総合500種も上昇。2月の消費者物価指数(CPI)データが落ち着 いた内容となり、インフレ懸念が緩和した。バイデン大統領が掲げる1兆9000億ドル 規模の新型コロナウイルス追加経済対策法案が下院で再び可決されたことも支援材料とな った。 経済再開に伴う消費支出拡大への期待から、エネルギーや金融といったセクターでは 小型株と大型株の双方に買いが入り、昨年3月以降の市場の上げを主導してきた大型テク ノロジー関連株から資金をシフトする動きが続いた。 新型コロナウイルスワクチンの普及で景気回復が加速するとの見方や大規模な追加経 済対策を背景にしたインフレ懸念の高まりから米国債利回りが上昇し、ナスダック総合<. IXIC>は数日前、2月12日に付けた終値での最高値を12%下回り調整局面入りしてい た。 しかし、10日に実施された380億ドルの10年債入札は、懸念されていたほど低 調とはならず、入札結果を受け10年債利回りは一時1.506%に低下した。 ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ投資ストラテジスト、マーク・ラスチー ニ氏は「市場は落ち着きを見せているようで、国債価格は上昇した。ただ、ハイテク(株 )を支援するには至らなかった」と語った。 米国株式市場: <金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米長期金利 の落ち着きを好感し、続伸した。 米労働省が朝方発表した2月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.4%上昇し、 市場予想(ロイター調べ)と一致。しかし、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコ ア指数は0.2%上昇の予想に対し、0.1%の上昇にとどまった。これをきっかけに米 長期金利の上昇に歯止めがかかり、外国為替市場でもドルを売る動きが台頭。金塊相場は 割安感などに支えられ、プラス圏に切り返した。 午後に入り、市場が注目した10年物米国債入札の結果が公表されると、債券市場で は一時売り買いが交錯。その後、米長期金利が上昇しなかったことへの安心感から、金塊 は引けにかけて堅調を維持した。 NY貴金属: <米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米原油 在庫の急増を受けて売りが先行したものの、景気回復期待による買い戻しが優勢となり、 3営業日ぶりに反発した。 米エネルギー情報局(EIA)が午前に発表した5日までの1週間の原油在庫は、前 週比1380万バレル増と、市場予想(ロイター調査)の80万バレル増を大幅に上回る 積み増しとなった。2月に南部テキサス州を襲った寒波による製油所稼働停止などの影響 が残った。一方で、原油生産は日量1090万バレルと、寒波前の水準近くに回復。これ を受けて供給過剰懸念が再燃し、一時63ドル台前半まで売られた。 ただ、下げ一巡後はプラス圏に切り返した。大型の米追加経済対策や新型コロナウイ ルスのワクチン供給拡大を背景に景気回復ペースが加速するとの観測から、エネルギー需 要拡大を期待した買い戻しが台頭。経済協力開発機構(OECD)は9日、今年の世界経 済の成長率が5.6%になるとの見通しを示し、昨年12月予想の4.2%から上方修正 した。米国の21年成長率は、6.5%と、前回から3.3ポイント引き上げた。 NYMEXエネルギー: ドル/円 NY午後4時 108.36/108.38 始値 108.80 高値 108.86 安値 108.35 ユーロ/ドル NY午後 1.1925/1.1929 4時 始値 1.1889 高値 1.1929 安値 1.1883 米東部時間 30年債(指標銘柄) 16時37分 92*00.00 2.2434% 前営業日終値 91*22.00 2.2590% 10年債(指標銘柄) 16時37分 96*11.50 1.5212% 前営業日終値 96*05.00 1.5440% 5年債(指標銘柄) 16時36分 98*18.75 0.7907% 前営業日終値 98*14.00 0.8210% 2年債(指標銘柄) 16時36分 99*30.13 0.1548% 前営業日終値 99*29.38 0.1670% 終値 前日比 % ダウ工業株30種 32297.02 +464.28 +1.46 前営業日終値 31832.74 ナスダック総合 13068.83 -4.99 -0.04 前営業日終値 13073.83 S&P総合500種 3898.81 +23.37 +0.60 前営業日終値 3875.44 COMEX金 4月限 1721.8 +4.9 前営業日終値 1716.9 COMEX銀 5月限 2613.0 ‐5.3 前営業日終値 2618.3 北海ブレント 5月限 67.90 +0.38 前営業日終値 67.52 米WTI先物 4月限 64.44 +0.43 前営業日終値 64.01 CRB商品指数 191.7562 +0.4170 前営業日終値 191.3392 (
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