[27日 ロイター] - <為替> ドルが主要通貨に対し横ばい。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果 を控え、薄商いとなる中、円や資源国通貨に対しては上昇した。 終盤の取引で、ドル指数はほぼ変わらずの90.897。一時、3月3日以来 の安値となる90.679を付けた。 ドル/円は0.6%高の108.72円。日銀が公表した展望リポート(経済 ・物価情勢の展望)で、2023年度の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)の 伸び率が1.0%と、目標の2%に到達しない見通しが示されたことが圧迫した。 また、日銀は26─27日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イー ルドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策の継続を賛成多数で決定した。 アクション・エコノミクスによると、ドル/円は1月以来初めて50日移動平均の1 08.367円を上抜け、ドルの上昇勢いが示された。 ユーロ/ドルはほぼ変わらずの1.2087ドル。 豪ドルは対米ドルで0.5%安の0.7765米ドル。 中国オフショア人民元も対ドルで0.1%安の6.48元。 暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.5%高の5万4883ドルに 上昇。一時、5万5354.59ドルまで上昇した。米JPモルガン・チェース が26日、ビットコイン・ファンドの提供を検討していると伝わったことが材料視された 。 イーサはビットスタンプ取引所で2683.65ドルに上昇し、過去最高 値を更新した。 NY外為市場: <債券> この日から始まったFOMCが注目される中、国債利回りが上昇した。 財務省がこの日に実施した620億ドルの7年債入札は、2月と3月の入札が軟調だ ったことで懸念が出ていたが、需要が改善。最高落札利回りは1.306%、応札倍率は 2.31倍だった。 入札前に利回りが上昇していたことから、需要が増大した可能性がある。プライマリ ーディーラーの落札比率は22.33%と、投資家需要が底堅かったことが示された。2 6日に実施された600億ドルの2年債入札と、610億ドルの5年債入札も堅調な需要 を集めていた。 7年債利回りは入札結果が伝わった後に低下したが、その後は上昇に転じ 、終盤の取引では5ベーシスポイント(bp)上昇の1.308%と、4月15日以来の 水準を付けた。 10年債利回りは6bp上昇の1.627%と、4月20日以来の高水 準を付けた。 FRBは今回のFOMCで、景気は回復しているとの認識を改めて表明する見通し。 市場ではFRBがテーパリング(量的緩和の縮小)に着手する時期について手掛かりを示 すか注目されている。 市場では、FRBが超過準備に対する付利(IOER)を引き上げるかについても注 目されている。 米金融・債券市場: <株式> 大手ハイテク企業の決算発表を控え、S&P総合500種とダウ工 業株30種がほぼ横ばいで取引を終えた。電気自動車(EV)メーカーのテスラ<T SLA.O>や複合企業スリーエム(3M)の決算がさえず、市場の重しとなった。 テスラは4.5%安。同社の第1・四半期決算は予想を上回ったものの、自動車販売 ではなく、他の自動車メーカーへの温暖化ガス排出枠(クレジット)やビットコインの売 却が業績の押し上げ要因だった。 引け後に決算を発表したマイクロソフトは時間外取引で下落。一方、グーグ ルの親会社アルファベットは決算を受け時間外で上昇した。 今週決算を発表するアップル、フェイスブック、米アマゾン・ドット ・コムはこの日の通常取引でまちまち。 ロングボウ・アセット・マネジメントのジェイク・ダラーハイド最高経営責任者(C EO)は、きょうの引け後に発表されるハイテク大手の決算が今週の市場動向を左右する と指摘。「良い内容ならポジティブなモメンタムが得られるが、さえなければボラティリ ティーが高まる可能性がある」と語った。 3Mは2.6%安。同社は新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行 )や2月の寒波によるサプライチェーン(供給網)の混乱で、コストが増大すると警告し た。 米国株式市場: <金先物> FRBの金融政策発表を翌日に控えて様子見ムードが広がり、ほぼ横ば いとなった。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比1.30ドル(0.07% )安の1オンス=1778.80ドル。 NY貴金属: <米原油先物> 反発。石油輸出機構(OPEC)が主導する協調減産の段階的緩和 について、現行の方針が維持されるとの報道を受け、思惑買いが広がった。米国産標準油 種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は、前日比1.03ドル(1.66% )高の1バレル=62.94ドル。7月物は1.00ドル高の62.80ドルだった。 関係筋によると、OPEC加盟・非加 盟の産油国で構成する「OPECプラス」は 、今月1日に合意した、産油量を5月以降段 階的に増やしていく方針を維持する見通し 。石油輸入世界3位のインドでは新型コロナウイルスの感染が急増しているが、原油需要 への影響は一過性で、5月以降に減産を緩和しても供給過剰には陥らないとの楽観的な見 方が台頭。テクニカルな買いや思惑買いが入り、相場を押し上げた。 市場の次の注目材料は、27日夕、28日午前に発表される官民の在庫週報。 NYMEXエネルギー: ドル/円 NY終値 108.68/108.71 始値 108.27 高値 108.77 安値 108.21 ユーロ/ドル NY終 1.2090/1.2094 値 始値 1.2083 高値 1.2092 安値 1.2070 米東部時間 30年債(指標銘柄) 17時05分 90*29.50 2.2973% 前営業日終値 92*00.50 2.2440% 10年債(指標銘柄) 17時01分 95*15.50 1.6252% 前営業日終値 95*31.00 1.5700% 5年債(指標銘柄) 17時05分 99*11.50 0.8812% 前営業日終値 99*16.25 0.8510% 2年債(指標銘柄) 16時05分 99*28.38 0.1818% 前営業日終値 99*28.50 0.1790% 終値 前日比 % ダウ工業株30種 33984.93 +3.36 +0.01 前営業日終値 33981.57 ナスダック総合 14090.22 -48.56 -0.34 前営業日終値 14138.78 S&P総合500種 4186.72 -0.90 -0.02 前営業日終値 4187.62 COMEX金 6月限 1778.8 ‐1.3 前営業日終値 1780.1 COMEX銀 5月限 2641.0 +20.1 前営業日終値 2620.9 北海ブレント 6月限 66.42 +0.77 前営業日終値 65.65 米WTI先物 6月限 62.94 +1.03 前営業日終値 61.91 CRB商品指数 200.0930 +1.9812 前営業日終値 198.1118 (
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