(レートを更新し、リポート内容を追加しました)
[29日 ロイター] -
<為替> ニューヨーク外為市場ではドルが上昇。安全通貨とされる円とスイスフラ
ンは下落した。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン」を巡る懸念が一部和らぐ中
、相場は落ち着きを取り戻し、先週末の動きが反転した。
アフリカ南部でオミクロン株が検出されたというニュースを受け、金融市場は26日
、大荒れとなった。外為市場では円やスイスフランの買いが膨らんだ。
世界保健機関(WHO)は29日、オミクロン株について、世界的に広がる可能性が
大きいとの認識を示した。一部地域で感染者が急増し「深刻な結果」をもたらす可能性が
あり、グローバルなリスクが「非常に高い」とした。
バイデン米大統領はオミクロン株について「懸念すべきものだが、パニックを起こす
べきものではない」と述べ、不安払拭に努めた。さらに、ロックダウン(都市封鎖)再導
入はないとも言明した。
主要通貨に対するドル指数
0.2%高の96.367。26日には、1日と
しては5月以来の大幅な下げを記録した。
NY外為市場:
<債券> 米金融・債券市場では、米債利回りがおおむね上昇し、イールドカーブ(
利回り曲線)はスティープ化した。新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン」が
検出されたことに伴う質への逃避が一服した。
指標10年債利回りは序盤に一時1.565%まで上昇した。終盤は3
.6ベーシスポイント(bp)上昇の1.5209%。先週26日には1.473%まで
低下していた。
2年債利回りは序盤に上昇していたものの、終盤は1bp弱低下の0.5
157%。26日の低下幅は約14bpと2020年3月以来の大きさだった。
ソシエテ・ジェネラルの米金利戦略部門責任者、スバドラ・ラジャッパ氏は、オミク
ロン株に関する情報が出てくるにつれ質への逃避は弱まったものの、29日の米債市場は
「株式市場とともにやや行ったり来たり」の状態だったと述べた。
アクション・エコノミクスのマネジングディレクター、キム・ルパート氏は、12月
3日に発表される11月の米雇用統計に加え、月末のポジション調整が米債市場のボラテ
ィリティー上昇につながる可能性があるとした。
米金融・債券市場:
<株式> 米国株式市場は上昇して取引を終えた。新型コロナウイルスの新たな変異
株「オミクロン」について、バイデン米大統領がロックダウン(都市封鎖)の再導入には
つながらないと述べ、安心感が広がったようだ。
主要株価3指数はいずれも前週末の急落から反発。テクノロジー株の上昇に支援され
、ナスダック総合が上げを主導した。感謝祭の祝日明けで半日取引となった26
日は、オミクロン株の出現で経済に混乱が生じるとの懸念からS&P総合500種
とダウ工業株30種は数カ月ぶりの大幅な下落率を記録していた。
バイデン氏は29日、「この変異株は懸念すべきものだが、パニックを起こすべきも
のではない」と述べ、オミクロン株の感染拡大阻止に向け、ロックダウンを再導入するこ
とはないと言明した。
OANDAのシニア市場アナリスト、エドワード・モヤ氏は「26日は感染拡大とロ
ックダウン再導入への懸念からリスク回避の動きが大いに強まった」と指摘。しかし現在
は大統領の発言や製薬会社の対応を受けて楽観的な見方が出始めていると述べた。
米モデルナ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、独ビ
オンテックの3社は29日、現行の新型コロナウイルスワクチンがオミクロン
株に効かない場合に備えて、この変異株に特化したワクチンの開発に取り組んでいると発
表した。
S&P主要11セクターでは情報技術が上げを主導。アマゾン・ドット・
コムとテスラが買われ、一般消費財も上げが目立った。26
日の急落でバリュエーションの高いテクノロジー株に割安感が出た。
米国株式市場:
<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、対ユーロで
のドル高が重しとなり、小幅下落した。
この日朝方の外国為替市場では、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株
」の世界的な感染拡大を背景に、ドルがユーロに対し上昇。これを受けてドル建て商品で
ある金塊の割高感が増し、金相場を圧迫した。
ただ、世界保健機関(WHO)はこの日、オミクロン株が国際的に拡散する公算が大
きく、世界規模のリスクは「極めて高い」との分析を発表。先行き不透明感の強まりから
安全資産とされる金塊は底堅く推移した。
NY貴金属:
<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、新型コ
ロナウイルスの変異株「オミクロン株」をめぐる懸念を受け前週末に急落した反動から買
い戻しが入り、反発した。プラスは3営業日ぶり。
前週末は、オミクロン株の感染拡大懸念からリスク回避の動きが強まり、原油先物相
場は10ドル超の下げとなった。この日は一転して旺盛な買い戻しが先行し、相場は一時
72.93ドルまで上昇。ただ、各国による渡航禁止などの規制導入に伴い経済活動の停
滞やエネルギー需要回復の遅れを招くとの警戒感が根強く、取引終盤には上値の重さが目
立った。
NYMEXエネルギー:
ドル/円 NY終値 113.52/113.54
始値 113.44
高値 113.95
安値 113.42
ユーロ/ドル NY 1.1291/1.1294
終値
始値 1.1291
高値 1.1295
安値 1.1259 米東部時間
30年債(指標銘柄 17時05分 100*14.00 1.8559%
)
前営業日終値 101*01.00 1.8300%
10年債(指標銘柄 17時05分 98*26.50 1.5021%
)
前営業日終値 98*31.50 1.4850%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*14.25 1.1581%
前営業日終値 100*10.75 1.1810%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*00.25 0.4961%
前営業日終値 99*30.75 0.5200% 終値 前日比 %
ダウ工業株30種 35135.94 +236.60 +0.68
前営業日終値 34899.34
ナスダック総合 15782.83 +291.18 +1.88
前営業日終値 15491.66
S&P総合500種 4655.27 +60.65 +1.32
前営業日終値 4594.62 COMEX金 12月 1782.3 ‐3.2
限
前営業日終値 1785.5
COMEX銀 12月 2279.9 ‐30.8
限
前営業日終値 2310.7
北海ブレント 1月限 73.44 +0.72
前営業日終値 72.72
米WTI先物 1月限 69.95 +1.80
前営業日終値 68.15
CRB商品指数 225.7178 ‐1.0111
前営業日終値 226.7289
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