[30日 ロイター] - <為替> 年末を控えた薄商いの中、ドルが主要通貨に対し上昇した。米国の週間新 規失業保険申請件数の減少を受け、新型コロナウイルス感染再拡大で景気回復が頓挫する との懸念が後退した。 労働省が朝方発表した12月25日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整 済み)は19万8000件と、前週の20万6000件(改定)から改善。新型コロナウ イルスのオミクロン変異株の拡散により感染者が再び急増しているものの、雇用への目立 った影響は見られていない。 フォレックス・ライブのチーフ外為アナリスト、アダム・バットン氏は、オミクロン 変異株の感染拡大が経済成長と供給網に及ぼす影響を巡る懸念は後退したと指摘。年末を 控えた薄商いの中で値動きが拡大したとの見方を示した。 午後の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.158%上昇の95.976 。 ソシエテ・ジェネラル(ロンドン)の外為戦略部門責任者、キット・ジャックス氏は 「ドルは昨日の午後に失った地合いを取り戻しているにすぎない」としながらも、「慎重 ながらも楽観的な見方が出ている」と述べた。 こうした中、円は下落。対ドルで115.205円と、11月に付けた安 値(115.51円)に迫った。 ユーロは0.19%安の1.1325ドル。 トルコリラは4.68%安の1ドル=13.1リラ。前日は6.9%下 落していた。 これまで2日連続で下落していた暗号資産(仮想通貨)のビットコインは 安定化し、0.72%高の4万7568ドル。 NY外為市場: <債券> 国債利回りが小幅低下。目立った材料も見当たらず、薄商いの中で方向感 なく推移した。 前日には低調な7年債入札を受けて、利回りは1カ月ぶり水準に上昇していた。 指標10年債利回りは1.52%。前日には一時、11月29日以来の 高水準となる1.56%に上昇する場面があった。年間では、2013年以来の大幅上昇 となる60ベーシスポイント(bp)上昇を記録する基調にある。 2年債利回りは0.74%。年間では62bp上昇する基調にある。これ は2017年以来の上昇幅。 2・10年債利回り格差は77bp。ただ、前年末の79bpに比べ ると小幅フラット化している。 物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・ イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.89%。週初は2.79 %だったが、週を通じて上昇してきた。 米金融・債券市場: <株式> 下落。朝方発表された米経済指標は好調な内容となったものの、年末の薄 商いの中、ダウ工業株30種とS&P総合500種は前日付けた終値での最高値から反落 した。 2021年の取引も残すところあと1日となる中、S&Pは年初来27%超、ナスダ ック総合は約23%、ダウは20%弱の値上がりとなる見通し。 米指標では、12月25日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)が 19万8000件と、前週の20万6000件(改定)から改善した。新型コロナウイル スのオミクロン変異株の拡散により感染者が再び急増しているものの、雇用への目立った 影響は見られない。 12月のシカゴ景気指数は63.1と、前月から上昇し市場予想の62を上回った。 LPLフィナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、ライアン・デトリック氏は、堅 調な指標が「健全な米経済情勢を示し、新型コロナウイルスのオミクロン変異株を巡りく すぶっている懸念を払拭する」と述べた。ただ、年末で取引量が減っているため、値動き が誇張されている可能性があるとも指摘した。 S&Pの主要11セクターのうち、4セクターが上昇。不動産が上げを主 導した。 個別銘柄では、製薬バイオジェンが7.09%安。 韓国の医薬品会社サム スンバイオロジクスは30日、バイオジェンの買収に向けて協議中という報 道を否定した。 また、ウォルト・ディズニーは年初来20%超の値下がりとなる見通し。 2022年は米金利動向と中間選挙に注目が集まることが予想される。前出のLPL のデトリック氏は「米中間選挙の年は4年周期でボラティリティーが最も高まる傾向があ る」とし、来年は投資家にとって今年よりも手強い年になる可能性があると釘を刺した。 米取引所の合算出来高は80億8000万株。直近20営業日の平均は108億30 00万株。 ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.26対1の比 率で上回った。ナスダックでも1.47対1で値上がり銘柄数が多かった。 米国株式市場: <金先物> 年末の休暇ムードで薄商いとなる中、米長期金利の低下を眺めて買いが 優勢となり、反発した。中心限月2月物の清算値(終値に相当)は前日比8.30ドル( 0.46%)高の1オンス=1814.10ドル。 NY貴金属: <米原油先物> 需要引き締まり観測を支えに、7営業日続伸した。米国産標準油種 WTIの中心限月 2月物は前日清算値(終値に相当)比0.43ドル(0.56%)高 の1バレル=76. 99ドル。3月物は0.43ドル高の76.61ドル。 NYMEXエネルギー: ドル/円 NY終値 115.06/115.07 始値 115.1 高値 115.19 安値 115.03 ユーロ/ドル NY終値 1.1323/1.1327 始値 1.1324 高値 1.1344 安値 1.1299 米東部時間 30年債(指標銘柄) 17時05分 99*03.50 1.9142% 前営業日終値 98*07.00 1.9540% 10年債(指標銘柄) 17時05分 98*25.50 1.5065% 前営業日終値 98*15.00 1.5430% 5年債(指標銘柄) 17時04分 99*29.75 1.2646% 前営業日終値 99*25.00 1.2950% 2年債(指標銘柄) 17時05分 100*01.25 0.7303% 前営業日終値 100*00.00 0.7500% 終値 前日比 % ダウ工業株30種 36398.08 -90.55 -0.25 前営業日終値 36488.63 ナスダック総合 15741.56 -24.65 -0.16 前営業日終値 15766.22 S&P総合500種 4778.73 -14.33 -0.30 前営業日終値 4793.06 COMEX金 2月限 1814.1 +8.3 前営業日終値 1805.8 COMEX銀 3月限 2306.0 +20.2 前営業日終値 2285.8 北海ブレント 2月限 79.32 +0.09 前営業日終値 79.23 米WTI先物 2月限 76.99 +0.43 前営業日終値 76.56 CRB商品指数 233.9603 ‐0.8970 前営業日終値 234.8573 (
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